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ラグビー コラム 2021年12月27日

初出場の専大玉名(熊本)、読谷(沖縄)が初勝利を目指す。全国高校ラグビー大会、12月28日(火)のみどころ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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12月27日(月)から大阪・東大阪市花園ラグビー場で開幕した101回目の「花園」こと、全国高校ラグビー大会。2日目となる28日(火)は1回戦の残り11試合が行われる。

◆12月28日(火)第1グラウンド試合予定

第1グラウンド

・10:00 札幌山の手(南北海道)vs. 黒沢尻北(岩手)
・11:25 富山第一(富山)vs. 飯田(長野)
・12:50 秋田工業(秋田)vs. 松山聖陵(愛媛)
・14:15 磐城(福島)vs. 高鍋(宮崎)

メインの第1グラウンドでは4試合が行われる。10:00キックオフの第1試合は札幌山の手(南北海道)と黒沢尻北(岩手)が対戦する。4大会連続20回目の出場となった札幌山の手は、予選決勝戦で2トライの司令塔SO(スタンドオフ)ステファン・ヴァハフォラウ(3年)、キャプテンWTB(ウィング)吉田慎吾(3年)を中心としたBK(バックス)と、FW(フォワード)のモールが得点源だ。過去19回は一度もシード校の壁は超えられていない。まずは初戦を突破して勢いに乗りたい。

伝統校の黒沢尻北は、昨年度はオータムチャレンジ(県2位のトーナメント)を勝ち抜き東北ブロック枠で出場したが、今季はライバルの黒沢尻工を破っての2大会連続出場となった。キャプテンSO粕加屋完汰(3年)中心に展開ラグビーで目標の年越しなるか。

第2試合は富山第一(富山)と飯田(長野)が対戦する。富山第一はキャプテンFL(フランカー)中村虎鉄(3年)を中心に10年ぶりの初戦突破を目指す。2年ぶりとなる飯田は、キャプテンFB(フルバック)北沢綜太(3年)とした伝統の展開ラグビーだけでなく、モールも強化。まず初戦に勝ちたい。

第3試合は2日目の注目カード、古豪・秋田工業(秋田)と、四国王者の松山聖陵(愛媛)の対戦。過去2度の優勝経験のある秋田工業は、伝統のモールを武器とする強力なFWとキャプテンSH(スクラムハーフ)柴田竜成(3年)のゲームコントロールでベスト8を狙っている。

3大会連続で花園出場を決めた松山聖陵も着実に力をつけてきている。コンタクトプレーにも強いキャプテンCTB(センター)米井琉翔(3年)、突破力のあるFL伊藤森心(3年)らがおり、FW、BKバランスの取れたチームで、2016年以来の正月越え、3回戦進出を見据える。

第1グラウンド最後の試合は磐城(福島)と高鍋(宮崎)の対戦となった。10大会ぶりとなった磐城は、SH安田啓介(2年)、キャプテンSO上遠野晶太(3年)のハーフ団が攻撃をリードする。一方、11大会連続とすっかり花園常連となった高鍋は、春の選抜大会にも出場を果たすなど今季は好調。キャプテンのWTB横山巧輝(3年)を中心に伝統の展開ラグビーで、まずは2回戦進出を目指す。

◆第2グラウンド試合予定

第2グラウンド

・10:00 若狭東(福井)vs.専大玉名(熊本)
・11:25 朝明(三重)vs.青森山田(青森)
・12:50 大津緑洋(山口)vs.旭川龍谷(北北海道)

第2グラウンドでは3試合。第1試合若狭東(福井)と初出場の専大玉名(熊本)の対戦となった。若狭東はキャプテンのPR(プロップ)山崎樹生(3年)、キッカーのCTB橋本ルイ(3年)など昨季の花園経験者も多く、2大会ぶりの初戦突破を狙う。14-7と接戦で熊本工業下し、創部13年目で嬉しい初出場となった専大玉名は、キャプテンCTB中村元翔(2年)がチームを引っ張り、初出場での初勝利をうかがう。

第2試合は朝明(三重)と青森山田(青森)が対戦する。朝明は高校日本代表で副キャプテンのLO(ロック)北川叶羽(3年)、キャプテンのNO8(ナンバーエイト)松山和磨(3年)といったFWのセットプレーを軸に、SH李ヒョン(3年)の球捌きで初の3回戦進出を目指す。

2019年度の初出場から3大会連続での出場となった青森山田も、LOコロ・ソナタネ(2年)、FB(フルバック)フィリモネ・サイア(2年)の2人のトンガ出身選手が攻撃の起点に正月越えを睨む。

12:50からは大津緑洋(山口)と旭川龍谷(北北海道)との一戦がキックオフされる。2大会連続出場となった大津緑洋は、県大会決勝でも2トライを挙げたルーキーWTB八尋柊(1年)に期待がかかる。一方の旭川龍谷は、2年生中心のチームだが、キャプテンWTB能祖旺佑(3年)、副キャプテンWTB風張祐希(3年)2人が決定力を見せたい。

◆第3グラウンド試合予定

第3グラウンド

・10:00 山形中央(山形)vs.目黒学院(東京第2)
・11:25 関商工(岐阜)vs.日川(山梨)
・12:50 開志国際(新潟)vs.尾道(広島)
・14:15 昌平(埼玉)vs.読谷(沖縄)

第3グラウンドも4試合行われる。10:00に1試合目の山形中央(山形)vs.目黒学院(東京第2)が相まみえる。山形中央は今季も18人で大会に臨むが、キャプテンHO(フッカー)和合祐作を中心にまとまりで勝負する。優勝5回の名門・目黒学院は激戦の東京第2地区を制して2大会連続での出場を決めた。高校日本代表候補のPR/FLシオネ・ポルテレ(3年)らの突破からチャンスを掴んで、2017年以来の3回戦に駒を進めたい。

11:25には関商工(岐阜)vs.日川(山梨)戦がキックオフする。関商工はキャプテンCTB小澤壱颯(3年)、FL山内尽副将(3年)を軸に、FW、BK一体となったバランスの取れたラグビーが持ち味だ。今季はFW、特にスクラムも強化し、粘り強く戦って白星を重ねたい。

16大会連続出場となった日川は、明治大学主将のSH飯沼蓮の弟・飯沼暖(2年)を始め1、2年生中心のチームだが、キャプテンCTB後藤天真、NO8奥山寿孝(ともに3年)ら上級生が要となって牽引する。2013年度以来の3回戦進出を狙う。

開志国際(新潟)と尾道(広島)は12:50にキックオフされる。昨年度に続き2大会連続2度目の出場となった開志国際は、195cmのNO8ジェームズリーフ・ジェイキブ(3年)、PR渡邉裕太(ともに3年)を筆頭に100kgを超える重量FWを軸に戦い、花園初勝利を目指す。

対する尾道は、サイズは小さいながらもキャプテンHO前川陽来(3年)を中心としたFWのスクラム、伝統のディフェンスには自信を持っており、2014年度以来のベスト8進出をうかがっている。

14:15に開始される第4試合は昌平(埼玉)と初出場の読谷(沖縄)の対戦となった。ディフェンス力に定評のある昌平は、決定力あるランナーのキャプテンFB北川拓来主将(3年)が牽引。チーム一丸となって2回連続初戦突破、そして初の3回戦進出を果たしたい。

読谷は島袋法匡監督とキャプテンSO島袋世良(3年)の親子鷹で初出場となった。島袋主将、セブンズアカデミーにも選ばれたFB山原穏聖(2年)らを中心に、FW、BK一体となりボールを大きく動かし攻めて初勝利なるか。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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