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ラグビー コラム 2022年3月31日

データで紐解くディビジョン1。ボールキープで攻めまくるチームは?攻撃力リーグワン最強は?

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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徹底的にボールを保持して攻めまくるチームは?守備力最強、攻撃力最強は?

スタッツ(統計数値)を紐解くと、それぞれのチームスタイルが浮かび上がってきた。

国内最高峰「ジャパンラグビーリーグワン」、初代王者を争うディビジョン1(D1)はレギュラーシーズンの第11節を終えた。

今回は、最高峰の戦いをより楽しむために、Opta社が提供しているD1のスタッツを紐解いてみたい。

今季はコロナ禍による試合中止があり実戦の試合数にばらつきがある。そのため第11節終了時点での1試合平均(中止試合は含まず)の数値を割り出した。

ボールを保持して攻めまくる超攻撃型は「ブラックラムズ東京」「ブレイブルーパス東京」

以下の表は、第11節までの1試合平均の「ボールキャリー数」と「インプレーキック数」だ。

 

ボールを持って走った平均回数は、ブラックラムズ(第11節終了時で3勝8敗/8位)が断トツの1位だ。一方でブラックラムズは、インプレーでキックを蹴った平均回数が2番目に少ない(17回)。つまり傾向としてブラックラムズはキックを蹴らず、ボールを保持して攻めまくっているのだ。

ブラックラムズのボールキャリアーといえば、チーム最多94回のキャリーを記録しているSOアイザック・ルーカス。スピードと柔軟性の合わせ技で、D1最多60回のディフェンス突破をマークしている。

ブレイブルーパス(6勝5敗/6位)のデータも同様の「ボール保持型」の傾向。ブレイブルーパスの容赦ない連続攻撃にも注目してほしい。

データも裏付ける「埼玉ワイルドナイツ」の堅守

続いて、こちらは第11節までの1試合平均の「タックル勝率」「被ペナルティ」だ。ペナルティの数は少ない方が上位になっている。

 

埼玉ワイルドナイツ(9勝2敗/3位)の大きな特徴である守備力がデータでも裏付けられている。正確なタックルで相手を止め、反則せずに守備網を堅持する。

ワイルドナイツは前出のインプレーキックの平均回数でも1位(25回)。相手にボールを渡しても守り切れる、という自信の表れでもあるのだろう。

被ペナルティの平均回数が少ない上位6チームを見てみると、5チームが第11節終了時点で勝ち越している上位陣だ。

唯一負け越している1チームは、3勝8敗で9位(実戦3勝4敗)につけている静岡ブルーレヴズ。しかし被ペナルティは2番目に少ない。規律意識の高いチームと言えそうだ。

アタック部門は「東京サンゴリアス」が首位をほぼ独占。「神戸スティーラーズ」も攻撃力上位

そして以下の表は攻撃に関する平均データだ。

ボールを持って進んだ距離「ゲインメーター」。タックラーに触らせずに抜け出す「クリーンブレイク」。相手にコンタクト(タックル等)されながらも前に出た「ディフェンス突破」だ。

 

サンゴリアスは昨シーズン(トップリーグ2021)のリーグ戦においても、攻撃3部門(ゲインメーター、クリーンブレイク、ディフェンス突破数)でトップだった。

圧倒的な攻撃力はリーグワンでも健在だ。ご覧の通り、同3部門で断トツの1位。評判のアタック力が裏付けられた。

またスティーラーズは順位こそ4勝7敗の7位(実戦3勝5敗)だが、攻撃部門のデータは上位。ゲインメーターで4位、クリーンブレイクで2位、DF突破数で2位だ。

日本代表復帰を狙う2019年W杯戦士、アタアタ・モエアキオラは第11節終了時で、DF突破数でチームトップの41回を記録している。キックスキルの成長も見せており、2021年度の日本代表で活躍した高校・大学(目黒学院高、東海大学)の同期、テビタ・タタフ(サンゴリアス)との“代表共演”を目指す。

ラインアウト成功率ツートップは「神戸スティーラーズ」「クボタスピアーズ船橋・東京ベイ」。安定感抜群のスクラムは「埼玉ワイルドナイツ」

最後はラインアウト成功率とスクラム勝率だ。

 

ラインアウト成功率はスティーラーズが第11節終了時点で1位。有田隆平や平原大敬といった30代のベテランフッカーによる高精度のスローイングも大きいだろう。

2位はラインアウトモールが大きな得点源であるスピアーズだ。第10節終了時では、自陣でのラインアウト成功率が D1 最高の91%だった。

3月28日にはスローワーでもあるフッカーに、元サンウルブズのHOジャバ・ブレグバゼの加入(今季終了までの短期契約)が公表された。いぶし銀のスクラムマンの加入で、いよいよスピアーズのラインアウトは要注目だ。

FW8人の勝負であるスクラムで、断トツの安定感を見せるのが、今季実戦無敗(9勝0敗)のワイルドナイツだ。

2021年日本代表スコッドに入ったワイルドナイツのFWはリーグ最多の8人。代表活動に参加しなかった堀江翔太を除いても、4人の代表フロントロー(稲垣啓太坂手淳史クレイグ・ミラーヴァルアサエリ愛)がいる。

以前は日本代表組の合流の遅れから、シーズン序盤にスクラムで劣勢になる場面も見られた。代表活動はコロナ禍の影響を受けてしまったが、ワイルドナイツで息を合わせる時間は増えたはず。チームのスクラムには好影響だったろう。

リーグワンのD1はレギュラーシーズンが残り5節。ベスト4によるプレーオフ進出争い、入替戦圏内をめぐる闘いはいよいよ佳境を迎える。チームの特徴、強みにも注目しながらラグビー観戦を存分に楽しみたい。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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