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小山田裕悟(桐蔭学園)
12月27日(月)から1月8日(土)の日程で大阪・東大阪市花園ラグビー場を中心に行われる「花園」こと、第101回全国高校ラグビー大会。今回は父親がかつての日本代表であったり、兄が大学やリーグワンの舞台で活躍している選手を紹介していきたい。
まず、3連覇を狙うAシードの桐蔭学園(神奈川)には副キャプテンで、自らの仕掛け、パス捌きが武器のSH(スクラムハーフ)小山田裕悟(3年)。小山田の父である淳さんは男鹿工業、東芝府中(当時)で活躍した、アタックセンスのある日本代表2キャップのCTB(センター)だった。
父にラグビースクール連れて行かれて競技を始めたという小山田は「(父が日本代表という)プレッシャーはないが、自分もいつか日本代表のレベルまでいければいい。(父は)いい刺激になっています」と笑顔で話した。
また、ノーシードながら実力校の報徳学園(兵庫)には今季、セブンズユースアカデミーにも選ばれた、ステップに長けた攻撃的なSO(スタンドオフ)伊藤利江人(2年)がいる。
父・宏明氏と伊藤利江人(報徳学園)
伊藤の父である宏明氏は、明治大学やサントリー、イタリアなどで活躍し、現在、明治大学のBK(バックス)コーチを務める元日本代表SOだった。利江人(りえと)という名前はイタリア語の「lieto」(幸せ、楽しい、嬉しい)に由来している。練習試合の合間に同じポジションだった父からアドバイスを受ける姿も見られた。
中学校まで都内でプレーしていたSO伊藤だが、報徳学園で11年間コーチを務めている泉光太郎さんが、父と明治大学で同期のバックローだったこともあり、「選手たちが自分たちで考える、自由な形でラグビーができるので」報徳学園に進学した。
「花園の初戦は報徳と同じようにスピードのあるチーム(茗渓学園)。相手のハーフ団よりスピードを出してチームを前に出したい。(父は)同じSOで、日本のトップの選手だったので、アドバイスをくれるので尊敬しています。いつか父と同じステージに立ちたい」(伊藤)
第101回全国高等学校ラグビーフットボール大会
12月27日(月)~1月8日(土)全50試合生中継
静岡聖光学院(静岡)には、予選決勝で2トライを挙げたWTB(ウィング)小野澤謙真(1年)がいる。父は日本代表81キャップを誇るウィングだった宏時さんだ。小野澤は小学校までサッカーをしていたが、中学校から父と同じ静岡聖光学院に入り、ラグビーを始めて、1年生ながら花園の地を踏むことになった。
他にも父親が名選手だった選手がいる。桐蔭学園のCTB中瀬亮誠(2年)の父は法政大学、東京ガスでSOとして活躍、J SPORTSでも解説を担当する真広さん(現・東京ガスラグビー部のディレクターオブラグビー)で、國學院久我山のCTB大沼隼人(2年)の父は中央大、NTTコミュニケーションズでNO8(ナンバーエイト)として活躍した照幸さん(シャイニングアークス浦安のリクルートマネージャー)だ。
兄がリーグワンや大学の舞台で活躍している選手もいる。今季の花園の優勝候補筆頭であるAシード東福岡の司令塔SO楢本幹志朗(3年)の兄は、筑波大学3年の鼓太朗だ。また、SO高本とわ(2年)の兄は帝京大学2年でWTBとして活躍する高本とむだ。
同じくAシードで、夏の7人制ラグビー大会の優勝した東海大大阪仰星のBKの中心選手である2人、CTB/FB(フルバック)野中健吾(3年)、CTB/WTB中俊一朗(3年)の兄は、ともに仰星の出身で同級生のCTB野中亮志(清水建設江東ブルーシャークス)、WTB中孝祐(コベルコ神戸スティーラーズ)である。
山村和也(報徳学園)
他にも報徳学園のキャプテン、CTB山村和也の兄は2人とも報徳学園出身で、次兄WTB知也は明治大学、リコーブラックラムズ東京で活躍している快足ランナーだ。兄2人の影響でラグビーを始めた和也は同じ報徳学園に進学し、今季はスキッパーを務めている。
他にも今季の花園に初出場を果たした倉敷(岡山)の中心選手で、身長192cm、体重107kgのNO8ティポアイールーテル・ラリーの兄は、現在、アイルランド代表として活躍しており、今秋、日本代表とも対戦したCTBバンディー・アキだという。アキは7人兄弟の2番目で長男、13歳下のラリーは6番目だという。
花園では、各チームの勝敗だけでなく、日本代表を父に持つ選手や兄がリーグワン、大学で活躍する選手にも注目してほしい。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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