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スクラムで苦戦するFW
ラグビー関東大学対抗戦の3連覇を懸けて挑んだ全勝対決。明治大学は春の招待試合でも敗れた帝京大学と対戦した。しかし、前半は自陣でのプレーが目立ち、0-14。後半巻き返すもあと一歩が届かず、7-14で対抗戦初黒星となった。
注目されていたのはFW(フォワード)の意地を懸けたセットプレーでの争い。前半2分にハーウェイライン付近でファーストスクラムを迎える。だが、互いにかみ合わず、2度の組み直し。「相手の3番の選手に前半は主導権を握られた」(右PR/プロップ大賀宗志・営3=報徳学園)。3度目に明大がペナルティ。帝京大の右PR細木康太郎主将に割り込まれ、ファーストスクラムは崩されてしまった。
そのまま帝京大にラインアウトからゴール前に進入されるが、最後は大賀のジャッカルですぐさまボールを取り返す。そこから継続したい明大だが、ミスが目立ち敵陣までは入り込めない。
14分には自陣22mで再び帝京大ボールのスクラム。ここでも明大の反則により、帝京大にアドバンテージ。SO(スタンドオフ)高本幹也が左サイドへキックパス。これを左WTB(ウイング)高本とむがキャッチし、先制トライを挙げた。
すぐに追い付きたい明大だが、理想とする継続力の高いラグビーを体現できなかった。「相手がキックをかなり使ってきたことで、クイックセットができなかった」(NO8/ナンバーエイト大石康太・営4=国学院久我山)。相手のキックに付き合ってしまい、蹴り合いからなかなかリズムをつかめず。ブレークダウン周りでも反則が目立ち、テンポのいいラグビーができない時間が続いた。
28分には帝京大の右WTB白國亮大がキックカウンターから明大陣地に切り込む。「自分と横の選手の間に相手選手が入っていることに頭が回っていなかった」(右LO/ロック武内慎・商3=石見智翠館)。内側の選手とのコネクションが切れ、武内とWTBが1対1となるミスマッチの状況から、かわされゴール前に侵入を許す。そのままフォローに入った選手にトライを決められた。
ラグビー 関東大学対抗戦2021
【ハイライト】明治大学 vs. 帝京大学
その後も帝京大の猛攻を受けるも、なんとかしのぎ切り前半は0-14で折り返す。「前半はキックが多かったので、もっと明治のポゼッションを上げて攻めていこうと話した」(SH/スクラムハーフ飯沼蓮主将・営4=日川)。3連覇に向け、逆転したい明大は後半から巻き返しを図る。
後半3分には相手のハイタックルから敵陣22mでのラインアウトを迎える。「帝京のディフェンスのリアクションが遅いことから、オーバーボールで不意を突いた」(左LO山本嶺二郎・法2=京都成章)。
トライを挙げた大賀と喜ぶ選手たち
オーバーボールを効果的に使い、飯沼のキャッチから左WTB石田吉平(文3=常翔学園)がゴールラインに迫る。「明治全体で連携してあそこのエリアまで持って行けたことが良かった」(大賀)。最後は大賀が持ち出しからトライを挙げた。
その後は敵陣でプレーする時間が増える明大。10分にはゴール前ラインアウトからモールを組んだが、インゴールまで押し込めず。「帝京のFWに圧力をかけられてトライを取り切れなかった」(大賀)。12分にもラインアウトから攻めるが、最後はグラウンディングできず。わずかに届かない時間が続く。
80分には相手ボールラインアウトをスティール。ノータイムで取り切らなければ敗戦が決まるラストワンプレーという展開を迎える。継続して少しずつ前に出るも「最後までやり切れなかったのが悔しい」(武内)。石田からのパスは武内に届かず。そのままノーサイドとなった。
「帝京には春も負けていたので、リベンジできなかったのは悔しい」(山本嶺)。7-14で春の招待試合に続き、帝京大に今季2度目の敗戦。「最後にトライを取り切れなかったのが駄目だった。ゲームプランのところで曖昧だったので、後半と同じことを前半からもっとしていければいい」(飯沼)。
負けはしたが下を向いている時間はない。次戦迎え撃つのは早稲田大学。伝統の明早戦が今年度も幕を開ける。万全な準備をして、明早戦を勝ち切り全国大学選手権に臨みたい。
文/写真:田中佑太(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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