トヨタヴェルブリッツ、高いポテンシャルを持った若き才能が加入

ジャパンラグビー リーグワン、大卒新人は4月から公式戦に出場が可能となる。それではディビジョン1の各チームに加わった新人選手を紹介していきたい。フィジカルラグビーを信条とするトヨタヴェルブリッツに、今年度は5人の有望な選手が新たに加わった。

東海大学のFWを引っ張った小池隆成

まず、関東大学リーグ戦4連覇、大学選手権ベスト4の東海大学から2人の選手が加わる。1人目は身長188cm、106kgのLO（ロック）／FL（フランカー）の小池隆成だ。東京高校出身で高校2年時に花園に出場、1年からFW（フォワード）に強みを見せる東海大学で主力としてプレーを続けた。

機動力に長けており、激しいプレーも持ち味で、空中戦でも強さを発揮するオールラウンダーだ。ジュニア・ジャパンやU20日本代表でも国際経験を積んだ。小池は「歴史あるトヨタヴェルブリッツの一員になれることをうれしく思います。ルーキーらしく何事にもチャレンジし、チームの優勝に貢献できるよう日々精進致して参ります」と話した。若さとチャレンジ精神でヴェルブリッツFW陣に勢いを与えたい。

スキルに長けた丸山凜太朗

もう1人も、東海大学で1年生から活躍を続けていた身長175cmのSO（スタンドオフ）／CTB（センター）丸山凜太朗だ。高校2年時のとき東福岡高校で「花園」こと、全国高校ラグビー大会制覇に貢献した。高校日本代表、ジュニア・ジャパン、U20日本代表でも存在感を示した。パス、キック、ランと3拍子揃った攻撃マインドに長けた司令塔である。

SOとしてプレーしてきたが大学4年時は、インサイドCTBとしても高い能力を発揮した。今年度も自分から仕掛けてオフロードパスでトライを演出したりするなど、得点に積極的に絡んだ。丸山は「トヨタヴェルブリッツの一員としてラグビーが出来ることを光栄に思います。このチームの勝利に貢献できる存在になれるよう努力していきたい」と話した。まずはアタックセンスを見せて、メンバー争いに絡んでいきたい。

立命館大学出身の百地龍之介

関西の大学からは3人が入部した。1人目は身長175cm、体重103kgの立命館大学出身の百地龍之介だ。機動力、そしてスクラムワークに長けたPR（プロップ）だ。東海大仰星中学・高校出身で、高校3年時には花園で優勝を経験している。高校日本代表だけでなく、ジュニア・ジャパン、U20日本代表とユース代表を歴任してきた。大学時代は1年時から試合に出場し、2年時からはレギュラーとして試合出場を続けてチームのセットプレーの安定に貢献した。

百地は「ルーキーらしく、がむしゃらにプレーし、ファンの皆様に応援していただけるようなプレーヤーになりたいと思います」と意気込んだ。選手層の厚いヴェルブリッツの第1列で、メンバー争いに加わることができるか。

同志社の共同主将だったSH田村魁世

2人目は同志社大学出身の身長171cmのSH（スクラムハーフ）田村魁世だ。高校時代はSO（スタンドオフ）でもプレーした戦術眼がウリで、今年度は名門校で共同キャプテンを務めた。桐蔭学園時代は3年間、すべて花園に出場し、3年時はベスト4に貢献。高校日本代表、ジュニア・ジャパン、U20日本代表でとユース代表でも国際経験を積んだ。スキル、状況判断に長けた選手だ。

今後はSHでプレーしながら、状況によってはSOとしてもプレーするような選手になるかもしれない。田村は「素晴らしい環境下でラグビーが出来ることに感謝し、常に向上心を持ち、チームの勝利に貢献する選手になります。また、ファンの皆様の期待に応えられるように頑張ります」と語気を強めた。

最後は摂南大学から加わった身長184cmの大型BK（バックス）のFB（フルバック）／CTBヴィリアミ・ツイドラキだ。1年生から活躍し、今季は副将を務めた。またジュニア・ジャパンでも体格を活かした突破力は光っていた。ヴィリアミの父は日本代表に選ばれ、1999年ワールドカップに出場した「パット」こと、故・WTBパティリアイ氏で、父もかつて袖を通した緑のジャージーでプレーする。

なお、兄のCTBバティリアイもヴェルブリッツでプレーしており、兄弟で試合に出る日も近そうだ。ヴィリアミは「トヨタヴェルブリッツは私と家族にとって特別な場所です。こんな素晴らしいチームでプレーできることを楽しみにしています。チームに貢献できるように一生懸命頑張ります」と腕を撫した。

ユース代表で活躍したポテンシャルを持った若き才能が加入した。この5人の存在がヴェルブリッツに大きな勢いを生むことは間違いなさそうだ。

文／写真：斉藤健仁