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【ハイライト動画あり】横浜キヤノンイーグルス、雨中の決戦を制してプレーオフ進出へ一歩前進。ジャパンラグビー リーグワン第10節
ラグビーレポート by 斉藤 健仁厳しいコンディションで行われた試合
ジャパンラグビー リーグワン、ディビジョン1のカンファレンスの交流戦は残り2試合。3月18日(金)は4位(勝ち点28)まで順位を上げてきた横浜キヤノンイーグルスが、東京・秩父宮ラグビー場に、5位(勝ち点27)のトヨタヴェルブリッツを迎えた。両者はここまで、ともに6勝3敗で勝ち点差はわずかに「1」。トップ4で戦うプレーオフ進出を占う一戦となった。
勝利で4位をキープしたいホストの横浜キヤノンイーグルスは、ケガでメンバー外となったSO(スタンドオフ)田村優に替わってFB(フルバック)としての試合出場が多かった小倉順平が10番を背負った。他にデビュー戦となった(ロック)ソセフォ ファカタヴァ、左WTB(ウィング)に突破力が光る竹澤正祥が先発した。また、試合直前にリザーブメンバーが変更となり、LO(ロック)アニセ サムエラの替わりにFL(フランカー)杉永亮太が入った。
勝利して再びトップ4に返り咲きたいトヨタヴェルブリッツは前節からFW(フォワード)1人、BK(バックス)2人のメンバーを替えて臨んだ。共同キャプテンで日本代表SH(スクラムハーフ)茂野海人が先発し、昨季は新人ながら9トライを挙げて躍動したWTB高橋汰地がリーグワンデビューとなった。FLにはジャッカルが武器の古川聖人が入った。
キャプテンを務める日本代表NO8(ナンバーエイト)姫野和樹、オールブラックス経験豊富なLOパトリック・トゥイプロトゥ、2019年のワールドラグビー世界最優秀選手のFLピーターステフ・デュトイもスターターに顔を揃えた。トヨタヴェルブリッツは、FWで相手にプレッシャーをかけ、ゲームを作っていきたいところだ。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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ディビジョン1~3全試合配信
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第10節 横浜キヤノンイーグルス vs. トヨタヴェルブリッツ
J SPORTSオンデマンドで見逃し配信中
雨、4mの風、そして気温4度と真冬の寒さだったが、2767人のラグビーファンが駆けつけ、試合は午後7:00にキックオフされた。ビジターで風下のトヨタヴェルブリッツは、SO(スタンドオフ)ライオネル・クロニエのロングキックを使い、相手陣で戦ってFWでプレッシャーをかける意識が高かった。一方の横浜キヤノンイーグルスはスペースへのキックでトライを狙いにいった。
前半はトヨタヴェルブリッツが優勢に試合を進めた
しかし、横浜キヤノンイーグルスは雨でミスが続くと、試合は徐々にトヨタヴェルブリッツペースとなっていく。前半24分にSOクロニエのPG(ペナルティゴール)で、3点を先制すると、その後もトヨタヴェルブリッツは敵陣で戦い続ける。PG、DG(ドロップゴール)を外したが、29分と33分にPGを決め、9-0とリードする。ようやく、36分に横浜キヤノンイーグルスも、FB(フルバック)SP・マレーのPGで3点を返した。
そして前半終了間際、トヨタヴェルブリッツは相手の反則でPGを狙えたが、タッチにキックを蹴ってモールからトライを狙いにいった。モールこそ押し切れなかったが、ラックから最後はFW(フォワード)陣で押し込んだかに見えた。
だが、横浜キヤノンイーグルスはこの日は、FLからNO8に入ったコーバス・ファンダイク、右PR(プロップ)津嘉山廉人がボールをグラウンディグさせず、6点差のまま前半を終了した。ハーフタイム、後半は風上に立つ横浜キヤノンイーグルスは雨を考え、しっかりSO小倉、FBマレーのロングキックでエリアを取ることを意思統一したという。
すると後半2分、横浜キヤノンイーグルスはすぐにチャンスを迎え、ゴール前のモールを押し、最後はゲームキャプテンHO(フッカー)庭井祐輔が飛び込みトライ。ゴールも決まって、10-9と逆転に成功した。
さらに勢いに乗る横浜キヤノンイーグルスは15分、スクラムでペナルティを誘ってPGを沈め、13-9と4点差とした。なんとか追い上げたかったトヨタヴェルブリッツだが、22分にPR淺岡俊亮が危険なタックルで、レッドカードをもらい退場。数的不利となってしまった。
1人多くなった横浜キヤノンイーグルスは34分、再びゴール前ラインアウトのチャンスからモールを形成。最後はラックとなったが、途中出場のPR松岡将大が左中間に潜り込んでトライ。ゴールも決まって、20-9とリードを広げた。試合の終盤、ようやくトヨタヴェルブリッツは相手陣奥でプレーする機会を得たが、FW戦で後手を踏んでしまい、そのまま横浜キヤノンイーグルスが20-9で勝利。
4位対5位の激突は、横浜キヤノンイーグルスが勝利し、勝ち点を32に伸ばして4位をキープした。トヨタヴェルブリッツは勝点を伸ばすことができず勝ち点27のままとなった。また、POM(プレイヤーオブザマッチ)には、横浜キヤノンイーグルスのゲームキャプテンHO庭井が選出された。
試合スタッツのアクションエリアによるとトヨタヴェルブリッツは後半、相手陣22m内にほとんど入ることができず、試合を通してもアクションエリアでは、相手陣22m内のプレーの割合は1.4%と低くなった。トヨタヴェルブリッツとしては、前半最後のプレーでトライを取れなかったことが大きかった。
後半、トライを取りきった横浜キヤノンイーグルス
一方、横浜キヤノンイーグルスは相手陣22m内でのプレーが17.9%と最も高く、前半ディフェンスで粘りを見せ、後半はしっかりチャンスで2トライを取り切ったことが勝利につながったと言えよう。、
プレーオフ進出には手痛い敗戦となったトヨタヴェルブリッツのサイモン・クロンHC(ヘッドコーチ)は、「前半はテリトリー、ポゼッションのどちらもコントロールできていて、最後にチャンスがあった。後半、両方とも、またラインアウトも上手くいかずプレッシャーを受けてしまった。後半、プレッシャーかけることができなかった」と肩を落とした。
共同キャプテンのNO8姫野は「前半はいい形で自分たちのプランができた。後半に入ってから、相手が変えてきたところ、やってきたことにアジャストできなかった。準備の段階でエナジーがあったのか、突き詰めていきたい」と先を見据えた。
上位対決でしっかり勝利して勝ち点を積み上げた横浜キヤノンイーグルスの沢木敬介監督は、「難しいコンディションで、しっかりタフに戦えたことが一番の収穫。前半、この天候だともう少しスマートにプレーできたと思うが、FWがしっかり我慢強くプレーしてくれた。来週に向けて、いい勢いがついた。いい流れで来週の東京サントリーサンゴリアス戦が戦える」と振り返った。
ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1
【第10節ハイライト】横浜キヤノンイーグルス vs. トヨタヴェルブリッツ
POMに輝いたゲームキャプテンのHO庭井は、「(相手は昨季の)トップ4のチームなので意識しました。ただ、準備の段階で自分たちがどうするかだけにフォーカスした。大きな相手にしつこく粘り強くできたことは自信になりましたし、このスタンダードを下げず、ここを最低ラインにしていけば、他のトップ4のチームに勝てる」と手応えを口にした。
ジャパンラグビー リーグワンの残りは6試合、もう1つも負けたくないトヨタヴェルブリッツは3月27日(日)、交流戦最後となる第11節、柏の葉総合競技場でNECグリーンロケッツ東葛と相まみえる。
雨中の決戦に勝利し、4位をキープした横浜キヤノンイーグルスは同日、セカンダリーホストエリアでもある大分県・昭和電工ドーム大分に、目下優勝争い中の強豪・東京サントリーサンゴリアスを迎える。
文:斉藤健仁/Photo by S.IDA
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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