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清水建設江東ブルーシャークス vs. 宗像サニックスブルース
ジャパンラグビーリーグワンは個性派揃いのディビジョン3も面白い。
ディビジョン3は第4節を迎え、東京・江東区夢の島競技場では2月12日(土)、ともに2勝1敗で2位の清水建設江東ブルーシャークスが、3位につける宗像サニックスブルースを迎え撃つ。
6チームが参加するディビジョン3にはサラリーマン軍団が多い。
クリタウォーターガッシュ昭島、中国電力レッドレグリオンズ、さらには九州電力キューデンヴォルテクスなど、仕事とラグビーの両立にプライドを持ち、世界的なプロ選手も参戦するリーグワンに果敢なチャレンジを続けている。
ブルーシャークスも「仕事も100%/ラグビーも100%」を理念とするサラリーマン軍団だが、クラブチーム制度を導入しており、清水建設以外の“サラリーマンラガーマン”も所属するというユニークな特色がある。
ここまで全2試合に先発している天理大の元主将、HO立川直道はクボタの社員だ。他にも他企業の社員がおり、現役にこだわる熱い男たちが集まる。
会社員として働いた後、神奈川横浜市にあるグラウンドまで通うため、就寝が深夜1時になることもあるという。翌朝からはまた業務。プロ選手と比べて身体を休める時間は少ない。
そんなブルーシャークスだが、持ち前の敢闘精神、ハードワークで第3節では実戦初勝利をもぎ取った。
1勝(不戦勝)1敗で迎えた第3節、クリタウォーターガッシュ昭島戦に38-24で勝利。高いスキルを活かした展開力に加え、3本のPGで着実に引き離すなど、巧みな駆け引きも光った。
原稿執筆時点で今週末のメンバーは未発表だが、第3節でゲーム主将を務めたCTBシアレ・ピウタウ(元ヤマハ発動機)は突破もアシストもできる存在。出場すれば中心的な役割を果たすだろう。
清水建設江東ブルーシャークススターティングメンバー
フォワードでは、大阪・英田中-常翔学園-立命大のPR金沢一希はキャリアーとしても迫力があり、立正大卒のLOナッシュ・タイは196cmながら低いプレーもできる。
セブズNZ代表経験のあるFLマーフィー・タラマイはパサー役もできる曲者だ。NO8安藤泰洋はクリタウォーターガッシュ昭島戦でジャッカルを連発して勝利に大貢献した。
元東芝でキッカーのFBコンラッド・バンワイクのキック精度は大きな武器。そして前節途中出場した新キャプテン、明大卒のFL高橋(※「高」は正しくは「はしご高」)広大キャプテンは要注目。昨シーズンは大学卒業直後の4月、トップリーグプレーオフ1回戦に先発して活躍した。
ブルーシャークスは2022年度の大卒新人としてHO田森海音(明大)、LO大崎哲徳(早大)、SO桑田宗一郎(青学大主将)など6人の有望新人を発表しており、高橋主将に続くブレイクが楽しみだ。
そんなブルーシャークスがホストスタジアムで迎えるのが、福岡県宗像市からやってくる宗像サニックスブルースだ。
実力と熱意があれば経歴を問わずトップレベルでラグビーができる、チャレンジングな「下克上チーム」。トップリーグ時代から、それがブルースの大きな魅力のひとつだ。
今季は廃部となったコカ・コーラから帝京大卒のLO野田響、エイトマンとして大活躍のジョセフ・トゥペらが加入。ライバルだったコカ・コーラの“人財”を継承し、新たな魅力が加わった。
今季はチーム内で新型コロナの陽性者が出たことにより開幕戦(豊田自動織機シャトルズ愛知戦)が中止となったが、第2節では練習不足ながら中国電力に17-15、九州電力に17-10で連勝。第3節の先発では15人中7人が新加入選手。連携面の成熟はこれからだろう。
宗像サニックスブルーススターティングメンバー
ブルースのメンバーも原稿執筆時点で未発表だが、九州電力戦のスクラムで気を吐いたPRパディ・ライアン、常翔学園時代から花園を湧かせていたPRファイアラガ望サムエルはスクラムで力を見せたいところ。
前節のロックは新加入の2人、元NTTコミュニケーションズの牧野内翔馬、元クボタの金昊範という、前チームでは「千葉ダービー」で火花を散らしていた2人。元帝京大主将でキヤノンから移籍してきたFL吉田光治郎も溌剌としたプレーを見せていた。
バックスは前節、コカ・コーラから移籍のWTB八文字雅和以外は、FB屋宜ベンジャミンレイ主将、司令塔のSO田代宙士などおなじみのブルースメンバーだった。
ブルーシャークスもプレー精度の高いバックスの強みのひとつであり、どちらが強みを発揮するかが楽しみだ。ブルースでは36歳になったWTBカーン・ヘスケスが驚異的。2015年W杯の南アフリカ戦で決勝トライを決めたヒーローの決定力は健在だ。
それぞれ個性は違えど、ラグビーにひたむきな情熱を傾ける2チームによる激突だ。
ホストスタジアムでの初実戦となる清水建設江東ブルーシャークスと、宗像サニックスブルースの一戦。J SPORTSでは2月12日午後2:25より、J SPORTSオンデマンド限定でLIVE配信となる。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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