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ラグビー コラム 2021年12月10日

「入替戦」という熱きドラマ。2年ぶり開催の関東大学対抗戦A・B入替戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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青山学院大学 桑田宗一郎主将

降格か、A残留か。

昇格か、B残留か。

ラグビーに懸ける若武者たちの極限的なドラマが、入替戦にはある。

12月12日(日)、関東大学対抗戦のA・B入替戦(有観客)が、埼玉・熊谷ラグビー場で行われる。

第1試合は11時30分キックオフの「青山学院大学」(対抗戦A7位)×「明治学院大学」(対抗戦B2位)」。

第2試合は14時キックオフの「立教大学」(対抗戦A8位)×「成蹊大学(対抗戦B1位)」だ。どちらもJ SPORTSオンデマンドでの限定配信となる。

挑戦者としてピッチに立てるのが、対抗戦Bグループを勝ち抜いてきた成蹊大と明治学院大だろう。

昨年度は新型コロナの影響で入替戦が行われず、無念を味わった。2021年度も入替戦の開催有無が分からない中でスタートを切っており、12日の熊谷ラグビー場は念願の檜舞台だ。

第1試合で青学大に挑戦する明学大は、監督を元早大の石川安彦氏、ヘッドコーチを元法大の笠井建志氏が務める体制。主将はLO/NO8小澤太一が務め、スローガンに「Go Hard」を掲げてハイテンポなラグビーを指向する。

今年は対抗戦Bを6勝1敗で2位通過。3位になった学習院大学に開幕戦で20-12で競り勝ち、次戦で4位になった東京大学に61-20で大勝。序盤で上位陣を倒す好スタートを切った。

悲願の対抗戦A昇格は、明治学院創立150周年の2013年だった。今回は8年ぶりの歓喜へのチャレンジだ。

対する青学大は、今年は「LEAD」をスローガンに掲げて桐蔭学園出身のSO桑田宗一郎キャプテンを軸に、ヘッドコーチも務めた清水孝哉氏が監督に。

対抗戦Aは開幕戦から黒星が続いたが、11月の筑波大学戦では3点差(21-24)の惜敗。そして立教大戦に34-25で勝利し、5点差で負けた昨季のリベンジを果たし、シーズン終盤で7位になった。

青学大はタレントが豊富であり、スクラムの中心軸であるHO相根大和、ブレイクダウンワークに強いLO清原裕揮、猛タックラーとして名高いFL中谷玲於。

バックスにも大黒柱のSO桑田主将、スキルフルな183cmのFB黒木陽斗もいる。経験豊富な4年生が試合をコントロールし、慌てることなく明学大のチャレンジを受け止めたい。

対抗戦Bを2年連続の全勝で駆け抜け、勢いそのままにA昇格を目指すのが成蹊大だ。

池田元監督、CTB/WTB諸藤陸をキャプテンに据え、11月27日の明学大との全勝対決を49-3で快勝した。

立教大学 山本開斗主将

入替戦の相手は、毎年のように昇降格をめぐり対決してきた立教大学。2019年は入替戦で立教大に2点差(21-23)で敗れ、対抗戦Bに降格している。

2020年も全勝だったが、コロナという未曾有の事態により入替戦が中止に。チャレンジの機会すらなかった。

今年の4年生にはCTB諸藤主将やHO金子知史、LO荒川紘章、CTB/FB鈴木大之といった2年前の降格をピッチで味わったメンバーがおり、2年ごしの雪辱戦となる。

入替戦もできなかった先輩たちの分まで――。ラストマッチに懸ける想いは並大抵ではないだろう。

受けて立つ立教大は福田明久監督、中村洋平ヘッドコーチの下に桐蔭学園出身のPR麻生典宏をキャプテンとし、スローガン「EXCEED」を掲げてきた。

昨季のレギュラーが10人超卒業し、今年はHO三村真嶺やSH伊藤光希、SO/CTB中優人、FB江田優太など1年生も先発起用。

今季の対抗戦A初勝利をかけた11月27日の青学大戦は、前半を6点リード(18-12)で折り返したが後半に離されて25-34で敗戦した。

因縁浅からぬ成蹊大との一戦は、秋冬シーズンの初白星をかけた大一番だ。強みのひとつである献身的な守備を土台として80分間ファイトし、対抗戦Aの舞台を次世代に託したい。

熱きドラマが展開される関東大学対抗戦のA・B入替戦(2試合)は、12月12日(日)午前11:20よりJ SPORTSオンデマンド限定でLIVE配信される。

コロナ禍と戦いながら努力を重ねてきた学生たちが挑む大勝負。想いと想いが激突する、熱きドラマを見守りたい。

文:直江 光信

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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