人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2022年5月2日

春の早明戦、明治大学がロスタイムで劇的勝利。ラグビー関東大学春季大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
  • Line

後半、トライを挙げた明治大学WTB石田主将

やはり伝統の「早明戦」、最後まで勝負がわからない試合となった。

5月1日(日)、「ラグビー関東大学春季交流大会」Aグループ、対抗戦のライバルで、伝統の一戦である早稲田大vs.明治大学の「早明戦」が、北海道・札幌ドームで行われた。

この試合は北海道のラグビー活性化を目的とし、4月30日(土)からの2日間、「北海道”ラグビーの日”」として行われているイベントのフィナーレとして開催された。なお、両校が北海道で対戦するのは2013年以来だが、札幌ドームでの対戦は初で、ともに今季初の公式戦だった。

早稲田大学は昨年12月5日の関東大学対抗戦の「早明戦」では、17-7で勝利し対抗戦2位、明治大学は3位だった。両校はすぐに12月25日の大学選手権の準々決勝で再戦、明治大学が20-15で接戦を制して、早稲田大学は年内でシーズンが終了、一方の明治大学は決勝まで駒を進めた。

NO8からHOに転向した早稲田大学HO佐藤

今季のスローガンに「タフチョイス」を掲げる早稲田大学はキャプテンNO8(ナンバーエイト)相良昌彦(4年)を筆頭に、HO(フッカー)にはNO8からコンバートした佐藤健次(2年)、SH(スクラムハーフ)宮尾昌典(2年)、SO(スタンドオフ)伊藤大祐(3年)、CTB(センター)岡崎颯馬(3年)、松下怜央(4年)、エースのWTB槇瑛人(4年)ら昨季から活躍する選手たちが顔を揃えた。

一方、「AHead」をスローガンに掲げる明治大学はキャプテンWTB(ウィング)石田吉平(4年)や、PR(プロップ)大賀宗志(4年)、LO(ロック)には山本嶺二郎、亀井茜風(ともに3年)の2人、SO伊藤耕太郎、CTB廣瀬雄也(ともに3年)と、副将CTB齊藤誉哉(4年)らが先発。ベンチには1年生ながら唯一のメンバー入りを果たしたPR富田陸(大阪桐蔭高校出身)が入った。

7,822人のファンが見守る中、午後1:10に試合はキックオフされた。前半序盤、互いに今季の初の公式戦とは思えない激しいブレイクダウンの応酬で、なかなか試合は動かない。しかし13分、早稲田大学が相手陣のラインアウトからモールを押し込み、ボールを継続。最後はCTB松下怜央(4年)が押さえて5点を先制した。

明治大学も負けじと26分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込んでHO松下潤一郎(3年)が押さえ、SO伊藤耕太郎(3年)がゴールを決めて、7-5と逆転に成功する。さらに明治大学は前半39分、相手陣ラインアウトからボールを継続し、SO伊藤のオフロードパスを拾ったCTB廣瀬雄也(3年)が力強いランでゲインし、左中間にトライ。そして自身で難しい角度のゴールを決めて14-5で前半を折り返した。

後半も主導権を握ったのはリードしていた明治大学だった。2分、キックカウンターから明治大学は、右サイドラインで副キャプテンCTB斉藤、キャプテンWTB石田のパス交換から、WTB石田が抜け出して右中間にトライを挙げて、19-5とリードを広げる。

この試合、大活躍した早稲田大学WTB槇

だが、早稲田大学もパスラグビーで意地を見せる。10分、WTB槇がラックの後ろから走り込んでパスを受けて抜けだし、40mを走りきってトライ、ゴールも決まり12-19と7点差とする。33分には再びWTB槇がラインブレイクしてゴール前に迫ると、最後は途中出場のSH細矢聖樹(2年)から、パスに走り込んだキャプテンNO8相良が中央にトライ。ゴールも決まって19-19の同点に追いついた。

ラグビー関東大学春季大会2022

明治大学は40分、相手の反則から中央からのPG(ペナルティゴール)のチャンスを得る。だが、途中出場のSO池戸将太郎(3年)が外してしまい、スコアボードは動かない。

ロスタイムでトライを挙げて喜ぶ明治フィフティーン

それでもロスタイム、明治大学は相手の反則を誘い、相手陣ゴール前まで攻め込むと、FW(フォワード)陣がクイックタップから試合を再開。縦に突いて、最後は途中出場の1年生PR富田が、モールから身体を反転しながらインゴールにボールを押さえてトライ。ゴールも決まって明治大学が26-19で、今季の公式戦初戦を白星で飾った。

勝ち越しトライを挙げた1年のPR富田

殊勲のトライを挙げたPR富田は「紫紺のジャージーを着られて、チームに貢献できて良かった。なんとしても逆転しよう、取り切ろうという気持ちでトライしました。ボールキャリーで自分の良さを出せました」と声を弾ませた。

関東大学ラグビー春季大会2022

【ハイライト】早稲田大学 vs. 明治大学

春季大会初戦で白星スタートとなった明治大学の神鳥裕之監督は、「今季の公式戦初戦と言うことで、細かく見れば、まだまだ課題や積み上げなければいけない部分があると思いますが、まずは早稲田大学さんという、素晴らしい相手に強度の高い試合ができたことが一番の収穫」と振り返った。

キャプテンのWTB石田も「課題が予想以上にたくさん出たので、そこを今後の春季大会で修正しないといけないが、そういう中でも勝ちきれたのが大きい」と、勝利に喜びながらも反省は忘れていなかった。

一方、同点に追いついたものの、勝利できなかった早稲田大学の大田尾竜彦監督は「春シーズン最初の試合ということでしたし、非常に選手も気持ちが入った試合を見せてくれた。負けましたが、初戦としては非常に良いパフォーマンスを選手たちがしてくれた。スクラム、ブレイクダウンと今やっていることはできた。今後に向けて非常に収穫のある試合だった」と納得した表情で話した。

早稲田大学NO8相良主将

キャプテンNO8相良は「春季大会の初戦を札幌ドームでできたことはうれしかった。FWとBK(バックス)一体となってラインブレイクができたことは収穫でしたが、自分たちの足りないものがわかったので、次に向けて改善していきたい。明治に負けてだいぶ悔しいので、今季はもう負けないようにしたい」と悔しそうに話した。

早稲田大学、明治大学ともに今季の初戦だったが、指揮官や選手のコメントを聞くと、新チームとなってから、この2~3月に取り組んできたことが、十分に出せた試合になったようだ。

エールの交換をする両チーム

北海道で行われた、今季の「早明」の第1ラウンドは明治大学に軍配が上がったが、夏合宿、そして対抗戦、大学選手権とライバル同士の激突は今季も続いていく。両校ともに、まずは春季大会で新しい選手、システムなどを使いつつ、秋に向けてチーム力を上げていきたいところだ。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ