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【ハイライト動画あり】ブレイブルーパス東京が激しい接点を武器に敵地でレッドハリケーンズ大阪を破り今季初勝利。ジャパンラグビーリーグワン第2節
ラグビーレポート by 直江 光信NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 vs. 東芝ブレイブルーパス東京
ともに黒星スタートのNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と東芝ブレイブルーパス東京の顔合わせとなったリーグワン第2節。5月まで続く長いシーズンのまだ序盤とはいえ、生まれ変わった新リーグでの最初の勝利がチームにもたらすものは大きい。レッドハリケーンズとっては開幕節に続き地元大阪で迎えるシーズン2戦目、ビジターのブレイブルーパスにしても過去トップリーグで5戦全勝と相性のいい相手だけに、ともに必勝の構えで迎えた一戦だったはずだ。
気温9度の快晴の中、レッドハリケーンズのキックオフで始まったこの試合。先に勢いを得たのはブレイブルーパスだった。接点で激しく体を当ててプレッシャーをかけると、5分にSOトム・テイラーが先制のPGを決める。11分には相手の反則に乗じて敵陣ゴール前でマイボールラインアウトの好機をつかみ、看板のモールからFLマット・トッドがインゴールにねじ込んだ。
レッドハリケーンズもここからアグレッシブな攻守で徐々に流れを引き寄せ、SO川向瑛の2PGで追撃。25分にはラックのターンオーバーからSH井之上明の防御ライン裏へのキックをWTBラリー・スルンガがチェイスし、外をフォローしたLOフェルマークが左スミに飛び込む。SO川向のコンバージョンも決まり、13-8と逆転した。
しかしブレイブルーパスはすかさず反攻に転じ、ラインアウトからの連続攻撃でゴールラインに迫る。最後はラック脇をもぐったSH小川高廣がインゴールに押さえてトライ。SOテイラーのゴール成功で、15-13とふたたびリードを奪って前半の40分を終えた。
両チームとも前節は競った内容でハーフタイムを迎えながらそこから突き放されて敗れているだけに、入りが注目された後半。どちらが先に加点するかによって、その後の試合展開も決まるはずだ。果たして、スコアを伸ばしたのはブレイブルーパスだった。
43分。FLシオネ・ラベマイがパワフルな突進で大きくゲインすると、ラックからの左展開でCTB中尾隼太が大外のスペースへキックパス。これがピンポイントでフリーのWTB松延泰樹に通り、インゴールを陥れる。
ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1
【第2節ハイライト】NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 vs. 東芝ブレイブルーパス東京
レッドハリケーンズも50分にSO川向が正面35mのPGを沈め4点差に詰め寄ったが、ブレイブルーパスは続くキックオフからターンオーバーでボールを奪い、一連の流れで敵陣ゴール前へ。そして53分、スクラムサイドに走り込んだWTBジョネ・ナイカブラがタックラーを引きずりながらポスト右へ飛び込み、リードを広げる。さらに58分にもペナルティ獲得→ゴール前ラインアウトという得意の流れでモールを押し切ってトライ。32-16と一気に突き放しにかかる。
その直後、ブレイブルーパスはCTBジョニー・ファアウリとLOワーナー・ディアンズが相手選手の頭頚部へのコンタクトでそれぞれレッドカード、イエローカードを受け、2人が同時にピッチを退く非常事態を迎えたが、残る13人が懸命のタックルを続け、この危機をしのぎ切る。71分には辛抱強く攻撃を継続して反則を誘発し、CTB中尾がPGで3点を追加。残る10分もひたむきに足を動かし続けてレッドハリケーンズの反撃を封じ、35-16でフルタイムを迎えた。
ブレイブルーパスにすれば敵地のゲームでボーナスポイントつきの勝利を挙げ、勝点5を手にした意義は大きいだろう。前節の東京サントリーサンゴリアス戦も敗れたものの6トライを奪っており、攻撃面では確かな手応えを感じているはずだ。一方で危険なプレーによって2枚のカードを受け、たたみかけられそうな場面で逆にピンチを招いた点は大きな反省材料。現在はラグビー界全体がより安全にゲームを進める流れを強めており、タイトな展開ではこうした規律の乱れが命取りになりかねないだけに、修正は急務といえる。
一方、開幕からのホーム2連戦で痛恨の連敗を喫したレッドハリケーンズ。この試合では不用意な反則やイージーエラーが多く、相手が13人になった時間帯もたびたびチャンスを作りながら仕留め切れなかった。LOローレンス・エラスマス主将、日本代表のFL/LOヴィンピー・ファンデルヴァルトに加え、今季の戦術の柱になるはずだったSOエルトン・ヤンチースまでもが前節の負傷で戦線を離脱し、チームはまさに緊急事態といえる状況。ケガ人が戻り戦力が整うまで踏ん張り切れるか、ここが正念場だ。
文:直江 光信
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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