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ラグビー コラム 2021年11月4日

【ハイライト動画あり】早稲田大学、終盤の追撃も及ばず帝京大学に今季初黒星。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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突破を図るFL(フランカー)相良昌彦(社3=東京・早実)

雲一つない秋晴れの下、東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場で、ラグビー関東大学対抗戦の第5節となる、早稲田大学vs.帝京大学が行われた。

ここまでの対抗戦では両校ともに4連勝。全勝対決となったこの試合、主導権を握ったのは帝京大だった。早大は相手の強力なスクラムに対抗できず、9点ビハインドで前半を終える。後半はラスト5分で2トライを挙げ、必死の追い上げを見せたが一歩及ばず。最終スコアは22-29で、早大は対抗戦初黒星となった。

強力なフィジカルを持つ帝京大相手には、やはりスクラムが試合のカギを握っていた。前半開始3分、自陣でのノックオンで早くも相手にファーストスクラムを与えると、これを完全に押され、早大はコラプシングの反則を犯してしまう。そこから自陣ゴール前のラインアウトを起点に攻撃を重ねられ、失トライ。先制点を許したのは今季初であった。

その後、帝京大に対して粘り強いディフェンスを見せ、何度かアタックの契機をつくるが、自分たちのミスでなかなか敵陣に攻め入ることができない。さらに21分にもスクラムでコラプシングを取られると、24分にはマイボールスクラムを押され、ボールを拾われてトライを献上。その後も早大は攻撃の歯車がかみ合わず、肝心なところでミスを重ねてしまう。

点差を縮めることができないまま迎えた39分、ようやくWTB(ウィング)槇瑛人(スポ3=東京・国学院久我山)がハーフウェーラインからゴール前まで独走。一気に敵陣に攻め込みチャンスをつくる。その後、23フェーズにも及ぶ攻撃で、相手のノットロールアウェイからPG(ペナルティゴール)を獲得。最後にSO(スタンドオフ)吉村紘(スポ3=東福岡)がこれを決め、3-12で前半を折り返した。

9点ビハインドで迎えた後半、ここから立て直しを図りたい早大は反撃に出る。後半7分、CTB(センター)岡崎颯馬(スポ2=長崎北陽台)が相手の隙を突き前進すると、PR(プロップ)小林賢太(スポ4=東福岡)、SH(スクラムハーフ)宮尾昌典(スポ1=京都成章)にボールが渡り、宮尾が相手を振り切ってインゴールへ飛び込んだ。

ラグビー 関東大学対抗戦2021

【ハイライト】早稲田大学 vs. 帝京大学

これまでの流れを断ち切り、勢いに乗るかと思われた早大だったが、帝京大の壁は簡単に打ち破れなかった。またしてもスクラムでの反則、自陣での反則が相次ぎ3トライを追加されると、33分の時点で19点差まで開いてしまう。しかし早大は諦めていなかった。

後半に独走トライを挙げた河瀬

34分に敵陣22mのラインアウトから右に素早く展開すると、WTB槇がトライ。その直後にはFB(フルバック)河瀬諒介(スポ4=大阪・東海大仰星)がハーフウェーラインからの独走トライを決め、7点差にまで迫った。さらに相手のシンビンで数的優位に立ち、一気に早大のペースに持ち込む。

試合終了まで残り1分、敵陣で相手のボールをターンオーバーし、これで決めれば同点という大きなチャンスをつくり出すと、早大の必死の反撃に会場からは自然と応援の手拍子が沸き起こった。ゴールラインまであと数メートルのところまで攻めたものの、最後に相手にボールを奪われ、22-29でノーサイド。意地の猛追を見せた早大だったが、1トライの差を埋めることはできなかった。

春から『FW(フォワード)8人で押す』という意識を持ち、例年以上に積極的に取り組んできたスクラム。しかし、「相手のプレッシャーで自分たちのセットアップができなかった」とPR小林も話すように、試合を通して思い通りのスクラムを組むことができなかった。

さらに、自分たちのミスで好機を生かせなかったことも課題の1つ。どれだけ相手のプレッシャーを受けてもミスをせず、準備してきたことを発揮できるかが今後の勝利のポイントとなる。ただ、スクラムで終始優位に立たれていたものの、最後に1トライ差まで追いついたことや、粘り強いディフェンスを見せたことは早大の成長の証でもあるだろう。

今季初めての黒星となったが、対抗戦は終わったわけではない。20日後には早慶戦、そしてその後には早明戦も控えている。この敗戦をバネにさらなる進化を遂げ、残りの2戦、全勝で対抗戦を締めくくりたい。

文:塩塚梨子/写真:橋口遼太郎(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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