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シャイニングアークス東京ベイ浦安 vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
チーム名に「東京ベイ」が入った強豪同士の激突だ。
ホストチームは、1勝のNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安。
初戦ではコベルコ神戸スティーラーズから2011年度以来、約10年ぶりの勝ち鬨。1点差(24-23)の劇的勝利に熱い涙を流す選手もいた。
ビジターチームは、こちらも1勝のクボタスピアーズ船橋・東京ベイだ。
2022年1月7日の開幕戦はコロナ禍で中止になったが、実施要項により勝ち点5が与えられた。記録上は1勝同士の対決だが、開幕戦に立てなかったチームにとっては実質的な初陣となる。
トップリーグ時代から千葉県内のライバル同士だ。
シャイニングアークス東京ベイ浦安の拠点が市川市二俣にあった頃は、双方のグラウンドは車で5分の距離。今も市川市を挟み、西の浦安市、東の船橋市で向かい合う。
そんな強豪2チームが、ジャパンラグビーリーグワンの最高峰ディビジョン1の第2節、1月15日(土)の東京・秩父宮ラグビー場で相対する。
ホストを務めるシャイニングアークス東京ベイ浦安は、この試合で来場者全員にチームカラー「青」の法被(はっぴ)を配布。またハーフタイムには浦安市内のホテル宿泊券などが賞品という抽選会を実施するという。
連勝を狙うシャイニングアークス東京ベイ浦安のラグビーは、スペースにボールを運ぶ果敢なスタイル。ロブ・ペニー監督がヘッドコーチ(HC)として就任した2014年度から同様のスタイルを志向し、必要なスキルを高めてきた。フォワードもハンドリングのスキルが高く「ヨコ」への展開力も大きな武器だ。
シャイニングアークス東京ベイ浦安スターティングメンバー
今週末へ向けては、勝利した開幕戦から先発1人を変更。帝京大卒の金嶺志がロックに入った。
その他の先発メンバーは変わらず、自慢のスクラムの最前線に立つフロントローは日大卒のPR庵奥翔太、31歳の強力HO三浦嶺、パスも巧みなPR平井将太郎。
バックファイブ(FW第2、3列)はワールドクラスの守備人が多い。
ボール展開を牽引するハーフ団は、開幕戦に続いてSH湯本睦と、スピードもある新加入のSOオテレ・ブラック。
新主将のシェーン・ゲイツは13番に入り、初戦からハイボール・キャッチからの逆転トライを見せた元オーストラリア代表、FBイズラエル・フォラウも2戦連続で15番をつける。
一方のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは昨季、フラン・ルディケHCの下、ノンメンバーやファンを含めた一体感で初の4強入りを成し遂げた。
伝統的にパワフルな重戦車FWによる「タテ」への推進力が武器だ。その強みはチーム名に変更が加わっても継承されており、今季に向けてはヤマハ発動機(現静岡ブルーレヴズ)から大型FWヘル ウヴェが加入。しかし大幅な戦力補強はせず、「初4強メンバー」を主体としてリーグワン初年度に臨む。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイスターティングメンバー
注目のメンバー23人が発表されており、フロントローは21年の日本代表合宿に招集されたPR北川賢吾、明治大卒のHO杉本博昭、トンガ出身のPRオペティ・ヘル。
ワールドクラスのハードワーカーであるLOルアン・ボタ、日本代表で主将を務めるピーター・ラピース・ラブスカフニは7番で先発。同じく昨秋の日本代表欧州遠征に参加した日本航空石川高-天理大のファウルア・マキシは8番だ。
ハーフ団は昨季4強に貢献したSH谷口和洋、早稲田大で日本一を経験しているSO岸岡智樹。センターはキャプテンの立川理道、ニュージーランド代表ライアン・クロッティの鉄人コンビ。
そして男子セブンズ日本代表の合谷和弘は14番(ウイング)で先発。トイメンで対峙する相手11番は、同じくセブンズ代表で東京五輪を戦った同志、WTB羽野一志。15人制に復帰した2人の熱いマッチアップが見られる。
なお昨季トップリーグ準々決勝で退場処分のSOバーナード・フォーリーは出場停止。南アフリカ代表HOマルコム・マークスもコロナ禍の渡航制限により昨年末時点で来日できていない。
焦点はやはりフォワード戦だろう。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイは昨季トップリーグでラインアウトの成功率が91%、スクラム成功率が92%。重戦車FWが牽引するセットプレー(スクラムやラインアウト等)はリーグ屈指の安定感だ。
かたやシャイニングアークス東京ベイ浦安もスクラムが強力な武器であり、ラインアウトについても開幕戦の成功率は100%。セットプレーの攻防は大きな見どころだろう。
ビジターのクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、待望の実戦で躍動するのか。
ホストのシャイニングアークス東京ベイ浦安が、勢いに乗って開幕2連勝を飾るのか。
あとは無事の開催を祈るばかり――。最高峰の激突をはやく目撃したい。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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