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3年ぶり14度目の王者を目指す明治大学
1月9日(日)、東京・国立競技場で今季の大学王者を決める決勝戦が行われる。ファイナルに勝ち進んだのは、4年ぶり10度目の優勝を狙う帝京大学(関東対抗戦1位)と、3年ぶり14度目の王者を目指す明治大学(同3位)の2校である。
2日(祝・日)に両校は準決勝を戦い、帝京大学は京都産業大学に苦しめられた。前半は10-23で折り返しながらも、後半、キャプテンの右PR(プロップ)細木康太郎(3年)が入るとスクラムで優勢となり、37-30で逆転勝利を収めた。
明治大学も後半15分に21-24と逆転されたが、そこからBK(バックス)で2トライを取りきり、39-24で逆転勝利を挙げた。両校ともに勝負どころの集中力、そして「4年生力」が光った対戦となった。
帝京大学と明治大学の決勝戦は2017年度以来のことで、この時は帝京大学が21-20で勝利し、9連覇を達成した。今季は6月の練習試合、関東対抗戦で対戦し、ともに帝京大学が32-28、14-7で接戦を制している。
まずは帝京大学のメンバーを見ていこう。FW(フォワード)は準決勝から先発が2人変更。キャプテンPR細木が、11月20日の明治大学戦以来の先発復帰となった。また副キャプテンFL(フランカー)上山黎哉(4年)も先発に復帰した。
その他、FWはPR照内寿明(4年)、HO(フッカー)江良颯(2年)は不動で、LO(ロック)はルーキーながら出色のできを見せている本橋拓馬(京都成章出身)と江里口真弘(3年)がコンビを組む。FLのもう1人は新人の青木恵斗(桐蔭学園出身)、NO(ナンバーエイト)には突破力でFWを引っ張り続ける奥井章仁(2年)が入った。
BKは準決勝から1人変更され、豪快なランが武器のWTB(ウイング)二村莞司(3年)が復帰した。他のBKメンバーは変わらず、ハーフ団は1年のSH(スクラムハーフ)李錦寿(大阪朝高出身)、プレースキックを蹴る司令塔SO高本幹也(3年)の2人が務める。
CTB(センター)コンビは副キャプテンの押川敦治、志和池豊馬の4年生コンビ、もう1人のWTBは白國亮大(4年)、そしてFB(フルバック)には、本来はSHだが戦術眼に長けた谷中樹平(3年)が務める。
リザーブにはPR(プロップ)奥野翔太(4年)、LO山川一瑳(3年)、FL/NO8リッチモンド・トンガタマ(4年)、ミティエリ・ツイナカウヴァドラ(3年)らフィジカルに長けた強力な選手が並ぶ。
帝京大学はフィジカルでプレッシャーをかけたい
帝京大学としてはフィジカル、激しいディフェンス、キャプテンPR細木を中心にセットプレーでプレッシャーをかけ、SO高本のキックで、敵陣でプレーする時間を増やして、チャンスでしっかり得点を重ねたい。
PR細木キャプテンは「(準決勝は)僕自身もチームとしても、自信につながる試合だった。明治大学だからといって変えることはない。1年間貫いてきたことをすべて出したい」と真っ直ぐ前を向いた。
次に明治大学のメンバーを見てみよう。先発のメンバー準決勝から1人だけ変更となり、1年生ながら対抗戦から先発を張ってきたFL木戸大士郎(常翔学園出身)が先発に復帰し、FL小澤翔(4年)は控えに回った。
他のFWは同じでPRは中村公星、大賀宗志(ともに3年)、HOは田森海音(4年)が第1列に入った。LOは山本嶺二郎(2年)、武内慎(3年)の不動のコンビ、もう1人のFLはライン際でのランが目立つ福田陸人(4年)、NO8には副キャプテン大石康太(4年)が後方からFWをまとめる。
BKの先発メンバーに準決勝から変更はなく、キャプテンSH飯沼蓮(4年)、準決勝で決勝トライを挙げたSO伊藤耕太郎(2年)、CTBコンビは不動の廣瀬雄也(2年)、江藤良(4年)の2人。
WTBには準決勝で2トライを挙げた大学生唯一のオリンピアン、石田吉平(3年)、スピードのある松本純弥(4年)、最後方にはロングキックが武器のFB雲山弘貴(4年)が務める。
リザーブにはスクラムの強いPR山本耕生と村上慎(ともに4年)、HO紀伊遼平(2年)、準決勝はメンバー外だった身長193cmのLO亀井茜風(2年)、突破力が武器のCTB児玉樹(4年)らが入った。
明治大学は対抗戦では決定力が課題だったが、大学選手権に入ってから改善し、22m内に入っての決定力は増している。接点、セットプレーで互角に持ち込んで、春から鍛えて来たフィットネスとクイックテンポを武器に、後半20分からの集中力で勝負を決めたい。
飯沼キャプテンは「セービングだったり、ゲインされたら全員で追いかけたり、細かいプレーが勝利を近づける」と意気込んだ。
9連覇を達成した2017年度以降、苦しんでいた帝京大学が『復活の優勝』を飾るのか。それとも明治大学が大学選手権に入ってから天理大学、早稲田大学と倒し、さらに今季連敗している帝京大学を下して『リベンジストーリー』を完遂させるのか。
「深紅」か「紫紺」か――。両校の意地とプライドが激突する大学選手権決勝戦は1月9日(日)午後1:15にキックオフだ。
文:斉藤健仁/Photo by S.IDA
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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