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デイブ・レニーHC(オーストラリア代表)
10月23日(土)に大分・昭和電工ドームでラグビー日本代表と対戦する「ワラビーズ」こと、オーストラリア代表(世界ランキング3位)が、試合登録メンバー23人を発表した。
好調を維持しているオーストラリア代表は現状考えられる最強の布陣で臨んできたと言えよう。日本代表とテストマッチで戦うのは2017年以来のことで、ここまではオーストラリア代表の4勝0敗だ。
夏から秋にかけてニュージーランド代表にこそ敗れたもの、2019年ワールドカップ王者の南アフリカ代表、アルゼンチン代表と対戦して4連勝中のワラビーズ。昨季からワラビーズを指導するデイブ・レニーHC(ヘッドコーチ)は「日本代表は今や世界の強豪と互角に戦えるチームです。とても速いゲームをしてくるので、それに対して一番強い布陣を用意した。また、いろんな展開に備えて臨機応変に対応できるように、ベンチメンバーも構成しました」と話した。
レニーHCは10月2日に行われたザ・ラグビーチャンピオンシップ最終戦のアルゼンチン代表戦から4人のメンバーを交替。昨季、トヨタヴェルブリッツでプレーした115キャップのキャプテンFL(フランカー)マイケル・フーパー、NECグリーンロケッツ東葛に在籍したWTB(ウィング)アンドリュー・ケラウェイ、花園近鉄ライナーズでプレーしているSO(スタンドオフ)クエイド・クーパーは先発に名を連ねた。
FW(フォワード)はLO(ロック)ダーシー・スウェインが、マット・フィリップに、FL(フランカー)ピート・サミュが、ロブ・レオタとベンチから2人が昇格、前の試合で先発した2人が控えに回った。また、この試合で出場すれば初キャップとなるHO(フッカー)コナル・マキナリーが控えに入った。
BK(バックス)は足首を負傷したCTB(センター)サム・ケレヴィ(東京サントリーサンゴリアス)をハンター・パイサミに、WTB(ウィング)ジョーダン・ペタイアからトム・ライトに変更した。
残念ながら日本でプレーするFLショーン・マクマーン(東京サントリーサンゴリアス)は隔離期間が満たないため欠場となり、1月の新リーグ「リーグワン」から、埼玉パナソニックワイルドナイツでプレーするCTB(センター)マリカ・コロインベテは、子どもが生まれたばかりということもあり、今回の日本のツアーには参加していない。
レニーHCは日本代表の印象を聞かれて「常に激しく常にペースが早い。ディフェンス的な観点から見ても、(コーチに)スコット・ハンセンも参加している。とても優秀なコーチンググループがいます。私たちは、彼らが非常によく準備し、フィットすることを知っている。日本はキックを使ってくるので、私たちもそうする必要があるだろう」と日本代表のペースの早さ、キックの使い方に警戒した。
クウェイド・クーパー
9月に4年ぶりにワラビーズに復帰し、南アフリカを下すなどチームの勝利に貢献した33歳のベテラン司令塔SOクウェイド・クーパーは「花園近鉄ライナーズのチームメイトに日本代表が2人います。WTBシオサイア・フィフィタとセミシ・マシレワです」。
「2人ともすごいフィジカルを持ったすばらしい選手です。他の日本代表選手はわからないが、日本代表はコリジョンは少ないが、ラグビーはすごくボールを動かして、ペースを上手くコントロールして見ていて楽しいラグビーをするのでタフになる」と話した。
また、SOクーパーは2017年にブリスベン・シティで一緒にプレーした日本代表CTBディラン・ライリーについて、「素晴らしい選手だと思っています。ティル(ライリー)に出場チャンスがあるといいね」。
そして、「いずれにせよ、パナソニックはトップチームですばらしいアタッカー、ディフェンダーがいるので、彼ら(ジャック・コーネルセン、ベン・ガンター)もすばらしい選手であることは間違いない。オーストラリアの選手といっしょに戦ったり、対戦したりするのは楽しみです」と笑顔を見せた。
アンドリュー・ケラウェイ
昨季、NECでプレーし、2021年のテストマッチで9試合で8トライと好調のWTBケラウェイ(レベルズ)は日本の印象について、「昨季、日本でプレーし、年間を通してコンディションが良くなった」。
「パナソニックやサントリーなど、いいチームと対戦して、トップリーグの強さ、レベルの高さ、展開の早さを感じた。それをもとに日本のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦を見ると、ワイドにボールを展開していくうまい戦い方をしていたと感じた」と話した。
後半からの出場が予想されるPR(プロップ)アラン・アラアラトア(ブランビーズ)は「今季、我々はセットプレーを非常に強化してきた。これは日本代表戦も含めたツアーにも非常に強みになるだろう」。
また、「日本代表のスクラムはとにかく低いという印象があって、さらにこの数年間で選手たちが国際舞台を経験し、日本代表としてのスクラムのスタイルが確立しつつある。(6月~7月の)ライオンズ戦やアイルランド代表戦の試合を見ていても、日本のスクラムの成長の跡が見られたし、ラインアウトも同様だ。セットプレーは日本代表の戦い方の武器になっている」と語った。
ブランビーズの一員として、サンルウルブズ戦でハットトリックを達成した経験があり、出場すれば初キャップとなるHOマキナリーは「日本代表のPR具(智元)は素晴らしいタイトヘッドプロップですし、日本は総じてスクラムが強いのでプレッシャーをかけてくる。また、後半から(クレイグ・)ミラーが出てくると思いますが、彼も非常に大きな選手で、スクラムの戦いはハードになるでしょう」と日本代表のPR陣を警戒した。
日本の「リーグワン」に所属している3選手(FLマクマーン、SOクーパー、CTBケレヴィ)が欧州ツアーに参加するのか?と聞かれてレニーHCは、「SOクーパーを欧州に連れて行くことを強く望んでいる」とコメント。
そして、「レギュレーション的には問題ないが、我々は花園近鉄ライナーズと良好な関係を結びたいので慎重に議論している。彼らも1月から大事なシーズンを控えていることは理解している。しかし、私たちは彼を連れて行くつもりだ。同じような話し合いは東京サントリーサンゴリアスともしている」と話すに留めた。
ニュージーランド出身で、ジェイミー・ジョセフHCら日本代表のコーチ陣もよく知っているレニーHCは「2019年ワールドカップや、今年のライオンズ戦、アイルランド代表戦など日本代表の試合はかなり見ました」。
「日本代表は非常に経験値が上がっていますし、コーチングの質も高く、イノベーティブな戦い方をしますし、選手の理解度も高いチームだと思っているので、私たちは勝つためにはベストを尽くさないといけません」と意気込んだ。
日本代表とオーストラリア代表の5試合目となるテストマッチは、10月23日(土)午後1時45分に大分・昭和電工ドームでキックオフされる。
オーストラリア代表 試合登録メンバー23人
※( )内はキャップ数
◆FW
1 ジェームズ・スリッパー(110)
2 フォラウ・ファアインガ(21)
3 タニエラ・トゥポウ(35)
4 アイザック・ロッダ(30)
5 マット・フィリップ(19)
6 ロブ・レオタ(2)
7 マイケル・フーパー(115)※キャプテン
8 ロブ・ヴァレティニ(14)
◆BK
9 ニック・ホワイト(43)
10 クエイド・クーパー(74)
11 アンドリュー・ケラウェイ(9)
12 ハンター・パイサミ(11)
13 レン・イキタウ(9)
14 トム・ライト(6)
15 リース・ホッジ(53)
◆リザーブ
16 コナル・マキナリー(0)
17 アンガス・ベル(12)
18 アラン・アラアラトア(50)
19 ダーシー・スウェイン(9)
20 ピート・サミュ(15)
21 テイト・マクダーモット(11)
22 ジェームズ・オコナー(57)
23 ジョーダン・ペタイア(14)
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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