人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2021年12月10日

激戦必至の大学日本一争い。 帝京、明治、早稲田の王座奪還か、天理の連覇か、それとも?

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
  • Line

58回目を迎えた全国大学選手権は、東西の大学リーグを終えて出場チームが確定し、いよいよ大学日本一をかけた戦いが始まる。今大会は絶対的な優勝候補は不在で混戦模様。ここ2年はコロナ禍で準備期間での練習試合などが少なく、これからチーム力を大幅に伸ばす大学も出てくるだろう。予測不能のトーナメントの幕開けだ。

帝京大学

関東大学対抗戦Aは帝京大が3年ぶりに優勝し、9連覇以来、4シーズンぶりの大学王座奪還を目指す。HO江良颯(2年)、LO本橋拓馬(1年)、FL青木恵斗(1年)、NO8奥井章仁(2年)らを軸にした強力FWで圧力をかけ、プレーメイカーのSO高本幹也(3年)が卓越したスキルで自在に操る攻撃は多彩だ。実力拮抗の出場チームの中でも仕上がりは一歩リードしている。

天理大学

昨季の王者・天理大は、関西大学Aリーグ初戦で近大に敗れ苦しいシーズンを送ってきた。しかし、関西リーグ最終戦となった同大戦では、SOにリーグ戦デビューとなる福本優斗(2年)を抜擢するなどメンバー編成を組み替えて勝利し、選手権前にチーム力を上げてきた。56回大会優勝の早大は、CTB長田智希キャプテン(4年)を怪我で欠きながら、12月5日の早明戦に勝利。スーパールーキーのNO8佐藤健次は改めて非凡な突破力を見せつけた。敗れた明大も55回大会以来の優勝を狙う。早明戦ではスクラムの優位性を得点につなげられなかったが、その強みを選手権では生かしたい。

関東大学リーグ戦1部で4連覇を飾った東海大は攻守ともに安定感があるが、その東海大と引き分けた日大の爆発的な攻撃力はすべてのチームにとって脅威だ。関西リーグを制した京産大は伝統のスクラム、モールの強みに加え、ディフェンスが粘り強く、2位の近大も強いセットプレーと整った組織アタックで得点力がある。明らかに力が劣るチームは見当たらない。どのチームにもファイナリストになる力があるように見える。

選手権はすでに11月21日に開幕し、朝日大(東海・北陸・中国・四国地区代表)が1回戦で八戸学院大(北海道・東北地区代表)を60-7、2回戦では福岡大(九州学生リーグ1部 1位)に逆転勝ちし、3回戦に進出している。3回戦は1試合のみ。12月12日、東大阪市花園ラグビー場で関西リーグ4位の同大が対戦する。朝日大はLOシオネ・アフェムイ(4年)、NO8ワカヴァカ・サムエラ(2年)ら突破力ある選手が多く、その攻撃力で同大を崩せるかどうか。同大は関西では4位に甘んじたものの、FB山口楓斗(4年)、WTB和田悠一郎(4年)ほか決定力ある選手が揃い、ディフェンスでもLO南光希キャプテン(4年)を筆頭にハードタックラー揃いだ。この試合の勝者は4回戦で関東大学リーグ戦1部3位の大東大と対戦が決まっており、準々決勝で帝京大が待ち受けるブロックだ。

12月18日に行われる4回戦最大の注目は、天理大と明大の戦いだ(東大阪市花園ラグビー場)。55回大会の決勝カードである。明大としてはスクラムで優位に立つことは勝利の条件になるだろう。ここで劣勢になれば天理大のフラットなパスに次々に走りこむ攻撃に苦しむことになるだろう。この試合の勝者は12月26日の準々決勝(秩父宮ラグビー場)で早大と激突する。早明再戦か、57回大会の決勝(天理大対早大)の再現か。ここ3年の大学王者が並ぶブロックは何が起きても不思議はない。

近大対慶大(12月18日、秩父宮ラグビー場)も面白い試合になりそうだが、9シーズンぶりに出場の近大がアウェイのプレッシャーのなかで力を出し切れるかどうか。勝者は12月26日、東海大と対戦する。関西王者の京産大は、12月26日の準々決勝からの登場で、日大対日体大の勝者を待ち受ける。このブロックからの勝ち上がりは帝京大ブロックとの準決勝に進出する。大学選手権は各チームにとって負ければシーズン終了の戦いだ。一つ一つの試合にたくさんの思いが詰まっている。学生たちが真摯にラグビーに向き合う姿を見守りたい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ