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ラグビー コラム 2022年2月3日

ようやくホストゲーム初戦を迎えるヴェルブリッツに、ブラックラムズが上位浮上をかけ挑む。リーグワン第5節プレビュー。

ラグビーレポート by 直江 光信
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トヨタヴェルブリッツ vs. ブラックラムズ東京

昨季トップリーグ4強のトヨタヴェルブリッツは前節、東芝ブレイブルーパス東京とのタイトなせめぎ合いを制して33-23で勝利を収めた。リーグワンでの初戦となった第2節は5週ぶりの実戦という不利もあって東京サントリーサンゴリアスに完敗を喫したが、第3節の中止を経て臨んだビジターゲームで実力者から白星を手にし、チームとしてようやくひと息ついたというところだろう。合流が遅れていた南アフリカ代表FBウィリー・ルルーの復帰で戦力的にもベストに近い布陣が整いつつあり、ここからさらに調子を上げていくことを予感させた。

一方のリコーブラックラムズ東京は、初戦でNTTドコモレッドハリケーンズ大阪に43-22と快勝し好スタートを切ったものの、続く2節は相手に、3節は自チームに新型コロナウイルス陽性者が確認されたため試合中止に。第1節以来のゲームとなった前節は東京サントリーサンゴリアスを土俵際まで追い詰めながら、後半35分のFL松橋周平のトライで勝ち越した直後に逆転トライを奪われあと一歩で勝利を逃した。前半35分の相手のレッドカードで有利な状況だっただけに悔やまれる敗戦となったが、コロナの余波で思うように準備を進められない中で強敵と互角に渡り合えたことは、チームの自信になったはずだ。

そんな両者が激突する第5節のこのゲーム。ひとつの見どころは、リーグ屈指の強靭なフィジカルを誇るヴェルブリッツと、攻守ともアグレッシブに体を当てることを身上とするブラックラムズの接点のバトルだ。ヴェルブリッツにすればゲームのベースとなるコンタクト局面で優位に立ち、多彩な能力を備えるランナーたちが存分に持ち味を発揮する――というのが理想的な展開。逆にブラックラムズはタックルとその後のボール争奪戦で厳しくプレッシャーをかけ続け、相手に余裕を持ってプレーする時間と空間を与えないことが、勝利の条件となる。

中盤におけるキックの攻防も、この試合の重要なポイントだ。お互いに敵陣22メートル線内でのラインアウト起点の攻撃を得意のトライパターンとしており、蹴り合いの中でどちらがそのエリアに数多く攻め込めるかが、勝敗に直結する要素となる。ヴェルブリッツはSOティアーン・ファルコンにWTBウィリアム・トゥポウ、FBルルー、ブラックラムズはSOアイザック・ルーカスにFBマット・マッガーンと、両チームともに左右の好キッカーを擁するだけに、見応えあるキッキングゲームが繰り広げられるだろう。

トヨタヴェルブリッツスターティングメンバー

それぞれの登録メンバーを見ていくと、ヴェルブリッツは1週前のブレイブルーパス戦からの先発変更は右PRの淺岡俊亮だけで、残りの14人は同じラインアップとなった。注目はLOパトリック・トゥイプロトゥ(ニュージーランド代表)、FLピーターステフ・デュトイ(南アフリカ代表)、NO8姫野和樹とワールドクラスの力自慢が並ぶFWのバックファイブ。前節プレーヤー・オブ・ザ・マッチのSH福田健太は2戦連続の先発で、SOファルコンとコンビを組む。先週は欠場した共同主将のSH茂野海人もリザーブに名を連ねた。

ブラックラムズ東京 スターティングメンバー

ブラックラムズは谷口祐一郎、笹川大五の両PRとブラインドサイドFLの柳川大樹、WTB栗原由太の4人をチェンジ。いずれも第1節以来のスターター復帰で、攻守にハードワークすることが期待される。サンゴリアス戦でトライにつながるビッグゲインを見せた21歳のCTBメイン平は、今季加入の池田悠希との不動のコンビで開幕から3戦連続スターティングでの出場だ。またリザーブのLOハリソン・フォックスとFL福本翔平、SH山本昌太の3人が、今季初の登録メンバー入りとなった。

ヴェルブリッツは1節、3節と豊田スタジアムで開催予定だった2試合がいずれも中止となり、第5節にしてようやく迎えるリーグワン最初のホストゲーム。地元愛知県はパロマ瑞穂ラグビー場での記念すべき第一歩だけに、特別な思いでこの一戦に臨んでくるはずだ。一方、昨季トップリーグ5位(プレーオフ準々決勝で不戦敗)のブラックラムズにとっても、さらなる上位進出を果たす上でヴェルブリッツは倒さなければならない相手といえる。

現在の順位を見ると、3勝1敗の勝点14で4位につけるヴェルブリッツに対し、ブラックラムズは2勝2敗で勝点11の5位。全16節の長いリーグ戦のまだ序盤とはいえ、両チームにとってこの試合が今後のシーズンの歩みを左右するターニングポイントになりそうな予感はある。好ゲーム必至だ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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