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4強激突!春の選抜王者vs.夏の7人制王者、3連覇を目指す王者vs.初のベスト4で関東王者。全国高校ラグビー大会、1月5日 準決勝のみどころ
ラグビーレポート by 斉藤 健仁ベスト4が激突
1月5日(水)「花園」こと、全国高校ラグビー大会は準決勝を迎える。なお準々決勝に続いて、準決勝も有観客で開催される。
◆1月5日(土)準決勝
・12:45 東海大大阪仰星(大阪第2)vs. 東福岡(福岡)
・14:30 國學院栃木(栃木)vs. 桐蔭学園(神奈川)
第1試合は夏の7人制大会優勝でAシードの東海大大阪仰星(大阪第2)と、春の選抜優勝、Aシードの東福岡の激突となった。
「花園での定期戦」と東福岡の藤田雄一郎監督が言うとおり、両指導者は旧知の仲で、昨季は準々決勝で対戦。ロスタイム18分の死闘を繰り広げ、21-21で引き分け。抽選の結果、東福岡が準決勝に進んだ。ライバル同士の対決は今季も接戦が予想されている。
東海大大阪仰星は大阪府の予選から準々決勝まで許したトライは、準々決勝の常翔学園(大阪第1)戦の1つだけと組織的な守備が光る。また、ターンオーバーからのアタックやセットプレーも強い総合力の高いチームだ。
東海大大阪仰星NO8薄田主将
湯浅大智監督は「東福岡は近年の高校ラグビーのトップランナーなので、チャレンジャーとして一生懸命やりたい」と言えば、キャプテンのNO8(ナンバーエイト)薄田周希(3年)は「(東福岡は)個人技に優れたBK(バックス)、縦に出るFW(フォワード)で、グランド大きく使って攻めてくる。勝ち切って次に進めるように最大の準備をしたい」と意気込んだ。
対する東福岡はFW、BK一体となり、70mの幅を使って攻める伝統のスタイルで9大会連続ベスト4に駒を進めた。準々決勝も京都成章(京都)にやや苦しめられたもののFWの接点、そしてチャンスで得点を取り切り勝利を収めた。
東福岡WTB遠藤
藤田監督は「こまできたら、どこと対戦しても決勝戦。仰星は今大会での成長が見られるチームで、一歩も二歩もリードして先頭を走っている。強いと思います」と言えば、キャプテンFL(フランカー)八尋祥吾(3年)は「(仰星は)チームの完成度が高い。全力で戦いたい」と語気を強めた。
過去4大会は準決勝で敗れた優勝6回の東福岡が今季は決勝進出なるか。また、過去2大会準々決勝で姿を消した優勝5回の東海大大阪仰星が、地元でファイナルに進むか。今季も見逃せない「定期戦」になろう。
2試合目は初の準決勝進出を果たしたBシード國學院栃木(栃木)と、3連覇を狙うAシードの桐蔭学園(神奈川)という関東勢同士の激突となった。
栃木県勢初のベスト4進出
もともとスクラム、モールに定評があった國學院栃木。今季はFW、BK一体となった組織的なアタック、ディフェンス力を持つ総合力の高いチームだ。3回戦の流通経済大柏(千葉)戦、準々決勝の長崎北陽台(長崎)戦でも、Bシードの相手を1トライで抑えて、高校日本代表候補など絶対的なエースがいない中でもチーム力で勝ち上がってきた。
吉岡肇監督は「桐蔭学園は佐賀工業の強力なモールにもトライを許さない。さすが3連覇のかかっているチャンピオンチームだなと。栃木県、國學院栃木の歴史を塗り替えたので、選手たちには伸び伸びやってほしい」と話した。
2回戦で脳しんとうを起こしてしまったため、欠場が濃厚のLO(ロック)白石和輝(3年)は「桐蔭学園は試合運びがとてもうまいので、自分たちのラグビーをぶつけていきたい。しっかりといい準備をサポートしたい」と準決勝を見据えた。
桐蔭学園WTB原
桐蔭学園は3回戦で尾道(広島)、準々決勝で佐賀工業(佐賀)とセットプレー、ディフェンスに強みがあるチームに対しても組織的に守備をし、相手の隙をしっかりと突いてトライを重ね、7大会連続で準決勝に進んできた。
「(ベスト4に進出し)Aシードの役割が終わった」という藤原秀之監督は「相手は関東チャンピオンなので、めちゃくちゃ強い。ディエンスも強いし、FW、BKのバランスがいい。胸を借りていきたい」と気を引き締めた。
キャプテンFL中島潤一郎(3年)は「お互いにチームメイトに知り合いがいて、ライバル意識がある。(國學院栃木は)個々の能力も高いチームだが、絶対に勝って(優勝できなかった)関東大会の借りを返したい」と腕を撫した。
例年、関東大会や関東スーパーリーグで、年4回ほど対戦があるという両者だが、コロナ禍の影響で、今季は花園で初の対戦となる。勢いに乗る國學院栃木か、3連覇を狙う試合巧者の桐蔭学園か。
早いもので、花園は残り3試合。準決勝に勝利してファイナルの舞台に立つ2チームはどこになるのか、ファンの耳目を大いに集める2試合になりそうだ。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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