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ラグビー コラム 2021年12月24日

報徳学園、タレントが揃うバックスを活かせるか。1回戦は屈指の好カード、茗渓学園と対戦。全国高校ラグビー大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ライバルに快勝し花園のきっぷをつかむ

ノーシードながら「花園」こと、全国高校ラグビー大会で活躍が期待されているのが報徳学園(兵庫/6年連続47回目出場)だ。12月27日の1回戦から優勝経験のある茗渓学園(茨城)と対戦し、「1回戦屈指の好カード」との呼び声が高い。

報徳学園は元明治大学監督の田中澄憲氏(現東京サンゴリアスGM)、SH(スクラムハーフ)日和佐篤(コベルコ神戸スティーラーズ)、HO(フッカー)庭井祐輔、CTB梶村祐介(ともに横浜キヤノンイーグルス)ら、日本代表選手を輩出。花園ではベスト4は1回、ベスト8も6回と、兵庫を代表する強豪だ。

昨年度の第100回記念大会は兵庫県予選決勝で、ライバルの関西学院に10-34と敗れた。それでも強豪ひしめく近畿のオータムチャレンジ(各府県2位が出場)を勝ち抜き花園に出場。だが、1回戦で御所実業(奈良)に24-5で敗れた。

新チームとなり、兵庫県の新人大会はBブロックで優勝。近畿大会に出場したが、1回戦でいきなり大阪桐蔭(大阪)とぶつかり14-43と大敗。BK(バックス)にタレントが揃う、新2年生が中心のチームだったが、接点で後手を踏んだ大敗がターニングポイントとなった。

今季はFW、BK一体となった展開力が武器

「今季はタレントが揃っているBKで勝負したいが、FW(フォワード)がボールを出さないと勝負できない」と話すのは、報徳学園で指導して25年目を迎えている、自身もOBでもある西條裕朗監督(58歳)だ。

接点を強化するためにフィジカルトレーニング、ブレイクダウンを鍛えること以外にも、学年のグループLINEに、選手全員が、毎朝何を食べたか投稿し、栄養士からのアドバイスをもらった。

左からHO大塚副将、山村主将 SH宮嵜副将

兄2人(直也、知也/BR東京)も報徳学園出身の主将CTB(センター)山村和也は、ご飯を食べる量を増やし、「1~2年のときより栄養に関して意識するようになり、体重は74kgから78kgに、ベンチプレスも70kgだったのが100kg上がるようになった」と、その効果を実感している。

第101回全国高等学校ラグビーフットボール大会

12月27日(月)~1月8日(土)全50試合生中継

また、1学期中はコロナ禍により、2ヶ月ほどの間、練習は1時間ほどに制限され、対外試合はできず、夏合宿は例年より短縮して行われたという。

ラインアウトの要であるLO石橋

夏にディフェンスに注力しつつ、FWのモールやスクラムなど課題が露呈したが、今季はNO8(ナンバーエイト)宮下晃毅(3年)、PR(プロップ)木谷光(2年)、LO石橋チューカ(2年)ら180cmを超える、FWの核となる選手もおり、徐々にセットプレーにも自信をつけていった。

11月6日、迎えた兵庫県予選決勝。相手は昨年度、敗れた兵庫のライバル関西学院だった。「FWの接点での身体の張り合いで前に出られた。昨年、何をしても上手くいかなかったが、今年はうちができた」(西條監督)。

FWが接点、セットプレーで上回れば自然と能力の高いBKにいいボールが回る。主将CTB山村や、途中出場した、元日本代表の伊藤宏明(明治大学コーチ)を父に持つ伊藤利江人(2年)が、得意のランでチャンスメイクし、両翼のWTB(ウィング)中山雄太、海老澤琥珀(ともに2年)らが8トライを重ね、52-0で快勝し、花園の切符を得た。

副将のHO大塚優悟(3年)は「FWは最前線で身体を張って、BKにいい球を出したい」と言えば、同じく副将のSH(スクラムハーフ)宮嵜純平は「BKはスピードだけでなくパワーもある。FWが出したボールをつないで、ゲインラインを超えていきたい」と話した。

報徳学園は大会前に、関東に遠征を行い強豪校に胸を借りつつ、横浜キヤノンイーグルスのHO庭井、CTB梶村、CTB田畑亮の指導も受けて準備を進めた。

創部70周年を迎える節目の正月を勝利で迎えたい

目標は元日に勝利しベスト8以上に入ることだ。ただ、「まずはしっかり1回戦に勝ちたい」と山村主将が言うように、12月27日の茗渓学園との1回戦に全力でぶつかっていく。そして勝利すれば30日に仙台育英(宮城)と桐生第一(群馬)の勝者と対戦し、さらにAシードの東海大大阪仰星(大阪第二)、光泉カトリック(滋賀)、坂井第一(香川)のブロックの勝者とベスト8をかけて戦う。

西條監督は「昨年度よりFWはサイズがあり、機動力がある。強みはBKの展開力。グラウンド広く使って、見ていて面白いというラグビーをしたい」と言えば、CTB山村主将は「今季の花園は高校3年間の集大成です。試合に出られない3年生などいろんなメンバーの思いがあるので、責任のあるプレー、下働きをしていきたい」と意気込んだ。

「見ていて面白いラグビーがしたい」と、25年目の西條監督

報徳学園は1952年創部で、2022年は創部70周年にあたる。まず1回戦、2回戦を勝利し、ノーシードながら節目の年の正月に勝利して花園で旋風を巻き起こすことができるか。

文:斉藤健仁/写真:斉藤健仁、報徳学園提供

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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