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【ハイライト動画あり】東京サンゴリアスが首位浮上。レベルの高い攻防戦の末、クボタスピアーズ船橋・東京ベイに勝利。ジャパンラグビー リーグワン第9節
ラグビーレポート by 斉藤 健仁激しいフィジカルバトルとなった
「ジャパンラグビー リーグワン」のディビジョン1は、リーグ戦折り返しを迎え、第9節は引き続き交流戦が行われた。3月11日(金)には、東京サントリーサンゴリアスとクボタスピアーズ船橋・東京ベイの首位決戦が、ナイトゲームで行われた。
ホストの東京サンゴリアスは、開幕から6連勝で首位に立っていたが、第7節で埼玉パナソニックワイルドナイツに17-34と敗れ、2位に後退。しかし、前節のコベルコ神戸スティーラーズ戦では、持ち前の攻撃力を披露し、8トライを挙げて56-17と快勝。勝ち点33で2位につけていた。
先発はSH(スクラムハーフ)の変更1名にとどまり、日本代表SH流大が先発に復帰した。また、キャプテンのCTB(センター)中村亮土、ワラビーズのNO8(ナンバーエイト)ショーン・マクマーン、CTBサム・ケレビ、オールブラックスのFB(フルバック)ダミアン・マッケンジーらが先発した。
リザーブにはFW(フォワード)戦を想定して6人のFWを入れ、出場停止処分が明けた日本代表NO8テビタ・タタフもメンバー入りした。
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ディビジョン1~3全試合配信
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第9節 東京サンゴリアス vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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ビシターのクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、第3節でコベルコ神戸スティーラーズに黒星を喫したものの、その後の連勝で第7節を終えた時点で首位に浮上。前節は静岡ブルーレヴズと対戦し、後半追い上げられたものの、30-24と逃げ切って勝ち点34として首位をキープしていた。
だが、日本代表でキャプテンを務めるFL(フランカー)ピーター・ラブスカフニ、南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークスら、FWの主力にケガ人も多く、前節からFW3名、BK1名の先発を交替して臨んだ
フィジカルバトルが予想された首位決戦は、午後7時、6572人が見守る東京・秩父宮ラグビー場でキックオフされ、前半から首位決戦らしい攻防となった。
まず、前半2分、FWに強みを見せるスピアーズ東京ベイ・船橋がいきなり魅せた。ゴール前で、相手ボールのスクラムをターンオーバーし、NO8ファウルア・マキシが、ブラインドサイドを突いてトライ。5点を先制する。
ボールを競るマッケンジーと立川
しかし、ホストの東京サンゴリアスも負けていない。6分、ゴール前のスクラムを起点に、CTBケレヴィがゲイン、最後はPR(プロップ)石原慎太郎がゴールポスト下にパワーでねじ込みトライ。FBマッケンジーのゴールも決まり7-5と逆転する。
その後は拮抗した展開が続き、東京サンゴリアスがPG(ペナルティゴール)を決めれば、クボタスピアーズ船橋・東京ベイもCTBテアウパ シオネがピックゴーからトライを挙げ、12-10と再びリードする。
ただ、その後はアタッキングラグビーを信条とする東京サンゴリアスが持ち味で魅せた。
29分、FBマッケンジーがゲインした後、左に攻め込み、SO(スタンドオフ)田村熙がスペースにグラバーキック。そのボールをWTB(ウィング)テビタ・リーが押さえて、ゴールも決まり17-12。35分、SO田村が裏にキックし、相手にキャッチさせた後、そのボールをターンオーバー。素早く左に展開し、再びWTBリーがトライを決めて22-12とした。
しかし、スピアーズ東京ベイもロスタイムに首位チームらしく粘りを見せた。FWのモールでプレッシャーを与えて、最後は相手FBマッケンジーがラストパスに対して故意のノックオンをしたという判定でペナルティトライを得て、19-22と3点差に詰め寄って前半を折り返した。
前半ラストプレーで東京サンゴリアスのFBマッケンジーがシンビンとなり、後半、最初の10分はクボタスピアーズ船橋・東京ベイが数的有利となった。その時間帯で、なんとしても得点を挙げたいところだったが、東京サンゴリアスのディフェンスの前に、なかなか敵陣でプレーすることができなかった。
東京サンゴリアスのキャプテンCTB中村は「ブレイクダウンの枚数をちゃんと整えるところと、ディシプリンのところ、80分間、言い続けていましたが、14人になってから、ペナルティのところは言いました。すごくいいディフェンスができた」と胸を張った。
15人に戻った直後の12分、東京サンゴリアスはラインアウトを起点に、WTB尾崎晟也がライン際で強さを見せてトライを挙げて27-19、さらに20分にもPGを沈めて30-19とリードを広げた。
残り10分、クボタスピアーズ船橋・東京ベイも意地を見せる。ゴール前ラインアウトから見事にサインプレーを決めてFLトゥパ フィナウが左中間にトライ。さらに34分、自陣のラインアウトから左に大きく展開し、WTB根塚洸雅、途中出場のSO岸岡智樹の若手2人がパス交換でゴール前に攻め込み、最後は再びトゥパウが押さえ、4点差に追い上げた。
POMとなったWTBテビタ・リー
しかし残り5分、東京サンゴリアスは途中出場のFL飯野晃司がジャッカルを決めるなど、相手を自陣に入らせることなく、そのまま33-29でノーサイド。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)は2トライを挙げて勝利に貢献した東京サンゴリアスWTBリーが選出された。
ボールポゼッションは50%対50%とまったく同じだったが、東京サンゴリアスの中村キャプテンが「ゲームコントロールがすごく上手くできた。80分間通して、スコアで勝てたことがすごく良かった」と振り返った通り、試合データのアクションエリアでは、東京サンゴリアスは相手陣で46.9%(22m内が24.7%、ハーフウェイラインから相手陣22m内で22.2%)プレーし、自陣ではわずかに7.6%だけしかプレーしなかった。
プレーエリアで上回り、得点でも前半7分から終始リードを続けた東京サンゴリアスの上手さ、強さが結果に結びついた。
首位決戦を制して再び1位に返り咲いた東京サンゴリアスのミルトン・ヘイグHC(ヘッドコーチ)は「クボタはFWが大きくてフィジカルがいいので、厳しい試合になると思っていました。前半はたくさんいいプレーをしました。3トライ取れました。後半はいくつかミスをしました。でもいいセットプレーでした」と満足げに振り返った。
CTB中村キャプテンは「(相手が)フィジカルのところを強みにしているので、そこの準備をしっかりした結果で、戦えていたのも良かった。毎週、毎週、フォーカスポイントをクリアして、レベルアップできている。反省点と良くなかった点を見つけて、もう1回、いい準備をしたい」と先を見据えた。
ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1
【第9節ハイライト】東京サンゴリアス vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
今シーズン2敗目を喫し、2位に後退したスピアーズ船橋・東京ベイのフラン・ルディケHCは、「良かった部分も多かったが、大事な局面でエラーをしてしまった。特に鍵になるブレイクダウンで精度を欠いた」と悔やんだが、「勝ち点1が取れたところは、今後も接戦になると思うので、そこは良かったところで、また来週からしっかり立て直して行きたい」と前を向いた。
CTB立川キャプテンも「若い選手も使いながら、(7点差以内の敗戦で)ボーナスポイント取れたということがすごく大きいと思いますが、自分たちが勝ちに行った中で勝てなかったのは残念です。この経験を活かして、この長いシーズン、先を見ずに、また次の試合に向けて準備しておくことが重要になってくる」と話した。
勝ち点37とし首位に立った東京サンゴリアスは3月20日(日)の第10節、3週連続となる秩父宮ラグビー場に、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安を迎える。
ボーナスポイント1を得て勝ち点34で、2位に後退したクボタスピアーズ船橋・東京ベイは19日(土)、秩父宮ラグビー場で東芝ブレイブルーパス東京と相まみえる。
文:斉藤健仁/Photo by S.IDA
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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