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バーバリアンズ vs. サモア代表 スターティングメンバー
世界のトップ選手を集めてチームを結成する「バーバリアンズ」。
1890年の初結成以来、ノーサイドの精神にも通じる「勝敗を離れてラグビーを楽しみ、交流を深める」という趣旨で130年余の歴史を紡いできた“世界選抜”だ。
そんな由緒正しい招待制のドリームチームに今回、日本代表の欧州遠征に参加していた4選手、PR垣永真之介、HO堀越康介、CTB/SO中村亮土(以上東京SG)、LO小瀧尚弘(神戸)が初参加することになった。
会場はイングランドラグビーの聖地、トゥイッケナム・スタジアム。11月27日の対戦相手は、日本代表が2023年W杯フランス大会のグループステージでの対戦する世界ランキング13位のサモア代表だ。
毎年編成されて各国代表等と対戦するバーバリアンズへの招集は、ラグビー界の最高の栄誉のひとつであり、一度招集されるとクラブの終身会員となる。
過去には1992年に林敏之さんが日本人として初めて招待され、96年に元木由記雄さんと元日本代表のアンドリュー・マコーミックさん、2014年に田中史朗(東葛)、ロビー・ディーンズ監督がクラブ指揮官を務めた2015年には藤田慶和、ホラニ龍コリニアシ コーチ(埼玉)が招集。
2017年に結成された女子バーバリアンズでは、19年に南早紀(横河武蔵野)と斉藤聖奈(三重パールズ)が選ばれ、カーディフで女子ウェールズ代表と対戦している。
バーバリアンズ スターティングメンバー
今回のバーバリアンズのメンバー表は、見ているだけでも胸が躍る。
先発で3番を背負うPR垣永は、南アフリカ代表のPRスティーヴン・キッツォフ、HOマルコム・マークス(東京ベイ)という、19年W杯の優勝を経験した2人とFW第1列を形成する。
ロックでは小瀧が栄えある先発。10月の日本代表戦にフランカーとして先発していたオーストラリア代表のロブ・レオタとコンビを組む。
FW第3列は、主将を務めるスコットランドのFLライアン・ウィルソン、豪州代表のFLピート・サム、現在アイルランドのウルスターに所属する南アフリカ代表のNO8ドウェイン・フェルミューレン。
ハーフ団は豪州代表コンビ。百戦錬磨のベテランSHニック・ホワイトとSOジェームズ・オコナーだ。
そして日本代表の中村亮土はセンターとして、オーストラリアのレン・イキタウとコンビを組む。
バックスリーはアルゼンチン7人制代表のマルコス・モネタ、加速力が光るWTBフィリポ・ダウングヌとFBトム・ライトという豪州代表を経験している2人だ。
堀越は8人いるリザーブに入り、途中出場からの活躍を狙う。
その他のリザーブ選手も圧巻だ。豪代表のPRアンガス・ベル、仏ラシン92所属のジョージア代表のPRギオルギ・ハライシビィリ。
アルゼンチンのLOロドリゴ・フェルナンデス・クリアード、カーディフ・ブルースでプレーするオリー・ロビンソン。
俊足の豪代表SHテイト・マクダーモット、CTBイザイア・ペレセ、そして23番をつけるのはアイルランド代表のレジェンドであるFBロブ・カーニーだ。
世界から集まった豪華な新旧スター軍団を率いるのはオーストラリア代表のデイヴ・レニーHC(ヘッドコーチ)。革新的であることが信条の一つであり、現在主流になっている共同キャプテン制はチーフス(NZ)指揮官時代にレニーHCが先鞭をつけたと云われる。
サモア代表 スターティングメンバー
対戦する「マヌ・サモア」の愛称で知られるサモア代表は、伝統的にフィジカリティに優位性を持つ。個々の着想が噛み合い、モメンタム(勢い)が生まれた時の攻撃力は脅威だ。
バーバリアンズと対峙するサモアのヘッドコーチはセイララ・マスプア。コーチ陣には豊田自動織機シャトルズ愛知のアシスタントコーチで、サンウルブズでもプレーしたトゥシ・ピシも入った。
メンバーはフランスなどサモア国外でプレーする選手も招集された構成となっており、キャプテンは仏スタッド・フランセ所属のPRポール・アロエミール。仏バイヨンヌでプレーするNO8アファ・アモサもいる。
ロックには釜石シーウェイブスRFCに所属しているベンジャミン・ニーニーが選抜された。司令塔は19年W杯サモア代表のAJアラティム。2017年のサンウルブズでもプレーしたFBジェイミー・ジェリー・タウラギもバーバリアンズに対峙する。
バーバリアンズはレニーHCという革新的な指揮官の下、伝統的なスタイルである攻撃的、冒険的なラグビーを展開するだろう。
バーバリアンズのチャレンジングなラグビーは古くからファンを喜ばせ、1973年のオールブラックス(NZ代表)戦では自陣から切り返してパスを繋ぎ、「ラグビー史上最高のトライ」とも称されるSHガレス・エドワーズのトライを生んだ。
日本代表4人を擁するバーバリアンズはどんなラグビーを見せてくれるのだろう。勇敢な南海の雄、サモア代表のファイトにも注目したい。
「バーバリアンズ×サモア代表」は11月27日(土)午後11:20よりJ SPORTS 1で生中継、JSPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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