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左からトゥイプロトゥ、デュトイ、クロンHC、姫野、茂野
12月22日(水)、来年1月に開幕する「リーグワン」のディビジョン1に所属するトヨタヴェルブリッツが、練習拠点である愛知県・豊田スポーツセンターで開幕直前記者会見を行った。
就任3シーズン目を迎えるサイモン・クロンHC(ヘッドコーチ)と、共同主将を務める日本代表NO8(ナンバーエイト)姫野和樹、SH(スクラムハーフ)茂野海人に加え、今季、新たに加入したニュージーランド代表41キャップのLO(ロック)パトリック・トゥイプロトゥと、南アフリカ代表58キャップを誇るFL(フランカー)のピーターステフ・デュトイが登壇した。
まず、クロンHCが、冒頭で「非常にいい形でプレシーズンを過ごすことができています。チームとして一体感をもって活動ができています。また、新しく選手も入っておりますので、非常に楽しみにしています」と語った。
続いて新加入の2人が挨拶をした。ニュージーランドのブルーズでキャプテンを務めていたLOトゥイプロトゥは「家族をニュージーランドにおいて、単身で日本に来たが、非常に素晴らしいクラブだと聞いていたので楽しみだった。ここまで数週間、チームメイトとトレーニングをしてきたが、毎日充実している。まずは初戦が楽しみだし、全力で臨みたい」と話した。
2019年ワールドカップで南アフリカ代表の優勝に貢献し、2019年のワールドラグビー世界最優秀選手に輝いたFLデュトイは、「2019年のワールドカップ以来、日本に戻って来られてうれしい。このような機会は、今後の自分の人生にとっても大きなものになるだろう。トヨタヴェルブリッツの成功に、自分の力が役に立てば光栄だ」と語気を強めた。
そして、両主将が新リーグに向けての抱負を語った。昨季に引き続き共同主将となったSH茂野は「ここ数シーズン、チームはベスト4が続いている。その壁を超えてリーグワン初代王者を目指したい」と意気込んだ。
昨シーズンはスーパーラグビーのハイランダーズで活躍したNO8姫野は「初代王者を狙って日々活動していますが、キャプテンとしては今に集中させる、常に足元を見る、というところに重きを置いてやっていきたい」と語った。
会見に臨む5人
日本でプレーすることを決めた理由について、FLデュトイは「ワールドカップの時、日本という新しい文化に家族とともに触れて楽しんだので、このようなチャンスをいただいて、一も二もなく即断しました。残念ながらコロナ禍なので、2019年のように友人や家族が簡単に行き来することができなくて残念ですが、今シーズンを非常に楽しみにしています」と説明した。
LOトゥイプロトゥは、「私は(昨季サントリーでプレーした)SO(スタンドオフ)ボーデン(・バレット)ほど有名ではありませんが(笑)、スーパーラグビーで8~9シーズンを過ごしてから日本に来るのは新しいチャレンジです。コーチングスタッフや、プレーヤーもタレントが揃っているので楽しみ」と答えた。
また、日本のラグビーについては、FLデュトイは「非常にスピードがあり、スキルの高いラグビーだと思っていて、今後もそういったところが伸びてくるのではないかと思っています」。
「今、自分は29歳ですが、南アフリカはどちらかというと、フィジカル面での戦いが多いと思っているので、日本でフィットネスを上げたり、ランニングラグビーを経験できるたりすることは、非常に大きな糧になると思っているし、コーチングスタッフからも非常に学ぶ点が多く、楽しみにしています」と話した。
LOトゥイプロトゥは「ラグビー自体は、それほどニュージーランドと大きく変わらないと思っています。もちろん、サイズなどは違うかもしれないが、スピードやコンタクト、接点などに関しては非常に似たレベルだし、昨季の試合を見ていて、ここでプレーができると思うと楽しみでした。あえて言うのであれば、日本のラグビーやはりランニングの要素が多いと思うので、そこをまた、新たなチャレンジとして楽しみにしています」と話した。
ファンに注目してほしいところを聞かれると、FLデュトイは、「やっぱりランニングラグビーを見ていただきたい。体力の勝負にもちろんなると思いますが、足を止めずファイトし続ける、戦い続けたい。ディフェンスが息もできないような、それほどのプレッシャーを感じられるようなプレーをご覧いただきたいと思っています」と話した。
続いて、LOトゥイプロトゥはやはりボールキャリーです。そこを強みとして得点に繋げられるシーンを見せられるかと思っています。また、自分の強みとしてはラインアウトがあり、ラインアウトのプランニングや、チームによって戦術を考えることを非常に強みとしておりますので、そこを見ていただければ」と答えた。
2人の加入でさらにFW(フォワード)が強化され、リーグ随一となったことは間違いない。NO8姫野は、「南アフリカ代表にワールドカップで負けたので、仲良くできるか心配だった(笑)」と冗談を飛ばしつつ、「デュトイは本当にハードワーカーで練習でも100%です。トゥイプロトゥも良いリーダーです。一緒にやりながら、彼らの強みも勉強できるので楽しんでいます」と笑顔を見せた。
クロンHCは「新シーズンを迎えるにあたり、選手の層といったところも非常に(厚く)築き上げておりますので、強みとしてやっていきたい」と語るように、トヨタヴェルブリッツには日本代表や国際舞台を経験している選手が多く揃ったことは、シーズンが長くなった新リーグで大きな強みとなろう。
茂野、姫野両主将は「(リーグワンでホスト&ビジター制となり)試合数が増えるが、その分ホームゲームが増える。地元のファンの声援は力になる。楽しみにしてほしい」と声を揃えた。
「日本で一番のチーム」(クロンHC)を目指すトヨタヴェルブリッツが、今季こそ、ベスト4の壁を破りリーグワン初代王者に輝くことができるか。開幕戦は1月9日(日)に地元の愛知・豊田スタジアムに静岡ブルーレブズを迎える。
文:斉藤健仁/写真提供:トヨタヴェルブリッツ
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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