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ラグビー コラム 2021年12月22日

桐蔭学園の3連覇なるか、春の王者・東福岡の2冠か。第101回全国高校ラグビー大会は、12月27日開幕

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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第100回全国高等学校ラグビーフットボール大会 準々決勝 東海大仰星vs東福岡

年末年始はラグビーの全国大会が盛んに行われるが、もっとも長い歴史を誇る第101回全国高等学校ラグビーフットボール大会が、12月27日に開幕する。昨年は第100回の記念大会で史上最多の63校が参加したが、今大会は例年通り、47都道府県から51校が参加する。

12月4日に行われた組み合わせ抽選会で、3回戦(1月1日)までのトーナメント表が決まった。8つのブロックに分かれており、それぞれのブロックを勝ち抜いたチームがベスト8となり、キャプテンの抽選により準々決勝(1月3日)の組み合わせを決める。ベスト4も再度抽選を行い、準決勝(1月5日)のカードを決める。決勝戦は、1月8日(土)。すべて、東大阪市花園ラグビー場で行われる。

優勝争いは、3連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)、昨年のベスト4で96回大会王者の東福岡、4大会ぶりの優勝を目指す東海大大阪仰星のAシード校が軸になる。桐蔭学園は、連覇を達成したチームから、LO青木恵斗(帝京大)、NO8佐藤健次(早大)と、すでに大学で活躍する主力が抜けたが総合力は高い。2年生で高校日本代表候補に選出されているFB矢崎由高のスピード、ランニングスキルの高さは見る物を魅了する。

春の高校選抜大会優勝の東福岡

春の高校選抜大会を制した東福岡は優勝候補の筆頭だろう。昨年のベスト4チームのNO8茨木颯、SO楢本幹志朗ら経験者もいる。グラウンドを広く使って攻める創造的なプレースタイルが伝統だが、今年のテーマは「フィジカル・バトル」。力強い戦いを加えて頂点に立てるか。そして、夏の全国高校7人制大会で優勝した東海大大阪仰星も高校日本代表候補のCTB中俊一朗、野中健吾など高校屈指の才能が揃う。昨年の準々決勝での東福岡と仰星の死闘(引き分け)は記憶に新しい。その決着戦の実現を待つファンは多いだろう。

この3校と、Bシードの10校=國學院栃木、流経大柏(千葉)、國學院久我山(東京)、京都成章、常翔学園(大阪)、大阪桐蔭、御所実業(奈良)、石見智翠館(島根)、佐賀工業、長崎北陽台は、2回戦(12月30日)から登場。シード校とはいえ、ノーシードにも実力者はいて、波乱もあるので2回戦も見逃せない。Bシードからの優勝も十分に可能性がある。昨年の準優勝校・京都成章は、優れたプレーメイカーであるSO大島泰真がいて大舞台にも慣れている。97、98、99回大会は、前年に準優勝したチームが優勝しており、経験値からしてもチャンスはあるだろう。準優勝4回の御所実業も粘り強い。このチームを一から鍛え上げた竹田寛行監督は昨年度で教員を定年退職。監督に専念して初の花園だ。

初出場は、めきめきと力をつける倉敷(岡山)、創部13年目の専大玉名(熊本)、読谷(沖縄)の3校だ。倉敷には、アイルランド代表で日本代表とも対戦経験のあるCTBバンディ・アキの弟ティポアイールーテル・ラリーがいる。身長191cm、体重11kgのNO8で爆発的な突破力がある。初めての花園でどんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。倉敷は、1回戦で58回目の出場をという伝統校・大分舞鶴と対戦し、もし勝てば、Bシードの石見智翠館(島根)と対戦する。倉敷の梅本勝監督は、石見智翠館の前身・江の川を全国屈指の強豪に育てた人で対戦が実現すれば特別な対戦となる。このほか、1回戦では、花園常連校の報徳学園(兵庫)対茗溪学園(茨城)、中部大春日丘(愛知)対日本航空石川(石川)などシード校に引けを取らない実力者同士の試合がある。

100回大会は全日程無観客で行われたが、101回大会は1月3日の準々決勝からは有観客になる予定だ。コロナの感染者が落ち着いていれば昨年とはまったく違った景色が広がる。高校ラグビーは、指導者と選手、仲間同士の強い絆を感じることができ、見る者の胸を打つ。最後まであきらめずに戦う選手たちを、できるだけ多くの目で見守ってほしい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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