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現役復帰を発表したトンプソン ルーク
11月13日(土)、2022年1月に開幕する「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」のDivision1に所属する「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安」が、クラブハウスで今シーズンの新体制に関する記者会見を行った。
まず、内山浩文GM(ゼネラルマネージャー)が「『NTTリーグワン』には会社も含めて期待感があります。地域性、事業性を追求していく中で、勝つラグビー、楽しんでもらうラグビーで結果を残したい」。
「(新リーグになり)ゲームチェンジすると思いますが、(シャイニングアークス浦安が)ゲームチェンジャーになってきたい。競技以外にもいろいろ連携して挑戦していきたい」と意気込みを語った。
復帰したペニー監督
さらに2014年度から18年度までHC(ヘッドコーチ)を務め、スーパーラグビーのワラターズなど経て、ロブ・ペニー監督が指揮官に復帰。2016年度、2018年度トップリーグ過去最高の5位に導いた実績が評価され、選手の8割もペニー監督の指導を受けたことがあることなどの理由からの再登板となった。
ペニー監督は「日本ラグビーはいいコーチングも入り、ここ数年で急成長を遂げている。その中で、NTTコムは内山さんをはじめスタッフの努力もあってプロ意識が芽生えており、強いチームの基盤が着々とできている」。
「史上最高のチームになること、史上最高位を目指すことが目標です。過去最高が5位なのでプレーオフ以上を狙って、優勝も考えています。選手たちがやっていて楽しい、ファンの人々も見ていて楽しい、勝てるラグビーをしたい」と語気を強めた
キャプテンに就任したゲイツ(左)、クラブキャプテンの金
さらに新体制が発表され、7月に日本代表キャップを獲得したCTB(センター)シェーン・ゲイツがキャプテンに指名され、長らくスキッパーとしてチームを引っ張っていたFL(フランカー)金正奎がクラブキャプテンとなった。
2人を支えるリーダーにはLO(ロック)中島進護、FLリアム・ギル、SH(スクラムハーフ)グレイグ・レイドロー、WTB(ウィング)石井魁の4人が就いた。
左より内山GM、ペニー監督、トンプソン、ゲイツキャプテン、金クラブキャプテン
「金はここ数年、チームの発展を引っ張ってきた功労者です。長らく強いリーダーシップを発揮してくれていたが、若いリーダーも育っているので、今回、少し一歩引いた形で個人に強いフォーカスを当てつつ、違った局面から他のリーダーをサポートしてほしい」。
「ゲイツはシンプルに人間性が優れていて、忍耐力もある、ワールドクラスの選手です。キャプテンとして選ぶのは難しい判断ではなかった」(ペニー監督)。
さらに、今季のスローガンが発表され、「ShiningArcs」(シャイニングアークス) の「ARCS」に「INSPIRE」(刺激を与える)をかけ合わせた造語「ARCSPIRE(アークスパイア)となった。
「チームとして、選手同士はもちろん、サポーターや地域の方々をも刺激できるような存在となる」という意味で、ゲイツ キャプテンも「家族、ファン、地域、そして自分たち自身もインスパイアできれば」と話した。また「INSPIRE」の中の「SPIRE」には「頂上」の意味もあり、サブワードの「UNITED WE SHINE」は「一丸となって輝く」という強い思いが込められた。
記者会見前から「サプライズ発表がある」と告知されていたが、内山GMから日本代表としてワールドカップに4大会出場したLOトンプソン ルークの現役復帰、およびチーム入団が発表された。2019年度を持って近鉄(現・近鉄花園ライナーズ)を退団、ニュージーランドで鹿農場を経営していたが、約2年ぶりに日本でプレーする。
オンラインで会見に参加したトンプソンは、まず「みなさん、こんにちは、トンプソンルーク、26歳です!」と挨拶して会場を沸かせた。
続けて40歳のベテランLOは「今、ニュージーランドにいるけど、日本に帰ります。すごく楽しみ!新しい選手、シャイニングアークスはすごくいいチームです」。
「(日本に戻った理由は)難しくもあり、簡単な決断だった。家族も含めて日本が恋しかったし、ラグビーが恋しかった。ラグビーに関わる友情や達成感を感じたくて、またラグビーをしたい気持ちがあり、またトップレベルでやれるチャンスが巡ってきてすごくワクワクしました」。
「(シャイニングアークス浦安を選んだのは)チームとしてラグビーの強化の面、地域に根ざす働きなどやっていることが、自分の価値観にあったので、このチームと一緒にやりたいと思った。決して派手ではないがしっかりと仕事をして、若手にもお手本になれたらいいなと思います」。
「自分は勝つためにはどんなところでも貢献したい。(日本代表に関しては)まだ、ジェイミー(・ジョセフHC)のセレクションに入るとか、入らないとかの話ではないので、まずはシャイニングアークスでできる限りのプレーがしたい」と今季を見据えた。
日本代表LOジェームス・ムーア(元宗像サニックスブルース)、ニュージーランドのブルーズで活躍したSO(スタンドオフ)オテレ・ブラック、元オーストラリア代表FB(フルバック)イズラエル・フォラウなど補強が続いていたシャイニングアークス浦安。
さらにLOトンプソンの加入はピッチ内外で好影響を与えるだろう。もともとスクラムには定評があったチームに、ラインアウト、モールという大きな武器も加わりそうだ。
リーグワン開幕のコベルコスティーラーズ神戸戦まで残り約2ヶ月となった。「ARCSPIRE」を掲げるシャイニングアークス浦安が、見ていて楽しいラグビーで勝利を重ねて、リーグワンに大きな旋風を巻き起こすことができるか。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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