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ラグビー コラム 2022年1月16日

【ハイライト動画あり】横浜キヤノンイーグルス、試合開始からフルスロットルでコベルコ神戸スティーラーズを圧倒。ジャパンラグビー リーグワン第2節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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横浜キヤノンイーグルスは初のホストゲームで勝利

先週開幕した「ジャパンラグビー リーグワン」。1月15日(土)にディビジョン1の第2節が行われ、2019年ワールドカップの決勝の舞台となった神奈川県の日産スタジアムで、ホストの横浜キヤノンイーグルスコベルコ神戸スティーラーズを迎えた。いわば「港町ダービー」である。

日産スタジアムにはキッチンカーが30台以上並び、来場者全員には赤い開幕記念Tシャツが配られた。そしてキックオフ前には関東学院中学・高校のマーチングバンドの演奏が行われた。

観客は1万人超え

1万1233人のファンが集う中、試合は14:30にキックオフされた。横浜キヤノンイーグルスは初のホストゲーム。「イーグルスの新しい歴史を作ろう」と気合いを入れて臨んだ。一方の開幕黒星スタートとなったコベルコ神戸スティーラーズはSO(スタンドオフ)に李承信を起用するなど、先発5人を入れ替えて挑んだ。

昨年度は10-73と大敗していた横浜キヤノンイーグルス。コベルコ神戸スティーラーズの強力FW(フォワード)に対して、「80分走り切る」というゲームプランで1週間準備してきた。そして、前半から後半のことを考えず、フルスロットル。沢木敬介監督は「(前半から)ぶっ飛ばしていこう」と指示を出した。

ホストゲーム初トライを挙げるWTB松井

横浜キヤノンイーグルスのフィフティーンは監督の言葉を実行し、試合開始早々から猛攻を仕掛ける。キックオフ直後の1分、相手のノックオンで得たゴール前のスクラムから、キャプテンSO田村優がグラバーキック。そのボールWTB(ウィング)松井千士が押さえて、5点を先制する。

さらに10分、自陣でNO8(ナンバーエイト)アマナキ・レレイ・マフィがジャッカルを決めてクイックリスタート。ボールを継続してSO田村が裏へとキックし、マフィがキャッチし、PR(プロップ)岡部崇人、SH(スクラムハーフ)荒井康植とつなぎ、荒井が押さえてトライ。

地元の桐蔭学園出身、FB小倉のトライ

直後の12分には自陣からアタックし、CTB(センター)南橋直哉が抜けだし、フォローしたCTB梶村祐介が45mを走り切ってトライ。さらに14分、FL(フランカー)コーバス・ファンダイクのキックをFB(フルバック)小倉順平がキャッチしてトライ。前半15分までに横浜キヤノンイーグルスが、26-0として試合の主導権を握った。

コベルコ神戸スティーラーズも反撃し、22分、ボールを継続して最後はSO李承信のキックパスを、長身のWTBアンダーソン フレイザーが押さえて7点を返した。

キックとゲームコントロールで勝利に貢献したSO田村

しかし25分、横浜キヤノンイーグルスはラインアウトのサインプレーからWTB松井が抜け出し、フォローしたCTB梶村がトライ。前半集合間際にもSO田村がPG(ペナルティゴール)を沈めて、34-7とした。

コベルコ神戸スティーラーズもロスタイムに、モールからHO(フッカー)有田隆平が押さえて、14-34と20点差に縮めて前半を折り返した。3トライ3ゴールで逆転できる点差だったため、なんとしてもコベルコ神戸スティーラーズが先に得点を挙げたかったが、後半も先にトライを挙げたのはホストチームだった。

後半、トライを挙げたFB山中

後半3分、横浜キヤノンイーグルスは相手陣ゴール前のラックからNO8マフィが抜け出しトライ、41-14と27点差とした。コベルコ神戸スティーラーズも14分、FB山中亮平がトライを決めて、再び20点差としたが、その後は、ゴール前でチャンスを迎えるも、なかなか追加点を挙げることができない。

すると34分、横浜キヤノンイーグルスのCTB梶村がステップで抜け出し、最後も相手をかわしてこの日3つ目、ハットトリックとなるトライを挙げて、48-21として試合を決めた。終了間際にはFLファンダイクがファイブポインターとなり、初のホスト試合となった横浜キヤノンイーグルスが55-21で快勝し、開幕連勝を飾った。

ハットトリックでMOMに輝いたCTB梶村

MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には今季、東京サントリーサンゴリアスから移籍してきた横浜キヤノンイーグルスCTB梶村が選ばれた。社会人はもちろん、明治大学時代もハットトリックの記憶はないという梶村は「(神戸に)昨季大敗していて、その悔しい思いがスタートから全員のプレーに現れていた。優さんに任せて、自分の役割(ボールキャリー)に集中できたことが大きかった」と破顔した。

ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1

【第2節ハイライト】横浜キヤノンイーグルス vs. コベルコ神戸スティーラーズ

8トライを重ねた横浜キヤノンイーグルスが、3トライ差のボーナスポイントも加えて勝ち点5を得て、総勝ち点を9に伸ばした。一方のコベルコ神戸スティーラーズは勝ち点を挙げられることができず、総勝ち点は1のままだった。

連敗となったコベルコ神戸スティーラーズ

連敗となったコベルコ神戸スティーラーズのデーブ・ディロンHC(ヘッドコーチ)は「残念な結果です。ほとんどのエリアで上回られて、こういう結果になってしまった」。

「(メンバーを変更して)しっかり準備して、より良いパフォーマンスを出そうと臨もうとしました。本来の自分たちの力を出せなかった。チームも負けから痛みを感じています。自分たちの選手のことを信じています。月曜に再集合してから、来週末に向かっていきたい」と前を向いた。

キャプテンFL橋本大輝は「入りから受けに回ってしまって、相手に勢いを与えてしまった。それを80分、こちらがコントロールできずに終わってしまった。ラグビーの基本的なこと、しっかり身体を当てて勢いを与えないことをやっていくしかない」と悔しそうな表情で話した。

ほろ苦い結果となったSO李

また、10番を任されたSO李は「自分たちの臨んでいる結果ではなかった。シンプルにフィジカル、相手に前に出られていた。FWを活かす前に、マイボールの時間が少なかった。相手が思った以上にディフェンスで出てきて、FWがプレッシャーを受けていた。(SOとして)オーガナイズできていなかったので反省しています」と振り返った。

ファンの声援に手を振る横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルスの沢木敬介監督は「最後はガス欠したので、(試合後の)ロッカーで、もう少しフィットネス必要だなと話していた。ちょっとずつ選手たちのマインドも変わっていますし、キャプテンの(田村)優も話していますが、次のステージしっかり目指して、毎試合、毎試合、成長できるように、全員でチーム力上げられるように来週に向けて準備したい」と気を引き締めていた。

キックでトライを演出したキャプテンSO田村は「23人が試合に出たが、それ以外の選手も相手のプレーを研究してくれて、自分たちの力になった。1週間かけていい準備をしたので、いい試合ができると思っていた。自分たちの強みというか、プラン通りゲームが進んで準備してきたことが出た。ベストな形が出た」と胸を張った。

また、2019年ワールドカップ以来の日産スタジアムでの試合だったことを聞かれてスキッパーは「素晴らしいスタジアムで、強い相手とできた。いい条件が揃って、その中でも自分たちの強さを見せられた。横浜にはいろんな有名なチームありますが、ラグビーが力を持てるように、存在感出せるんじゃないかと思ったので、いいスタートが切れた」と語気を強めた。

ゲインして岡部へパスを通すNO8マフィ

80分出場したNO8マフィは「今日はみんな頑張りました。1人1人がハードワークしている。9月から5ヶ月くらい、ずっと走って、ちょっとフィットネスはあります」と言えば、今季初トライとなったWTB松井は「(先制トライは)優さんはスキルが高いので蹴ってくれると思っていた。練習からやっていたプレーを試合に出せた。去年のリベンジができたので良かった」と破顔した。

コベルコ神戸スティーラーズは1月22日(土)のホストスタジアムの兵庫・ノエビアスタジアムに昨季、プレーオフ準々決勝で敗れたクボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎える。リベンジがかかった試合で、チーム一丸となり臨んで初勝利をつかみ取りたい。

記念スべきホストゲームの開幕戦に勝ち、連勝した横浜キヤノンイーグルスは1月23日(日)、昨季王者の埼玉パナソニックワイルドナイツのホストスタジアムである埼玉・熊谷ラグビー場に乗り込む。昨季、準々決勝で17-32と敗れた相手にリベンジして3連勝なるか。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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