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静岡ブルーレヴズ vs. 東芝ブレイブルーパス東京
4強によるプレーオフ・トーナメントを5月下旬に控えるジャパンラグビーリーグワンの最高峰「ディビジョン1」(D1)。
その全16試合のレギュラーシーズンはついに最終節(第16節)だ。
5月8日(日)は、静岡・ヤマハスタジアムで、入替戦を回避した8位の静岡ブルーレヴズが、トヨタヴェルブリッツの不戦敗によりプレーオフ(PO)進出が決まった4位の東芝ブレイブルーパス東京を迎える。
またもコロナ禍による冷や水が振りかかった。
第15節を終えて10勝5敗(実戦9勝5敗)のブレイブルーパスは、このブルーレヴズ戦に勝てば上位4チームによるプレーオフ進出が決定する状況。
しかし勝ち点3差で追走していた5位トヨタヴェルブリッツと、1位東京サントリーサンゴリアスの試合が、ヴェルブリッツ側のコロナ事由により開催中止に。
この結果ヴェルブリッツは不戦敗となり、無念のシーズン終了。4位にいたブレイブルーパスのPO進出が決定した。
ブレイブルーパスは「勝てばPO進出」という発奮材料を失ったが、好調を維持して5月21日(土)のPO準決勝を迎えたいところだろう。
先週の第15節では東京サントリーサンゴリアスに27-3で完勝し、怒濤の5連勝を果たした。
リーグ戦においてサンゴリアスがノートライで負けたのは、2012年以来10年振りだった。試合後、共同キャプテンのSH小川高廣はフォワードの充実に言及し、「強い東芝が戻ってきた」と誇った。
東芝ブレイブルーパス東京スターティングメンバー
そんなブレイブルーパスは、サンゴリアスに完勝したメンバーから先発3人を変更した。
先週先発した日本代表のリーチマイケルはリザーブへ入り、東海大学の後輩にあたる眞野泰地らと共に途中出場に控える。
ホストのブルーレヴズにしてみれば、負けられないシーズン最終戦だ。
リーグワン初年度、静岡県をホストエリア自治体とした“プロラグビーチーム”を高らかに宣言したブルーレヴズ。
ここまで5勝10敗(実戦4勝6敗)とし、今季最終戦を前身のヤマハ発動機ジュビロ時代から慣れ親しんだヤマハスタジアムで迎える。
PO進出も入替戦もない8位だが、ファンに勝利を届け、今季を有終の美で締めくくりたい。
8日はゴールデンウィーク最終日。ホストを務めるブルーレヴズは子どもが楽しめる「キッズパーク」を開催。パトカーや建設車両等の「はたらくくるま」、乗り物体験ができるミニ新幹線等が登場する。
先週のブルーレヴズは、3点差(15-18)でヴェルブリッツに逆転負けを喫した。今季3度目の「7点差以内の敗戦」だった。
ブルーレヴズの堀川隆延監督は「確かなチームの成長の手応えは間違いなくあります」としながらも「後半に逆転される試合が数試合続いており、そこに対していろいろな工夫を入れたりしています。しかしやはり80分通したゲームコントロールというところが足りない部分」と課題を語った。
静岡ブルーレヴス スターティングメンバー
80分間の勝負で上回りたいブルーレヴズは、先週から先発2名を変更。先週メンバー外だったLOマリー・ダグラスとWTBキーガン・ファリアがスタメンに入る。
フロントローは変わらず25歳のPR河田和大と、ベテランのHO日野剛志とPR伊藤平一郎。
バックローは充実の3人。
ジャッカル名手として頭角を現したFL庄司拓馬、ロックもできる多機能なFL舟橋諒将。そしてターンオーバー数がリーグ全体トップの7回を誇るNO8クワッガ・スミスだ。
注目はやはりFW戦だろう。
ブルーレヴズは突破確率の高いアタックなどの他、ヤマハ発動機時代からFWを中心としたセットプレー(スクラムやラインアウト等)が強みのひとつ。
対するブレイブルーパスも、先週のサンゴリアス戦で力を発揮した強力FWが大きな武器。FW戦の優劣がスコアに直結する可能性は高い。
両チームのブレイクダウン&セットプレーの比較
両チームの「ブレイクダウン&セットプレー」を比較してみると、ラインアウト成功率ではブルーレヴズが84.35%で上回っている。
先発するHO日野はかつて「ヤマハスタジアムは場所によって風の吹き方が違う」と語ったことがある。地の利を活かし、セットプレーの安定に繋げたい。
そしてスクラム勝率では、こちらもブルーレヴズが80%で優勢。スクラムからのトライはブルーレヴズの十八番だ。ブレイブルーパスも強力スクラムが武器であり、熱いバトルが期待される。
プレーオフへ弾みをつけたいブレイブルーパス。リーグ初年度の最終戦を白星で飾りたいブルーレヴズ。注目のキックオフは日曜日の14時30分だ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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