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1月から始まった「ジャパンラグビー リーグワン」。昨季の最後のトップリーグ同様に、大卒新人(現在の大学4年生)は4月1日から公式戦に出場が可能であり、すでに多くの若い選手が練習に参加、試合出場を狙っている。そこでディビジョン1の各チームに加わった新人選手を紹介していきたい。
まず、最後のトップリーグに続いて、リーグワンでも初代王者を狙う埼玉パナソニックワイルドナイツは3人の新加入選手を発表した。2021年4月に加わったのは、SO(スタンドオフ)山沢京平(明治大学出身)、SH(スクラムハーフ)本堂杏虎(日本体育大学出身)の2人がBKだったが、2022年度もFW(フォワード)1人、BK(バックス)2人という少数精鋭となった。
早稲田大学キャプテンだった長田智希
BKの1人目は2021年度、早稲田大学ラグビー部のキャプテンを務めたCTB(センター)長田智希だ。身長179cm、体重88kgと特別大きい選手ではないが、スペース感覚、危機察知能力に長けた選手だ。13番が本職だが、大学の最終学年は12番でプレーし、WTB(ウィング)でもプレーできるユティリティーさも武器だ。
長田といえば東海大仰星高校時代、キャプテンとして「花園」こと、全国高校大会で優勝を経験。さらに、埼玉ワイルドナイツでチームメイトとなるFL(フランカー)/NO8(ナンバーエイト)福井翔大らと、高校日本代表に選出。早稲田大学時代もU20日本代表で国際舞台を経験した。
早稲田大学でも1年からアカクロジャージーを身にまとい、2年時からレギュラーの座を確保し、決勝でトライを挙げるなどの活躍を見せ、11年ぶりの大学選手権優勝に貢献した。大学3年時は準優勝、自身がキャプテンを務めた2021年度はベスト8に終わった。
長田は「素晴らしい環境とトップレベルの選手・スタッフがいるこのチームの一員になれたことをうれしく思います。この場所で選手としてさらに成長し、チームの力になれるように全力を尽くします」と意気込みを話した。リーダーシップもあり、チームプレーに徹するプレーが持ち味だけに、フィジカルレベルを上げれば、メンバーに絡むことができるはずだ。
身長191cm、体重100kgの大型BK川崎清純
もう1人のBKは即戦力になるポテンシャルを持つWTB/FB(フルバック)だ。2021年度、関東学院大学で副キャプテンを務めた川崎清純は、身長191cm、体重100kgの大型BKで、大学1年時には7人制ラグビー日本代表でもプレーした。
「家族みんな背が高い」という川崎は小さい頃から野球に精を出して、中学時代は岩手県で何度も優勝し、野球の強豪高校からも誘われていたという逸材だ。ただ、右ひじをケガし、兄のFL川崎龍清(埼玉ワイルドナイツ)が盛岡工業高校でラグビーを始めた影響もあり、同校に進学してラグビーを始めた。
高校1年時は一時期、LO(ロック)でプレー。陸上経験もあったため、その後はBKとしてプレーし、セブンズユースアカデミーにも選出された。大学は兄が進学した関東学院大学に進学、1年時から試合に出場。副キャプテンとなった4年時はFBとしてラン、ロングキックを武器に、堂々としたプレーを見せて関東大学リーグ戦の上位進出に貢献した。
川崎は「素晴らしいチーム、環境でラグビーできることに感謝し、ひたむきにプレーしていきます」と謙虚に話した。日本代表、各国代表が揃う埼玉ワイルドナイツのBK陣にもまれて、さらなる飛躍を遂げることができるか。
3人目はFL/LO橋本吾郎だ。橋本は2021年度、中央大学で副キャプテンを務めた身長190cm、体重101kgのFWだ。最終学年では自身も完全燃焼できず、チームは2部に降格してしまい、悔しいシーズンを過ごした。
橋本は中学まで空手をしていたこともあり、体幹の強さがウリだ。また、埼玉県出身で、寄居中学校でラグビーをはじめ、高校は正智深谷でプレーした経歴の持ち主で、埼玉ワイルドナイツにとっては、ご当地選手となる。
橋本は「支えてくれた人たちや、お世話になった方々に恩返しができるように尽力いたします。また、選手として日々成長し続けられるよう、精一杯プレーしていきます」と話した。インターナショナルプレヤーが揃う埼玉ワイルドナイツのFW陣だが、なるべく早く地元ファンの目の前でのプレーを披露したいところだろう。
リーグワンの中でもトップクラス層の厚いチームの中で、昨年4月に加入した2人も、まだリーグワンでデビューを飾ることができていないが、名将ロビー・ディーンズ監督の下で、3人は大きく成長し、埼玉ワイルドナイツを支える選手となることができるか。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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