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12月27日(月)から1月8日(土)の日程で大阪・東大阪市花園ラグビー場を中心に行われる「花園」こと、第101回全国高校ラグビー大会の注目の選手を紹介していきたい(☆:今年度の高校日本代表候補)。
今大会のAシードは春の王者・東福岡(福岡)、夏の7人制ラグビー大会の王者・東海大大阪仰星(大阪第二)、そして3連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)の3校だ。この3校はこの15年、高校ラグビー界を引っ張ってきた3校と言っても過言ではないだろう。
SO楢本幹志朗(東福岡)
その中でも優勝候補筆頭が、選抜大会を圧倒的な強さで優勝した東福岡だ。まず昨年度、2年生ながら花園の優秀選手に選ばれたSO(スタンドオフ)楢本幹志朗(3年☆)が長短のパス、キック、ランでゲームをコントロールする。楢本の出来が優勝の鍵を握るはずだ。
PR/HO西野帆平(東福岡)
今季の「ヒガシ」はFW(フォワード)も強力で、先発でMVP級の活躍を見せたPR(プロップ)/HO(フッカー)西野帆平(☆)、赤星泰成(☆)、走力のあるFL(フランカー)茨木颯(☆)と、3年生が揃っている。
CTB平翔太(東福岡)
また、BK(バックス)にも、縦に強くキッカーも務めるCTB(センター)平翔太(3年☆)、決定力の高いWTB(ウィング)遠藤亮真(3年)らと能力の高い選手が多い。なお、SO楢本、CTB平はU20日本代表候補にも選ばれている。
FL/NO8薄田周希(東海大大阪仰星)
東海大大阪仰星は、昨年の優秀選手賞に選ばれたFL/NO8(ナンバーエイト)薄田周希(3年☆)がキャプテンを務め、チームを引っ張っている。他にもCTB野中健吾(3年☆)、夏の7人制大会のMVPであるWTB御池蓮二(3年☆)らがキープレイヤーとなろう。
FB矢崎由高(桐蔭学園)
桐蔭学園は、昨年度の花園で1年生ながら大活躍し、優秀選手に選ばれたFB(フルバック)矢崎由高(2年☆)がエースだ。LO(ロック)小椋健介(3年☆)、SH(スクラムハーフ)小山田裕悟(3年☆)、SO今野椋平(3年☆)と3人の副将がチームの軸だ。昨季、矢崎とともに活躍したWTB松田怜大(2年)のスピードも魅力だ。
Aシードの3校とともに優勝候補に挙げられているのはBシードの大阪の2校で、優勝経験のある常翔学園(大阪第1)と大阪桐蔭(大阪第3)だ。
SO仲間航太(常翔学園)
常翔学園は1年から活躍するSO仲間航太(3年)がゲームをコントロールし、FWの中核はU20日本代表候補でもあるHO大本峻士(3年☆)がいる。1年生ながら先発出場しているLO佐藤蓮にも期待がかかる。フィジカルとディフェンスに定評のある大阪桐蔭はキャプテンNO8(ナンバーエイト)林慶音(3年☆)、FL利川桐生(3年☆)の2人がチームの象徴だ。
PR森山飛翔(京都成章)
また、昨年度準優勝のBシード京都成章(京都)には、1年から活躍するSO/FB大島泰真(3年☆)、昨年度の花園で活躍したWTB倉田渉(3年☆)、1年生ながら昨年度優秀選手に選ばれたPR森山飛翔(2年)が中核だ。選抜ベスト8のライバル天理高校を下して出場する、準優勝4回のBシード御所実業(奈良)はランとキックでSH山本晴太(3年)が強力FWを操る。
近年、実力を上げてきたBシードの石見智翠館(島根)にはPR弓部智希(3年☆)、FB上ノ坊駿介(3年☆)がおり、Bシードの佐賀工業(佐賀)には身長189cmのLO井上茉紗樹(3年☆)、Bシードの長崎北陽台(長崎)は昨年度も活躍したSH川久保瑛斗(3年☆)、SO大町佳生(3年☆)のハーフ団がチームをコントロールする。SH川久保はU20日本代表候補にも選出されている。
東のBシードは関東大会優勝の國學院栃木(栃木)、2年連続ベスト8の流通経済大柏(千葉)、4大会ぶり42回目の出場の國學院久我山(東京第1)が選ばれた。
NO8小澤天(左)とLO中川功己(流経大柏)
國學院栃木には大型PR山口幸之助(3年)、SO伊藤龍之介、WTB青柳潤之介(2年)らがいる。流通経済大学付属柏には共同キャプテンの1人SO/CTB蓬田雄(3年)、昨年度活躍したLO中川功己、NO8小澤天(ともに2年)などがいる。國學院久我山には巨漢PR松原結生、CTB佐藤侃太朗(ともに3年)らが中心選手だ。
第101回全国高等学校ラグビーフットボール大会
12月27日(月)~1月8日(土)全50試合生中継
ノーシード校ながら実力校の報徳学園(兵庫)にはランが魅力のCTB山村和也(3年☆)、優勝経験のある茗渓学園(茨城)には、世代トップクラスのSH高橋佑太朗(3年☆)、昨年度ベスト8の中部大春日丘(愛知)にはスピードのあるWTB小池陽翔(3年☆)、目黒学院にはPR/FLシオネ・ポルテレ(3年☆)、初出場の倉敷(岡山)にはNO8ティポアイールーテル・ラリー(3年☆)らがいる。
「花園から世界へ」という言葉通り、2019年ラグビーワールドカップ、2021年東京オリンピックに出場した選手の多くは花園で躍動した選手たちだった。今季も花園で近い将来、日本代表になりうる可能性の秘めた若い才能を見つけてほしい。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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