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ラグビー コラム 2022年5月6日

さようなら。そしてありがとう。宗像サニックスブルース!公式戦324試合目のラストゲーム。ジャパンラグビー リーグワン Div.3順位決定戦

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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宗像サニックスブルース、ラストゲーム

1994年に創部された宗像サニックスブルースが「ラストラン」を迎える。

5月8日(日)、リーグワンディビジョン3の1~3位の順位決定戦の第3節が行われる。ホストであるリーグ戦1位の豊田自動織機シャトルズ愛知が、リーグ戦2位の宗像サニックスブルースと対戦する。

宗像サニックスブルースが、株式会社サニックスの経営環境により今季限りでの休部が決まり(現在のところ譲渡先は見つかっていない)、トップリーグ時代からランニングラグビーで、多くのファンを魅了してきたサニックスラグビー部としてのラストマッチとなる。

4月24日に行われた順位決定戦の第1節で豊田自動織機シャトルズ愛知がリーグ戦3位の清水建設ブルーシャークス江東を37-10で下し、30日の第2節で清水建設江東ブルーシャークスが宗像サニックスに40-26で勝利した。

そのため、第2節終了時点で、勝ち点で上回った豊田自動織機シャトルズ愛知が来季のディビジョン2への自動昇格を決め、清水建設江東ブルーシャークスがディビジョン2最下位チームとの入替戦に回ることが決定している。

ただ、宗像サニックスブルースとしては「ラストゲーム」に勝利して有終の美を飾りたいところだ。一方、今季始まったリーグワンでまさかのディビジョン3スタートとなった豊田自動織機シャトルズ愛知としては、地元で勝利して無敗のまま12連勝で今シーズンを締めくくりたい。

それではビジターの宗像サニックスブルースから見ていきたい。前節からFW(フォワード)3人、BK(バックス)3人と、6人を交替して臨む。

FWの第1列、HO(フッカー)にはゲームキャプテンであり、副将の高島卓久馬、PR(プロップ)は2年目のファイアラガ望サムエルと、前節はメンバー外だった寺脇駿が先発する。LO(ロック)は花田広樹が5番から4番に上がり、前節控えだった西井利宏がスターターとなった。

バックローはオールブラックスセブンズのFL(フランカー)スコット・カリーと、前節はベンチメンバーだった吉田光治郎が7番を着けてコンビを組む。NO8(ナンバーエイト)には何でもできるジョセフ・トゥペが務める。

BKはSH(スクラムハーフ)に2年目の土永雷が先発し、三股久典が控えに下がった。SO(スタンドオフ)には前節はベンチから出場し、この試合で2試合目の先発となる竹中太一が入った。CTB(センター)は前節と変わらず、王授榮と7人制日本代表歴のあるトロケ マイケルがコンビを組む。

バックスリーには、前節14番だったWTB(ウィング)石垣航平が11番に上がり、2015年ラグビーワールドカップ日本代表WTBカーン・ヘスケスが14番で先発。FB(フルバック)には引き続き八文字雅和が入った。ベンチにはHO宮崎達也、PR加藤一希、PR猿渡康雄、LOタタナ ダラス、FL殿元政仁、SH三股久典、SO/CTB香川凜人、FB高野恭二が入った。

28年の歴史で最後となる試合に向けて松園正隆監督は、「みなさまにいろいろな形でいただいた応援を、宗像サニックスブルースの集大成として、”サニックスらしいラグビー”で締めくくりたい。選手、スタッフは最後まで戦い続ける」と語気を強めた。

宗像サニックスブルースとしては、伝統のランニングラグビーでボールを動かしてトライを奪いたい。先発するNO8トゥペ、WTBヘスケスはリーグ戦で4トライと決定力に長けており、FBの八文字もクリーンブレイク数9でリーグ2位だ。最後までFW、BK一体となってボールを動かしてトライを狙いたい。

次に、ここまでディビジョン3で全勝中の豊田自動織機シャトルズ愛知のメンバーを見ていきたい。FWのメンバーに変更はなく、BKのみ2名を変更した。

FW第1列はPR南友紀、廣野翔太、今季Hondaから移籍したHO藤浪輝人の3人、LOはゲームキャプテンで副将の中村大志と藤井俊希がコンビを組み、バックローはFLタリフォロフォラ・タンギパと小原稜生の2人、NO8には身長202cmのタレニ・セウが入った。

ゲームをコントロールするハーフ団はSH藤原恵太とSO清水晶大のトップリーグ経験豊富な2人、フィジー代表24キャップを誇るCTBジョシュ・マタヴェシとコンビを組むのは、前節のジョシュア・ケレビに替わり、9トライを挙げてリーグ戦のトライ王に輝いた2年目の齊藤大朗だ。

バックスリーにはWTB中野豪と、リーグ戦6トライのWTB大道勇喜、そしてFBにはロビー・ロビンソンに替わり、身長188cmの大型FBトム・ハダッドが務める。控えにはHO村川浩喜、PR渡邊彪亮、U20日本代表歴のある田嶋グン、日本代表10キャップのベテランLO/FL谷口到、元サニックスのFL金堂礼、SH末拓実、SO石田圭祐、CTBルテル・ラウララが入った。

前節終了後、LO中村ゲームキャプテンは、「抜かりなく徹底して準備し勝ち切る。宗像サニックスブルースは(自分が)小さい時からあったチーム。宗像サニックスブルースから移籍してきた選手もおり、対戦は感慨深い。最終戦で勝ちにいくが、互いに良い試合を行いたい」と意気込んでいた。

豊田自動織機シャトルズ愛知はリーグ戦のトライ数では64と、2位の清水建設江東ブルーシャークスの44よりも20トライ多く、ディビジョン3では頭抜けた存在だった。9トライのCTB齊藤、6トライのWTB大道らにいい形でボールを供給してアタック力で圧倒したいところ。

実はリーグ戦では2試合ともにコロナの影響で中止になってしまったため、宗像サニックスブルースと、豊田自動織機シャトルズ愛知の対戦は今季初めてとなる。

公式戦324試合目となる宗像サニックスブルースが、最後の試合を白星で飾ることができるか。それともすでに来季のディビジョン2への自動昇格を決めた豊田自動織機シャトルズ愛知が強さを見せて全勝でシーズンを締めくくるか。

選手、ファン、関係者など、いろんな人の思い、気持ちが交錯するディビジョン3の1~3位順位決定戦の最終戦は、5月8日(日)午後4:00にパロマ瑞穂ラグビー場でキックオフされる。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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