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ラグビー コラム 2022年4月22日

若い力に期待高まる両チーム。2位クボタスピアーズ船橋・東京ベイに、7位神戸スティーラーズが挑む

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. コベルコ神戸スティーラーズ

リーグワン2022ディビジョン1(D1)のレギュラーシーズンは、各チーム残すところ3試合となった。4月22日~24日は第14節の6試合が行われる。プレーオフ進出枠4位までの座を巡る争いは最終段階を迎えるが、首位の東京サンゴリアスはすでに4位以内が確定。2位クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)=勝ち点49、3位埼玉ワイルドナイツ=勝ち点48で、4位横浜キヤノンイーグルスの41点とは差があり、2チームは優位な立場にある。4位以内を確定させたいS東京ベイは今節、7位の神戸スティーラーズ(神戸S)と戦う。神戸Sは勝ち点27で4位以内に可能性を残しているが、S東京ベイに敗れると望みは絶たれる。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイスターティングメンバー

両チームは第3節で対戦し、神戸Sが27-22で勝った。しかし、S東京ベイは主力に負傷者が多く、今回のメンバーでいえば、LOルアン・ボタ、FLピーター・ラブスカフニ、NO8ファウルア・マキシ、CTB立川理道が欠場していた。また、第7節にデビューしたWTB根塚洸雅、第13節にデビューしたWTB木田晴斗もいなかった。戦力は大きく違っている。加えて、前節デビューした木田に続いて、大学を卒業したばかりのルーキーPR紙森陽太、ユーティリティーBKハラトア・ヴァイレアもリザーブ入り。若い力がどんなプレーを見せ、チーム力を押し上げるのか興味深い。

コベルコ

対する神戸Sも、第3節ではHO有田隆平、LOのJD・シカリング、初先発のFL井上遼、南アフリア代表CTBルカニョ・アムらはいなかった。今季加入のSH中嶋大希も第3節では日和佐篤の控えでリザーブで、今回は日和佐がリザーブ席からのスタート。このほか、第12節にデビューしたPR前田翔、FL粥塚諒、今季初のメンバー入りとなるHO山田生真、CTB池永玄太郎がリザーブに名を連ねている。第3節の先発15人から、S東京ベイ、神戸Sともに半分以上が変わっており、どんな展開になるのか予断を許さない。

S東京ベイの立川理道キャプテンは「前回、神戸のホームで負けてしまったので、しっかり準備をしたい。大事な試合では反則が勝敗を左右する。規律の部分、ディフェンスの分は大事にして取り組んでいきたい」と話した。立命館大学を卒業したばかりのWTB木田晴斗は初先発の意気込みを次のように語る。「ルーキーらしく、ひたむきにプレーし、持ち味のランのところで、自信を持ってチャレンジしたいです」。

 

スタッツ(統計数値)で見ると、両チームともラインアウトは安定しており、神戸S(90%)、S東京ベイ(89%)と高い成功率を誇る。スクラムの成功率は、神戸Sが81%で、73%のS東京ベイを上回るが、セットプレーの優劣は勝敗を左右する大きな要素だ。個人の数値では、S東京ベイWTB根塚洸雅はラインブレイク数が今季のD1最多(19回)。神戸Sのアタアタ・モエアキオラは同項目で今季5位(8回)。アタアタは本来のBKではなく、今回はNO8で起用される。その突破力はどのポジションでプレーしようとも変わらない。前節の埼玉ワイルドナイツ戦同様、激しいプレーを見せるだろう。

神戸Sは、4月17日、ヘッドFWコーチのスティーブ・カンバーランド氏が急逝。前触れのない突然の訃報にチームに動揺が走った。2008年から神戸Sに関わり、スクラムを作り上げた恩人に勝利を届けるため、これまで以上に気持ちの入ったプレーを見せるだろう。S東京ベイも負けられない試合で、序盤から目の離せない攻防になりそうだ。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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