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ラグビー コラム 2022年2月25日

ブラックラムズ東京と横浜キヤノンイーグルス、負けられない黒と赤の「事務機ダービー」。ジャパンラグビー リーグワン第7節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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事務機ダービー

両チームとも負けられない黒対赤の「事務機ダービー」である。「ジャパンラグビー リーグワン」ディビジョン1のカンファレンスA・B交流戦の2節目、2月27日(日)、ホストのリコーブラックラムズ東京が駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場に横浜キヤノンイーグルスを迎える。

トップリーグ時代から、ともに事務機(コピー機)を扱う会社のチーム同士のライバルとして、しのぎを削ってきた関係にある。ともに負けられない思いだけでなく、黒いジャージーのブラックラムズ東京は、2勝4敗の勝ち点12の7位、赤いジャージーの横浜キヤノンイーグルスは4勝2敗の勝ち点18位の5位につけており、トップ4の足がかりにするためにもなんとしても勝ちたい一戦だ。

第2節と前節がコロナ禍の影響で試合を行うことができなかったため、ブラックラムズ東京としてはホームの駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場での初の試合となり、実際に羊に会えるイベントやブースを設置し、練習場もあるホストの世田谷区を盛り上げる。

昨季ベスト8のブラックラムズ東京は2勝4敗(4敗のうち2試合は不戦敗)で、負けた2試合も首位の東京サントリーサンゴリアスと3位のトヨタヴェルブリッツであり、ともに7点差以内の敗戦で勝ち点1を挙げており、強いボールキャリーが揃うアタック、粘り強いディフェンスと攻守ともに力をつけていると言えよう。

リコーブラックラムズ東京

ブラックラムズ東京は2節前のメンバーからFW(フォワード)1人、BK(バックス)1人のメンバー変更となった。FWの第1列はキャプテンのHO(フッカー)武井日向を筆頭に、1年目のPR(プロップ)谷口祐一郎(天理大学出身)、笹川大五と1~2年目の若い選手で臨む。

LO(ロック)は32歳のベテラン柳川大樹がFL(フランカー)から上がり、タラウ・ファカタヴァは控えに回った。コンビを組むのは身長201cmのデーモン・レエスアスだ。バックローは元スコットランド代表FLブレア・カーワンが先発に復帰、元日本代表FL松橋周平、オリンピアンのNO8(ナンバーエイト)ボーク コリン雷神の3人が務める。

若手選手が勢いを与えているBKは、SH(スクラムハーフ)高橋敏也、22歳のSO(スタンドオフ)アイザック・ルーカス、CTB(センター)は21歳のメイン平と、30歳になったばかりのベテラン牧田旦が先発する。

バックスリーは、WTB(ウィング)は栗原由太、セブンズ日本代表のネタニ・ヴァカヤリアがコンビを組み、FB(フルバック)は身長185cmでハイボールキャッチとキックに長けたマット・マッガーンが務める。

ベンチにはスピードのある新人SH南昂伸(大東文化大学出身)、オールブラックス17キャップのCTBジョー・トマネ、キャプテン経験のあるCTB濱野大輔らが控える。

横浜キヤノンイーグルス

次にキャプテンSO田村優が引っ張るアタックが好調の横浜キヤノンイーグルスのメンバーを見ていこう。前節、静岡ブルーレヴズに28-18で勝利した試合からFWは8人が同じで、BKは2人メンバーを交替して臨む。

FW第1列はセットプレーを引っ張る副キャプテン日本代表HO庭井祐輔を筆頭に、スクラム好調のPR岡部崇人、新人のPR津嘉山廉人(流通経済大学出身)が入った。LOにはFW転向2年目のサウマキ アマナキと、ウェールズ代表29キャップのコリー・ヒルがコンビを組む。

バックローは激しいプレーと196cmの身長が持ち味のFLコーバス・ファンダイク、低いプレーと運動量が武器のFL嶋田直人、世界的なボールキャリーを誇るNO8アマナキ・レレイ・マフィの3人が務める。

BKは、SHは荒井康植に替わり、身体の強い新加入の山菅一史がSO田村とハーフ団を組む。CTBは新加入で日本代表経験のある梶村祐介と南アフリカ代表のジェシー・クリエルと突破力に高い2人がコンビを組む。

バックスリーは新人のWTBヴィリアメ・タカヤワ(流通経済大学出身)と、東京五輪でキャプテンを務めたスピードスターのWTB松井千士の2人が入り、FBには小倉順平に替わり、突破力に長けたマイケル・ボンドが先発する。

リザーブには元日本代表LOアニセ サムエラ、新加入のリアキ・モリ、ベテランSH天野寿紀、SO、FBも務める小倉順平、ディフェンスレンジが広くランに長けたWTBエスピー・マレーらがおり、後半からチームに勢いを与えそうだ。

ピーター・ヒューワットHC(ヘッドコーチ)が率いるブラックラムズ東京、沢木敬介監督の横浜キヤノンイーグルスともにアタックに自信を持っている。ともに突破力ある選手にいい形でボールを供給し、しっかりゲインしトライを取り切ることができるかが勝負の鍵を握りそうだ。逆に言えばディフェンス側としてはしっかりとキーマンを止めたいところだ。

スタッツランキング

選手スタッツランキングによると、ブラックラムズ東京はクリーン・ブレイク数(相手に触れられずにラインを突破した回数)で、SOルーカスが5位(5回)、WTB栗原が8位(4回)。ディフェンス突破の回数でもSOルーカスは22回で4位につけている。

横浜キヤノンイーグルスはボールキャリーでNO8マフィが72回で1位、LOヒルが49回で5位、ファンダイクが46回で7位と3人がラインクインしている。この試合でもこれらの選手のアタックがポイントとなりそうだ。

「事務機ダービー」でライバルに勝利し、トップ4に向けて前進するチームは黒か赤か。2月27日(日)午後1時から、リコーブラックラムズ東京と横浜キヤノンイーグルスが激突する。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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