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ラグビー コラム 2022年2月14日

【ハイライト動画あり】釜石シーウェイブス、リーグワン初勝利 河野良太2トライ。攻守にチームをけん引

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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河野良太(釜石シーウェイブス)

ディビジョン2第4節、2月13日、秩父宮ラグビー場で行われた一戦は、釜石シーウェイブスの今季初のホストゲームだった。外苑前駅から競技場へのスタジアム通りでは、終日、釜石のプロモーション映像が流されるなど、コロナ禍で制限があるなかでできるかぎりのアピールが行われていた。厳しい冷え込みと雨というコンディションで観客は1000人弱ながら、温かい応援が選手たちを後押しした。

午後2時30分、スカイアクティブズ広島SO龍野のキックオフで試合は始まった。立ち上がりからスクラムで反則を奪うなど、釜石が主導権を握る。広島はボールをリサイクルしながら「フェイズを重ねたい」(中居智昭ヘッドコーチ)のだが、雨のコンディションはスクラム、ラインアウトに自信を持つ釜石に有利に働いた。釜石SOブレット・キャメロンの正確なキックは、地域を進め、広島陣で戦う時間を多くした。

前半14分、キャメロンの好キックで広島のゴール前5mでのラインアウトを得た釜石はモールを押し込む。ここはゴール前で止められたが、素早くボールを持ちだしたFL美ザキ(山に竒)正次がトライをあげる。17分、龍野にPGを返されたが、25分、スクラムで反則を誘うと、PKからのタッチキックで再び広島ゴール近くでラインアウトを得る。ここではモールを組むと見せてFL河野良太が突進してトライ。10-3とリードを広げた。

釜石の両FLの動きは際立っていた。美ザキ(山に竒)のタックルから河野がジャッカルを決めるなど、攻守にチームをけん引。前半33分、広島にハイタックルの反則があり、このPKからのタッチでラインアウトを得ると、モールから河野がトライし、15-3とした。この試合の前まで、両チームのラインアウト成功率は、広島の79%に対して、釜石が92%と上回っており、その優位性がそのまま出た3トライでもあった。

後半に入ると、広島もボールをキープして攻め、CTB李修平らが何度もディフェンスを破ったが、釜石のこの日のテーマは「ディフェンスでの我慢」(須田康夫ヘッドコーチ)。粘り強くタックルしてトライを与えなかった。後半15分には、PRモーガン・ミッチェルが右タッチライン際のラックから出たパスを受けて、ハンドオフでタックラーをかわすと、2人、3人と抜き去ってトライ。キャメロンのゴールも決まって22-3。31分、リーグワン初出場のWTB関東申峻が右コーナーにトライを追加して突き放した。最終スコアは、30-3。セットプレーの強みを生かした釜石の快勝だった。

ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン2

【第4節ハイライト】釜石シーウェイブス vs. スカイアクティブズ広島

「選手たちが勝ちに飢えていましたね。(初勝利を)達成できた選手たちに、おめでとうと言いたいです」(須田ヘッドコーチ)。2トライをあげてプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた河野良太は今季初先発だった。「いつ出てもいいように準備はしていました。モールからのトライは僕一人のトライではありません」。謙虚に語った河野は釜石市役所勤務。プロ選手もいるが、多くの選手が地元企業に所属しながらプレー。一方のスカイアクティブズ広島も日本人選手は全員が仕事とラグビーを両立している。雨中の熱戦は、リーグワンの多様性を再認識する戦いでもあった。

初勝利をあげた釜石シーウェイブスは次節(2月19日)、東大阪市花園ラグビー場に乗り込み、花園近鉄ライナーズと対戦。スカイアクティブズ広島は次節(2月20日)、ホームのBalcom BMWスタジアムで三重ヒートを迎え撃つ。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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