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ラグビー コラム 2022年3月16日

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、各ポジションに有力な大卒新人が加わる

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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クボタスピアーズ船橋・東京ベイの新戦力

1月から始まった「ジャパンラグビー リーグワン」では、大卒新人(現在大学4年生)は4月1日から公式戦に出場が可能であり、すでに多くの若い選手が練習に参加して、出場をうかがっている。それではリーグワン・ディビジョン1の各チームに加わった新人選手を紹介していきたい。

昨年の最後のトップリーグで初のベスト4に進出し、リーグワンでも好調を維持しているクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、昨年度の5人に続いて、FW(フォワード)3人、BK(バックス)3人、計6人の選手が加入した。

まず、FWから見ていこう。昨季、近畿大学の9大会ぶりの大学選出権出場に貢献した「世代最強の左PR(プロップ)」との呼び声高い、身長172cm体重105kgの紙森陽太だ。昨季はチームで副将も勤めた。

スクラムの強さには定評のあるPR紙森

父も兄もPRの紙森は、大阪桐蔭高校に進学してから身体も大きくなり、3年時には「花園」こと、全国高校大会で同校初の決勝に進出。大学ではU20日本代表やジュニア・ジャパンなど国際舞台で活躍するまでに成長を遂げた。まずはスクラムの強さを武器に試合出場、そして定位置確保を目指し、目標である日本代表を目指す。

明治大学のFLとして活躍してきた福田

昨年度、大学選手権準優勝の明治大学からはHO(フッカー)/FL(フランカー)の福田陸人が入った。小学3年の時に宇都宮ラグビースクールでラグビーを始め、國學院栃木高校では1年から花園にも出場。3年では主将も努めた。

174cm、95kgと体格もあり、高校、大学の先輩である武井日向(リコーブラックラムズ東京)のように、大学でHOに転向したが、チーム事情もあり、3・4年次はFLとしてランで力強いプレーを見せた。FL、HO、どちらのポジションをプレーするも機動力、ボールキャリーで存在感を見せたい。

3年時に大学選手権優勝に貢献したNO8モアラ

天理大学からは、昨年度の大学選手権優勝に貢献したNO8(ナンバーエイト)アシペリ・モアラが加入した。トンガ出身で、日本航空石川高校から天理大学に進学した。U20日本代表にも選出され、2020年にはサンウルブズに練習生として参加した。

チームでは同じトンガ出身で高校、大学の先輩である日本代表NO8ファウルア・マキシ、大学で1つ上の学年だったSH(スクラムハーフ)藤原忍がおり心強いはずだ。チームにはマキシ以外にも4人のトンガ出身選手がおり、切磋琢磨しながら成長し、まずは試合途中から出場してインパクトを残したい。

帝京大学の優勝に貢献したCTB押川

BKには昨年度大学王者の帝京大学で副将としても活躍したSO(スタンドオフ)/CTB(センター)押川敦治が加わる。堅実なプレーと身体を張ったタックルが武器だ。京都成章高校出身で、高校時代はFB(フルバック)でもプレーし、高校日本代表にも選ばれた。

帝京大学では1年時から公式戦に出場したが、12番で安定的に試合に出るようになったのは3年生になってからだった。今年度はリーダーシップも発揮し、大学選手権決勝では先制トライを挙げるなどチームを牽引した1人となった。さらにフィジカルを強化しつつ、高いスキルと安定感あるプレーで、チームの中軸として頭角を現すことができるか。

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バックスリーには立命館大学でキャプテンを務めたWTB(ウイング)木田晴斗、日本体育大学のFB(フルバック)ハラトア・ヴァイレアの2人が入団した。

立命館大学でキャプテンを務めたWTB木田

身長175cm、体重88kgの木田は、小学4年の時に極真空手の世界ジュニア選手権で優勝経験もあるように、体幹が強くスピードもあるランナーで、学時代はCTBでもプレーした。関西大倉高校時代は高校日本代表に選ばれ、立命館大学情報理工学部に進学。ジュニア・ジャパンやU20日本代表でも存在感を示した。決定力あるランナーが揃うバックスリーの中で、さらなる飛躍を遂げて試合出場をつかめるか。

突破力に長けたWTBヴァイレア

トンガ出身のFBヴァイレアは、千葉県の日本体育大学柏高校から、日本体育大学に進んだ。身長187cm、体重105kgの大きな体躯で、フィジカルの強さはもちろん、スピード、スキルも併せ持ち、1年からBKだけでなく、その突破力を武器にNO8でもプレーした。

高校日本代表、ジュニア・ジャパン、U20日本代表とユース代表を歴任し、国際経験も積んだ。日本体育大学4年時では同校13大会ぶりの大学選出権出場に大きく寄与した。キックも上手いことから、スピアーズでは基本的にバックスリーでプレーする方向で、現在はシェイプアップしているという。キアヌ・リーブスに似ているという評判のイケメン選手でもある。

2021年度のルーキーもSH藤原、WTB根塚洸雅(法政大学出身)とリーグワンで早速、大きな存在感を示している。2022年度の新人も若さと勢いを武器にポジション争いに勝利し、試合出場をつかむことができるか。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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