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武内を中心としたFWのモールディフェンスに期待
ラグビー全国大学選手権準々決勝で早稲田大学を破った明治大学。今季3度敗れていた因縁のライバル相手に、FW(フォワード)の奮闘で逆転勝利を収めた。5年連続の年越しを叶え、準決勝で迎え撃つは東海大学。
東海大は関東大学リーグ戦を4年連続で制しているリーグ戦の絶対的王者。「外国人も日本人のFWもとにかく強力で、身体も大きいところが強みのチーム」(左LO/ロック山本嶺二郎・法2=京都成章)。毎年セットプレーを強みにしたタフなFW陣と、パワフルなランでスタンドを沸かす外国人選手たちがチームカラーとなっている。
「司令塔が2人いると思っている」(SO/スタンドオフ伊藤耕太郎・商2=国学院栃木)。東海大はSO武藤ゆらぎ、左CTB(センター)丸山凜太朗という2人のゲームメーカーも揃っており、BK(バックス)にも一切スキがないチームに仕上がっている。FW、BK全体の攻撃力は大学で随一と言える。
特に警戒したい東海大のプレーは、FWのラインアウトモールだ。印象的だったのは準々決勝、慶應義塾大学戦の前半26分。ラインアウトからモールを組むと、勢いが止まることなく圧倒してトライを挙げた。
「モールディフェンスはこだわって、激しくやってきたので、全部止める気持ちでやっていく」(右LO武内慎・商3=石見智翠館)。明大は東海大の得意な形を抑えて流れを引き込めるか。また、自陣でラインアウトを行わせないためにも、ペナルティにはいつも以上に気を付けたい。
発表されたスタメンで、東海大のFWは109.3キロ。一方、明大は102.8キロと平均体重では差が開いている。「ここまでずっとFW優勢に戦えていたが、強いFWに対してどれだけできるか」(HO/フッカー田森海音・政経4=長崎北陽台)。
ここまでの選手権2試合の勝因はスクラムで圧倒するなど、FWにあったと言える明大。これまでの相手より格段に強度が上がる中で、FWがどこまで奮闘できるかで試合の流れは大きく変わる。
選手権初スタメンとなる小澤
そして、明大のスタメンで注目したいのは、左FL(フランカー)小澤翔(情コミ4=桐蔭学園)だ。「ゲームの理解度が高くて、賢い選手なので嫌らしいプレーしてほしい」(神鳥裕之監督)。
ここまで左FLでスタメン出場していた木戸大士郎(文1=常翔学園)がコンディション不良で欠場し、小澤が選手権初スタメンに抜擢された。「ブレークダウンでファイトし続けるところを見せたい」(小澤)。選手権の重要局面だからこそ、4年生の活躍を期待せずにはいられない。
ここ2試合でFWが奮闘してきたからこそ、BKの選手も負けてはいられない。「正直、BK勝負だと思っている。ここまでFWに頼ってばかりなので、今試合でこそBKが覚醒するというか本領を発揮することが大切だと思う」(右WTB/ウイング松本純弥・政経4=佐賀工)。両WTBには好ランナーが揃っているだけに、SO伊藤と左CTB廣瀬雄也(商2=東福岡)の司令塔2人のゲームメイクに期待がかかる。
2日の試合会場は国立競技場。明大にとっては2年前、早稲田大学に完敗した苦い場所だ。「まだ1回も(国立で)勝てていないので、とりあえず勝ちたい」(FB/フルバック雲山弘貴・政経4=報徳学園)。
当時の試合、ピッチでのプレー経験があるのは3選手だけだが、ある種リベンジに燃えている選手も多い。「初めての国立なので緊張もあると思いますが、自分たちのことを信じて、仲間のことを信じてやっていきたい」(右FL福田陸人・法4=国学院栃木)。明日の試合では改築された国立競技場での初勝利もかかっている。
準決勝の試合テーマは『no limit』。「自分たちはまだまだ成長できるので限界はないという意味。この試合でまたチャレンジして成長したい」(SH/スクラムハーフ飯沼蓮主将・営4=日川)。
今試合で勝ち上がれば、対抗戦で敗れた帝京大学と再戦できる可能性がある。3つ目のリベンジを果たすまで負けることは許されない。東海大に勝って、最高のお正月にしたい。
文/写真:田中佑太(明大スポーツ)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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