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ラグビー コラム 2021年10月22日

対抗戦の上位争いを左右する一戦。本領発揮を期す明治、筑波はシーズン前半の集大成に。

ラグビーレポート by 直江 光信
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明治大学 飯沼蓮主将(9/18 明治大学 vs. 立教大学)

関東大学対抗戦Aは、今週末にシーズンの折り返しとなる第4節を迎える。その最大の注目カードが、昨季対抗戦1位の明治大学と同5位の筑波大学が激突する10月24日の一戦だ(@セナリオハウスフィールド三郷、13時キックオフ)。

現在3連勝中の明治大学は、青山学院大学戦(52-3)、立教大学戦(68-7)、日本体育大学戦(46-10)とすべて3トライ差以上のボーナスポイントを獲得し、勝ち点15で単独首位に立っている。もっとも、いずれも相手の鋭いタックルに食い込まれてアタックが停滞するシーンが多く、スコアはむしろ伸び悩んだという印象が強い。10月9日の日本体育大学戦では海外出身選手の推進力にディフェンス面でも苦しみ、神鳥監督が「非常に反省点の多い試合」と語れば、SH飯沼蓮主将も「ゼロ点の試合でした」と厳しい評価を口にした。

10/9 早稲田大学 vs. 筑波大学

一方の筑波大学はここまで1勝2敗、勝ち点5の5位ながら、対戦した相手はみな優勝候補に挙げられる実力校だ。初戦で分厚い戦力を誇る帝京大学と際どい接戦を演じ(7-17)、昨季3位の慶應義塾大学にはブレイクダウンのバトルを制して34-12の快勝。前節は今季好調が伝えられる早稲田大学を14-21と追いつめた。ゲーム内容も上位勢と遜色ない地力を感じさせるもので、チームの充実ぶりがうかがえる。

今回の対戦でひとつのポイントになりそうなのは、そうした両者の足どりの違いだ。明治大学は下位チーム相手のスコアの開くゲームが続いており、タイトな戦いが予想される顔合わせは今節が初となる。プレーのスピードと強度が一気に上がる試合の対応にはどんなチームでも苦しむことが多く、実際に昨年度の同カードでも、慶應義塾大学、帝京大学戦を経て臨んだ筑波大学に、明治大学は終了間際まで食い下がられている(最終スコアは33-17)。

逆に筑波大学はこれが上位勢との4戦目。懸念されるのは激闘の連続によるダメージの蓄積だが、過去3戦はすべて中2週とゲーム間隔が開いており、むしろチームはもっともフィットした状態といっていいだろう。心配されたケガ人もほとんど出ておらず、開幕戦を欠場した松島聡、谷山隼大らBKの主軸の復帰でより総合力が底上げされた印象もある。そうした現時点での両校の仕上がりの差が、試合展開にどのような色をつけるのか、想像がふくらむ部分だ。

プレーで鍵を握るのはスクラムだ。メイジの看板といえばFW、なによりスクラムであり、ここでプレッシャーをかけてゲームの主導権を握ることが、勝利への一歩となる。リザーブを含めてサイズのある選手がそろうタイトファイブが攻守の起点となるプレーを制圧できれば、流れは大きく紫紺の側へ傾く。

筑波大学も当然その点は意識しているはずで、さまざまな対策を練ってくるだろう。これまでの3試合は劣勢になりながらもFW8人がよく踏みとどまり、決定的な優位性を作らせなかったことが、奮闘の要因となった。FB松永貫汰主将をはじめ決め手のあるBKのポテンシャルを存分に引き出す上で、スクラムでの善戦は絶対条件となる。

明治大学から登録メンバーを見ていくと、FWはPR山本耕生、HO田森海音、PR村上慎のフロントローに山本嶺二郎と武内慎の両LO、1年生FL木戸大士郎までは前節と同じ。7番に福田陸人が復帰し、副将の大石康太がNO8でスタメン入りした。BKはSH飯沼蓮主将を筆頭にSO伊藤耕太郎、廣瀬雄也、江藤良のCTB陣と前節同様の顔ぶれだが、WTBとFBのポジションを入れ替えてセブンズ日本代表の石田吉平が15番に下がり、松本純弥が11番、秋濱悠太が14番に入る。また、昨季サンウルブズのトレーニングスコッドに選出されたFB雲山弘貴が、リザーブながらこの秋初めてメンバーに名を連ねた。

対する筑波大学は、PR木原優作、HO肥田晃季の2人が不動で右PRには2年生の内田康介が帝京大学との開幕戦以来の先発に復帰し、110キロの小山峻哉を左LOに起用。LO八木澤龍翔、FL梁川賢吉、FL岩田真樹のハードワーカーに加えて、過去2戦はLOで出場した深山竣介が8番を背負う。BKではSH鈴村淳史、SO浅見亮太郎のHB団が4戦連続の先発出場で、昨年の明治大学戦で鮮烈なデビューを飾った谷山隼大はその時と同じ13番に入り、安定感ある松島聡とのコンビで出場。WTB大畑亮太、WTB植村陽彦、FB松永貫汰と快足トリオがバックスリーに控える。

筑波大学は今節で上位4校との対戦が終了。今後、上位勢同士が星をつぶし合えば順位が上がる可能性があるだけに、シーズン前半の集大成となるこの試合で何としても勝利を積み重ねておきたいところだろう。明治大学にとっても、この先慶應義塾大学、帝京大学、早稲田大学と続く強豪との連戦のスタートとなる大切なゲームだ。これまで不完全燃焼の戦いが続いており、後半戦へ勢いをつけるべく強い意志で臨んでくるのは間違いない。見応えある激戦になりそうだ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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