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ジャパンラグビー リーグワン、「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安」と「NTTドコモレッドハリケーンズ大阪」、NTTグループの2チームが再編
ラグビーレポート by 斉藤 健仁リーグワンの東海林一専務理事
3月16日(水)、日本電信電話株式会社(以下:NTT)、株式会社NTTドコモ(以下:ドコモ)、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(以下:NTTコム)から「ラグビー事業会社の設立とラグビーチームの再編成について」の発表があり、それを受けて一般社団法人ジャパンラグビーリーグワンの東海林一専務理事が急遽、オンラインで会見を開いた。
まず、一般社団法人ジャパンラグビーリーグワンは3月に入り、NTT、ドコモ、NTTコムおよび、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪から、チームの再編成について以下のような申請を受けたという。
1 2022年7月にラグビーに関する新事業運営会社を設立し、NTTグループのシンボルチームを運営・保有する
2 NTTドコモは社員選手等で構成されたチームを運営・保有する
3 新事業運営会社を設立するに伴い、現在ジャパンラグビー リーグワンに参加しているNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安と、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪を、次シーズンから上述の2チームに再編成する
リーグワンとしては、今回のNTTグループからの申請を受けて、以下の内容を決定し、来季に向けた再審査とリーグの編成を検討していくという。
1 新事業運営会社は既存チーム(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)を引き継ぐ会員として認め、帰属するチームのジャパンラグビー リーグワンの次シーズンからの参加を認める
2 NTTドコモが運営するチームは、チームの運営方針が変更されるため、チームからの申し出に基づき再審査を実施する予定
NTTグループの発表によると、まず、NTTとドコモ、NTTコムの3社は、2022年7月1日を目途として、ラグビー関連の新事業会社を3社合同で立ち上げて(資本金:25億円、出資比率:ドコモ40%、NTTコム40%、NTT20%)、現在のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安を引き継ぐ形で、千葉県浦安を練習拠点にNTTグループのシンボルチームとして常に優勝をうかがう、NTTグループと地域の双方から愛される事業性のあるチームを目指すという。
つまり、実質の運営チームのプロ化という形になろう。また、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安を引き継ぐ形のチーム(※名称未定)となるため、チームが今季残留すれば、そのまま来季もディビジョン1で戦い、もし降格したらディビジョン2で戦うことになる。
また、NTTドコモは大阪市を拠点に社員選手等で構成されたチーム(名称未定)を別に運営・保有するため、現在ディビジョン1のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪は、強化の面での運営方針が異なるため、再審査の上、来季はディビジョン1から降格し、ディビジョン3で戦うことになる方向だという。
リーグワンの東海林専務理事は「企業経営として、1つの企業体でラグビーチームを2つ持つということはなかなか難しいということがあり、その中であってもリーグの発展のために、2つのチームを維持する方法を考えて、今回に至ったと理解している。両チームとも形は変わるが、多様な形で地域を盛り上げていくことを維持していただいた」と評価した。
リーグワンの4月上旬の理事会を経て最終決定となるが、現在ディビジョン1で戦っているNTTドコモレッドハリケーンズ大阪が再審査の上、来季ディビジョン3で戦うことになると、ディビジョン2の1位、ディビジョン3の1位チームはそれぞれディビジョン1、ディビジョン2へ自動昇格になる予定だ。
また、入替戦はディビジョン1のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪を除いた下位2チームと、ディビジョン2の2位と3位チームが対戦、またディビジョン2の5位、6位とディビジョン3の2位と3位のチームが対戦することになりそうだ。
また、今回の件はNTTがリーグをスポンサードしていることとは相関関係はなく、東海林専務理事は「現実の話としてすべてのプロスポーツが、企業から何らかのご支援をいただいているのが実情です。それ自体、問題だと思っていません」。
「企業とスポーツが連携して、新しいリーグのあり方を作っていきたい。ただ、こうした企業の再編はある意味、やむ得ない部分がある。しかし、その中でファン、選手、関係者に価値を提供し続けることをしっかり実現したい」と話した。
今季、リーグワンの開幕初年度にチームの再編成が起きてしまったことに関して東海林専務理事は「今回のケースは、財政上の負担が大きくなったから運営が難しくなったわけではなく、企業形態が変わった話だと考えています」。
「今後は財政面での負担の問題で、チームを維持できなくなる事態を可能な限り避けていきたい。自立性は高めるが、さまざまな企業に支援をいただく意味合いをはっきりさせて、多様なチームの保有形態を進めることも必要だと考えていきたい」と話すにとどめた。
今回の件で、来季から大阪を拠点とするチームがディビジョン3に誕生することになるが、2シーズン後、3シーズン後にディビジョン2や、ディビジョン1へと昇格する可能性は当然残されている。
今回の件はあくまでも来季の話であり、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安も、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪も今季はディビジョン1での戦いは続いている。まずは両チームを応援しつつ、その勇姿をしっかり目に焼き付けたい。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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