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天理大学
これからが佳境だ。
9月18日(土)に開幕した全7節の2021ムロオ関西大学ラグビーAリーグは、折り返しの第4節を迎える。
10月31日(日)は、奈良・天理親里競技場で「関西大×京産大」「天理大×立命館大」というダブルヘッダーがあり、J SPORTSオンデマンド限定でLIVE配信される。今回は昨季創部96年目で初の大学日本一に輝いた天理大と、選手権ベスト8を目指す立命館大に注目したい。
天理大は昨季、3度目の大学選手権決勝で、関西勢としては1984年度の同志社大以来36季ぶりの優勝を果たした。
今季の関西Aリーグでは開幕節こそ近畿大に7-23で敗れ、5連覇している同リーグでの32連勝が止まったが、その後は関西大(69-21)、摂南大(40-0)に連勝した。
前半苦しみながらも完封した2週間前の摂南大戦はチームとして前進だったのではないか。フィジカリティ、伝統のフラットラインなどと共に武器であるスクラムでも終始優勢。最終盤にはスクラムトライも奪ってみせた。
天理大学 佐藤康キャプテン
「stay hungry」をチームスローガンとして引っ張ってきたHO佐藤康キャプテンは、摂南大戦の終了後に手応えを口にしていた。
「前半、自分達で勝手に相手のプレッシャーを感じてミスを重ねてしまい、自分達のペースになれなかったことが今日苦しかった原因だと思いますが、勝ち切れたことは良かったです」(HO佐藤キャプテン)
選手権決勝の優勝メンバーでいえばハーフ団など9人が抜けたが、出番を待っていたメンバーにとってはチャンス到来。今季は熾烈なポジション争いをくぐり抜けてきたメンバーが頼もしい。
本稿執筆時点で両軍のメンバーは未発表だが、天理大ではHO佐藤キャプテンをはじめ、昨季優勝メンバーで、開幕戦は不在だったLOアシペリ・モアラ、FL服部航大、NO8山村勝悟が中心メンバーだろう。
注目はやはり1年生ハーフ団だ。日本航空石川高出身のSH藤原健之朗と、長崎南山高出身のSO筒口允之だ。
日本航空石川出身の天理大SHといえば今年クボタスピアーズ船橋・東京ベイに入団した藤原忍を想起させるが、血縁関係はないという。
そんなルーキーSH藤原とSO筒口は開幕から3戦連続で先発。SO筒口は前節の摂南大戦でキックパスから2トライをアシスト。後半9分にはトライも決める活躍でプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
そのほかバックスでは決定的な仕事ができる187センチのWTBアントニオ・トゥイアキ、関西大戦で4トライを挙げたWTB内村祐介、天理高校時代から注目されていたCTB前川風雅など楽しみな選手が揃う。
9/19 立命館大学vs関西学院大学
そして、3位の天理大を追いかける5位の立命館大。
ジュニアジャパン経験のあるCTB木田晴斗をキャプテンに据え、「Battle」をチームスローガンとした今季リーグ戦は、ここまで1勝2敗。
開幕節は関学大に43-24で勝利したが、第2節以降は京産大(20-41)、同志社大(14-42)と連敗を喫した。
気になるのは後半の失点だ。京産大戦、同志社大戦ともに前半は伝統のディフェンスでロースコアに持ち込んだが、後半に失点を重ねてしまった。
前半を7-7で折り返しながら後半に35失点した同志社大戦を振り返り、CTB木田キャプテンはこう語った。
「前半は自分たちの強みであるディフェンスでプレッシャーをかける事ができ、7点に押さえたのですが、後半に入って相手のテンポの早いアタックでラインブレークされてしまいました」
立命館大の先発メンバーは上級生が中心。開幕戦から先発11~12人を3、4年生が占めている。
バックスはルーキーイヤーから出場してきたCTB木田を中心に、京産大戦ではドロップゴールも決めたSO江良楓、タックルマンでもある178センチのWTB藤井健太郎ら決定力ある4年生が揃う。
同志社大戦はフロントロー(PR百地龍之介、HO横尾太一、PR金井慎太郎)など8人中7人が4年生であり、唯一の例外は2年生のLO宮城雄真のみだった。
天理大はここまで前半の戦い方に苦しんでいる場面が散見される。前半に防御力など強みを発揮できている立命館大は、学生ラストイヤーに懸ける4年生を中心として序盤から主導権を握りたいところだ。後半にも守備網を堅持し、ロースコアに持ち込みたい。
逆に天理大は後半に強みを発揮するメンタリティ、フィットネスがある。
天理大はここまでの3試合のすべてで、後半の得点が前半を上回っている。豊富な運動量で80分間ファイトできるタフなチームだ。果たしてどんな展開が待っているのか。
注目の「天理大学×立命館大学」は、10月31日(日)午前11:35から、第1試合「関西大学×京都産業大学」に続いてJ SPORTSオンデマンド限定でLIVE配信される。
重要な折り返しの第4節。ムロオ関西大学ラグビーAリーグはこれからが佳境だ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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