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ラグビー コラム 2021年10月18日

【ハイライト動画あり】後半に真価を発揮した同志社。自慢の展開力で立命館を突き放す。

ラグビーレポート by 直江 光信
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本稿筆者選定のプレーヤー・オブ・ザ・マッチの同志社大学の共同キャプテン、SH田村魁世(9/18 同志社大学 vs. 関西大学)

同志社大学にとっては意義ある一勝だ。

前節は開幕戦で天理大学を破った近畿大学を相手に10-7と先行して折り返したものの、後半は無得点に封じられ10-24の逆転負け。そのショックを引きずるように、1週後のこの試合も前半はプレーが噛み合わないシーンが目立った。

しかし後半開始直後に見事な集中力で連続トライを奪取して主導権を掌握し、終わってみれば42-14の完勝。思うようにいかない展開にも心を乱さず、大切な時間帯に真価を発揮して難敵からきっちり白星を手にした。この勝利は、足取りのゆらぎかけたチームがふたたび力強く前進していくための貴重な一歩になるはずだ。

先にスコアを刻んだのは同志社大学だった。前半8分、中盤スクラムからのサインプレーでSO嘉納一千が左ブラインドサイドを攻め、パスを受けたWTB和田悠一郎がタックラーをはじいてラインブレイク。さらに外をサポートした嘉納へとつなぎ、悠々とゴールラインを越える。

しかし13分に立命館大学がラインアウトモールを押し切って7-7のイーブンに戻すと、その後ゲームは膠着した。風上の同志社大学はたびたび敵陣でチャンスを迎えるも、鋭く前に出てくる相手のタックルに差し込まれ、安定してアタックを継続することができない。イージーエラーやペナルティでボールを失うケースが重なり、前半終了間際の敵陣ゴール前での連続攻撃も、2人目の寄りが遅れたところでボールに絡まれて仕留めきれなかった。

地域支配率、ボールポゼッションとも優勢に立ちながら、拙攻でスコアは7-7にとどまった。さらに後半は風下に回る。イヤなムードが漂いそうな展開だったが、この日の同志社大学はここからがたくましかった。

マイボールの後半キックオフからディフェンスで激しく体を当てて立命館大学に圧力をかけると、FB山口楓斗のキックレシーブを起点にカウンターアタックを仕掛ける。FW、BK一体となった攻撃で左右に大きくボールを動かし続け、左展開できれいにオーバーラップを作ってLO南光希が7次攻撃でのノーホイッスルトライを仕上げた。

ラグビー 関西大学リーグ2021

【ハイライト】立命館大学 vs. 同志社大学

さらに44分には、相手のハイパントを好捕したNO8木原音弥が右ライン際を快走。SO嘉納-SH田村魁世とつないで70メートル近く切り返すトライを決め、一気に14点までリードを広げる。ゲームの要所である後半の立ち上がりに意思を統一して強みを生かす状況を作り出し、ミスなくトライまで結びつけて引き離す。今シーズンの同志社大学の底力が浮かび上がる場面だった。

立命館大学もここで気持ちを切らさず、65分にゴール前のラインアウトモールで2本目のトライを返す。CTB森駿太が難しい角度のコンバージョンを決めて7点差に。しかし同志社大学はこの日終始優勢だったスクラムを軸にすかさず勢いを取り戻し、敵陣で試合を進める。

そして迎えた55分。ハーフウェーライン上のラインアウトからテンポよくフェーズを重ねてディフェンスを揺さぶり、最後はWTB和田がタックラーをかわして左中間に飛び込む。取り方、取った時間帯いずれも相手にダメージを与えるトライで、懸命に食い下がる立命館大学を突き放した。

以降、流れは大きく同志社大学の側へ傾き、71分にFB山口、76分にはFL梁本旺義が守備のほころびを突いてインゴールを陥れる。結果的には後半だけで5トライを奪い、大きく点差を広げてフィニッシュした。

近畿大学戦は自分たちのミスから乱れたリズムを立て直すことができず、波に乗り切れないまま苦い黒星を喫した。その時と同じような展開から後半にきっちりと修正し、持ち味を押し出して試合を支配できたことは、同志社大学の選手たちにとって確かな手応えになるだろう。前節に続いて後半に突き放される形となった立命館大学も、残り20分まではひたむきなタックルでよく対抗できていた。劣勢を強いられたスクラムとキックを蹴ったあとの組織防御が整備されれば、まだまだチーム力は高められるはずだ。

本稿筆者選定のプレーヤー・オブ・ザ・マッチは同志社大学の共同キャプテン、SH田村魁世。的確な状況判断で常に相手の嫌がるところへボールを配し、献身的なカバーディフェンスでも存在感を示した。もうひとりのリーダーであるLO南光希とともに、確固たる姿勢でチームを勝利へ牽引した。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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