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ダミアン・マッケンジーとサンゴリアス君
12月21日、東京・味の素スタジアムで、東京サントリーサンゴリアスが今季のビジョン発表と、新たに加入した「オールブラックス」こと、ニュージーランド代表キャップ40を誇るSO(スタンドオフ)/FB(フルバック)ダミアン・マッケンジーの入団会見を行った。
今季から就任した田中澄憲GM(ゼネラルマネージャー)が「チーム名は東京サンゴリアスに変わりました。日本ラグビー界を牽引する存在であるとともに、東京から世界に伝えるクラブでありたいと思います。そのために日本のチャンピオンであり続けなければならない。世界の強豪クラブと対等に戦えるクラブを目指して活動して参りたい」と挨拶した。
田中GMとマッケンジー
そして、クラブのビジョンとして「DREAM WITH US~強く、愛されるチーム~」を発表した。田中GMは「我々のビジョンは、ファン、パートナー、ステークホルダーに我々と同じ夢を追いかけてもらい、勝利にこだわり戦う姿勢で勇気や希望を届けたい、環境を整えたいと思い『DREAM WITH US』と掲げました。強く愛されるチームを作っていきたい」と意気込んだ。
また、オールブラックスやチーフスで活躍してきたマッケンジーを獲得した理由を田中GMは、「世界に認知されるクラブになるというところで、世界のトッププレイヤーがサンゴリアスでプレーするのは、1つしなければならないことです」。
「我々のアタッキングラグビーに一番フィットする選手だと思いますし、アタッキングラグビーのさらなる進化を期待しています。ダミアンは決して大きい選手ではないが、世界のトップで活躍している。ラグビーをやっている子どもたちみんなが、間近で見られることで勇気をもらえる」と説明した。
最初はやや緊張した面持ちで登場したマッケンジーは、まず「こんにちは、私はダミアン・マッケンジーです」と日本語で挨拶した。日本で、そしてサンゴリアスでプレーを選んだ経緯を聞かれて、「チーフス、オールブラックスでも日本に来る機会があって、日本の人々の温かさ、優しさを経験し、すごくいい印象を持っていました」。
色紙に今季の目標を書いた
「日本の食事はすごく好きで、日本でプレーするのは時間の問題だったかな。また、サンゴリアスでプレーしていた(ボーデン・)バレットのプレーも見ていましたし、日本の早い展開のラグビーが自分に合うと確信していた」と話した。
昨季、サンゴリアスでプレーしたオールブラックスのSOバレットもマッケンジーの背中を押したという。「彼のおかげもあり、いろいろ相談もさせてもらって、すごく日本行きを勧めてくれた。クラブに対してポジティブな話しかなかった。素晴らしい選手が揃っているし、マネジメントもしっかりしているクラブなので、いい印象しか持たずに、自分の決断としては楽にできました」。
マッケンジーと言えば15番の印象も強いが、日本では主に10番でプレーする意向だ。「SOをプレーするのが自分の希望です。10番が自分の能力を一番、発揮できると思っているからです。もちろん、チームファートに考えないといけないので、チームがFBを求めればプレーします」。
チーム内で注目している選手を聞かれると、マッケンジーは「(ショーン・)マクマーンとはU20で対戦しました。レッズの(サム・)ケレヴィとも対戦したことがあります。(トム・)サンダースはクルセイダーズにいたので、チーフスのときに対戦していた。その選手たちと一緒にプレーすることは非常に楽しみにしています」。
「日本人ではCTB(センター)中村亮土、SH(スクラムハーフ)流大。今季、彼らと一緒にプレーするのを楽しみにしています。流はスピードもあるし、パスもうまく、ゲームマネジメントもすごく上手い。亮土は非常に強い選手でサイズもある。彼とケレヴィがCTBでコンビを組むと思うので、相手にとっては脅威になるのでは。ニュージーランドのチームも参考になるくらい、リーダーシップをフィールド内外で発揮しているのは本当に素晴らしい」と話した。
微笑みの貴公子
プレースキック前のルーティーンで笑顔を見せる姿から、日本では「微笑みの貴公子」と呼ばれていることに関しては、マッケンジーは「その呼ばれ方をされているのであれば、すごくうれしく思います。『ダミアン』か『Dマック』と呼んでほしいかなと」と照れながら話した。
身長177cmながら世界の舞台で活躍を続けられる理由を聞かれうと、「自分は大きいほうではないので、激しい接点、フィジカルコンタクトの部分はできるだけ避けないといけない。そういう意味でも自分のプレー、速い展開やステップを使うなど、自分のスタイルのラグビーを築けているから活躍できていると思います」話した。
サンゴリアスとマッケンジーの契約は1年だという。リーグワンでの経験を、2023年のワールドカップにどうつなげていくかを聞かれてマッケンジーは、「リーグワンでプレーするのは新しいチャレンジですし、スーパーラグビーと特に違うところはフィジカルのところです」。
「よりスピードの速い展開のラグビーと認識しています。いかにフィットするかにしっかりフォーカスした上で、そこで学んだことをニュージーランドに持って帰って、23年の(オールブラックスの)ワールドカップのスコッドに入っていけるように成長できたら」と先を見据えた。
日本でどんなプレーを見せたいかと聞かれ、「自分も時間とスペースがあるところでのプレーが得意なので、フィールドのどこからでもアグレッシブにアタックできるところをファンのみなさまにお見せできたらいい」と腕を撫した。
日本に来て1ヶ月あまりだが、「ラーメン、すごく美味しいね!」と日本の生活にも慣れた様子を見せたマッケンジー。最後に、「日本で楽しい時間を過ごしたいし、チームメイトとの友情、日本の文化もいい経験できればと考えています。リーグワンのチャンピオンになるためには、できることをすべてやりたい」と語気を強めた。
ラン、パス、キックとすべてのスキルが高く、攻撃センスに溢れた現役オールブラックスが、リーグワン初代王者を目指すチームのアタッキングラグビーをさらに進化させる。東京サントリーサンゴリアスの開幕戦は1月8日、会見が行われた味の素スタジアムで行われる「府中ダービー」で、東芝ブレイブルーパス東京を迎え撃つ。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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