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日体大戦で対抗戦初スタメンの大石
食うか食われるか。ラグビー関東大学対抗戦で3連覇を目指す明治大学は、最初のヤマ場を迎える。明大は3連勝こそしているが、試合内容には満足していない。3戦目の日本体育学大戦では、ミスが散見しSH(スクラムハーフ)飯沼蓮主将(営4=日川)も「0点の試合」と評するほどだった。
第4戦の相手はここまで上位校相手に好勝負を演じている筑波大学。すでに2敗しているものの、内容は決して劣らない。帝京大学戦は10点差、早稲田大学戦では7点差とわずかの差でゲームを落としている。
今年度の筑波大で特筆すべきは、驚異的なディフェンス力。例年に比べて、失点数をかなり少なく抑えている。早大戦では前半20分に早大のFB(フルバック)河瀬諒介に独走トライを許すかという場面も、しっかりと戻り切りペナルティを奪い、耐え凌いだ。
帝京大戦では帝京大得意のモールから簡単にはスコアを許さなかった。ゴール前での集中力の高いディフェンスは、間違いなく明大の前に立ちはだかるだろう。
そして例年のごとく自由に動き回るBK(バックス)陣も脅威になることは間違いない。スピードを落とさずに繰り出すステップで相手をかわすFB松永貫汰主将を中心に好ランナーが揃っている。
まず、昨年度卒業したエース・仁熊秀人の穴を埋めたのはルーキーの左WTB(ウイング)大畑亮太。慶應義塾大学戦では圧巻のランニングスキルでトライを挙げ、松永のトライをアシストする場面もあった。加速力は世代随一だ。
同じくルーキーで目立っているのがSO(スタンドオフ)浅見亮太郎。巧みなキックで確実にエリアを獲得していく。流通経済大柏高時代には複数のポジションをこなし、マルチな活躍を見せた。春シーズンは、CTB(センター)として出場も、同期のSO堀日向太のケガにより対抗戦ではSOとして活躍。キックだけではなく、ランニングや激しいタックルでも活躍を見せ、既に筑波大の欠かせない選手となっている。
ラグビー 関東大学対抗戦2021
【ハイライト】明治大学 vs. 日本体育大学
さらに早大戦で復帰したのが谷山隼大だ。昨年度はCTBを中心に出場し、体格を生かしたハイボールキャッチや力強いボールキャリーで開幕戦の慶大戦での勝利に貢献。復帰戦ではシンビンを受けて一時退場する場面こそあったが、持ち前のキャリーで早大相手に好アタックを見せていた。今試合では、右CTBでの出場が見込まれている。
他にも植村陽彦、一口直貴など粒ぞろいのBK陣だ。明大は筑波大に走らせず、チャンスをモノにさせないことが大切になってくる。筑波大はランナーは揃っているが、最後の取り切る力は課題となっている模様。早大戦でも前半にスコアできなかったことは敗因の1つに挙げられるだろう。
明大としては、キックを有効活用したエリアマネジメントがカギとなってくる。松永のDG(ドロップゴール)もあるため、可能な限り自陣22mラインに入らせないようなゲーム展開に期待をしたい。
リザーブとして復帰予定の雲山
日体大戦では左CTB廣瀬雄也(商2=東福岡)のキックで2度の50:22ルールが適用され、マイボールの獲得につながった。さらに筑波大戦では、雲山弘貴(政経4=報徳学園)が復帰予定で、得意なキックからエリア獲得を期待したい。これまでキックゲームをしてこなかった明大だが、筑波大のアタックにどう対応するかはみどころだ。
一方、明大はここまで3連勝しているが、満足のいく試合内容には程遠い。「ここ3試合のレベル感で勝てる相手ではない」(NO8/ナンバーエイト大石康太・営4=国学院久我山)。スコアはできているものの、外に展開時にミスが多く、圧倒する展開で試合を進められていない現状だ。
また、今年度チームでフォーカスしているクイックテンポでのラグビーも対抗戦では鳴りを潜めている。「キャリアが前に出られず、ブレークダウンで絡まれてしまっている」(飯沼)。ブレークダウンでのペースダウンによって、思い通りのラグビーは実現できていない。
「今年度のチームはハマったら強い」(右WTB石田吉平・文3=常翔学園)。日体大戦から2週間、チームの状態はどこまで改善されたのか。対抗戦3連覇に向けて絶対に負けられない試合が始まる。いまこそ「MEIJI PRIDE」の見せどころだ。
文/写真:田中佑太(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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