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インゴールに飛び込むSH廣田瞬共同主将(天理・4年)
関西大学Aリーグ、新型コロナウイルスの影響で延期されていた、第1節の摂南大学と試合が、布引グリーンスタジアムで行われた。苦しみながらも地力を見せた京都産業大学が44-14で勝利。この試合で8大学が足並み揃えて3試合を消化。勝利した京産大は3連勝で単独首位に立った。
「前半はなかなか自分たちのミスで波に乗れなかった」と広瀬佳司監督が語るように前半は思うように行かなかった。得意のスクラムやラインアウトでプレッシャーをかけ、敵陣に果敢に攻め入り何度もゴールラインに迫るが、反則やボールロストで得点に結びつかない。そんな中、前半9分の先制点は摂南大、ラインアウトからFW(フォワード)に突破されてのトライだった。
苦しい展開の京産大だったが前半19分、敵陣でラインアウトモールを組む。モールは止められてしまうがフェイズを重ね、LO(ロック)アサエリ・ラウシ(日本航空石川・3年)がゴールポスト横にトライ。7-7の同点に追いついた。
さらに攻め込みたい京産大は23分、粘る摂南大ディフェンスに対してゴール前で何度も突進しゴールをこじ開けようとする。最後はPR(プロップ)平野叶翔(西陵・4年)共同主将がトライ、12-7と逆転に成功した。その後、33分にFWのモールからまたもトライに迫るが、ここでも反則を犯してしまい得点ならず。
そんな中でもスクラムは優勢に組み、ペナルイティを獲得して何度もゴール前に攻め込む。36分、ゴール前のラインアウトからモールを組み、今度はしっかり押し切りトライ。前半はミスに苦しみながらも19-7でリードして前半を折り返す。
後半、引き離したい京産大は6分にペナルティを獲得するとショットを選択した。まずは点差を確保しさらに攻める狙いか、京産大のゲームメイク力や冷静さを感じ取れるオプション選択だった。
その点差を生かし、ペナルティからモールなど京産大らしいアタックを続け、ディフェンスでも積極的に仕掛けプレッシャーをかける。また「後半はしっかり修正して、京産らしいゲームをできたかなと思います」と廣瀬監督が語るように前半目立っていた反則やハンドリングミスも確実に減っていた。
終始、摂南大を敵陣に閉じ込めると、14分にラインアウトモールで追加点。そして17分、今度はディフェンスから。相手ボールラインアウトにプレッシャーをかけボール奪取、アサエリ・ラウシが拾うとそのままゴールに飛び込みトライ、32-7と点差を広げた。
その後、モールから2つのトライを重ね、摂南大を突き放す。71分に1トライ返されるが、崩れることなくノーサイドを迎えた。結果は44-14と4トライ以上のボーナスポイントを含む、勝ち点5を獲得した。
ディフェンスを突破するPR平野叶翔
この3連勝で京産大は唯一全勝、関西Aリーグの首位に立った。PR平野叶翔共同主将(西陵・4年)は「首位に立ったことで浮き足立ったら絶対に勝てない。僕らはチャレンジャーの立場なので、今の順位ではなく最終節を迎えて最後に優勝するところしか見てない」とひたむきに優勝を狙う姿勢だ。
一方で「もうフェイズ212フェイズ、ボールをキープしてプレッシャーをかけたいところを、それまでに自分たちがミスをしてしまった」と廣瀬監督の語る通り、課題の出た試合でもあった。
平野共同主将は「僕たちは『進化』を掲げているので毎試合ごとに進化していきたい」と言う。この試合で得た課題を餌に「進化」する京産大は関西制覇に向けて進み続ける。
次戦は31日に奈良県・天理親里での第4節、相手は関西大学だ。天理大学、同志社大学に大差で敗戦したが、第3節で関西学院大学に勝利している。昨年は全敗に終わった関西大学、初勝利で勢いに乗って試合に臨んでくるだろう。
文/写真:出口敬介(京産大アスレチック)
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