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ラグビー コラム 2021年10月10日

【ハイライト動画あり】早稲田大学、序盤のヤマ場・筑波大学戦を1トライ差で勝利。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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試合を通して安定したスクラムを組んだ

秋晴れの青空の下、ラグビー関東大学対抗戦第3節となる筑波大学戦を迎えた早稲田大学。東京・江戸川区陸上競技場で行われた今試合は、手に汗握る拮抗(きっこう)したゲームとなった。

前半は何度か好機を演出したものの、相手のプレッシャーを受け、なかなか点を取り切れない。前半終了間際まで一進一退の攻防が続いたが、ラストプレーでCTB(センター)長田智希(スポ4=大阪・東海大仰星)がトライ。

リードして迎えた後半は、安定したスクラムとBK(バックス)のワイドに展開するアタックで徐々にペースを取り戻し、2トライを追加。スコアを21-14とし、1トライ差で白熱した試合を制した。

試合開始早々、自らの反則から自陣ゴール前まで攻め込まれてしまった早大。堅実なディフェンスでボールを獲得し、素早い展開の攻撃を試みるが、前節でも光った筑波大のブレイクダウンでのプレッシャーを前になかなか敵陣に攻め入ることができない。

しかし、9分にNO8(ナンバーエイト)佐藤健次(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が相手を大きく押し返すビッグタックルを見せると、流れは一転。一気に敵陣まで前進し、スクラムでは相手に連続で反則を与えるなど優位に立った。だが、トライまであと一歩のところまで攻め込んだものの、ミスやペナルティを重ねて好機を逃してしまう。

この試合のMOMに選出された河瀬

再び自陣での攻防が続いた21分、今度は自陣ゴール前でFB(フルバック)河瀬諒介(スポ4=大阪・東海大仰星)が相手のこぼれ球に反応し、約80mの独走で大きなチャンスを作る。しかしここでもトライを取ることはできず、前半終了間際まで苦しい時間が続いた。

突破口を開いたのはCTB長田智希。48分に敵陣ゴール前のマイボールスクラムから展開し相手を抜き去ると、この日初となるトライを挙げ、7-0とリードして試合を折り返した。

前半は相手のプレッシャーを前にやや焦りも見られた早大だったが、後半は冷静沈着にアタックを重ねる。「前半、相手のプレッシャーによってできなかった自分たちのやるべきことをまずはやろう」というハーフタイムでの長田の声かけをチームが徹底。グラウンドを広く使い、着実にフェーズを重ねるという春から積み上げてきたアタックでペースを取り戻していく。

ラグビー 関東大学対抗戦2021

【ハイライト】筑波大学 vs. 早稲田大学

5分には敵陣10mラインから河瀬がゲインラインを突破すると、左サイドにいた長田がパスを受け取りグラウンディング。続く14分にも河瀬が追加点を挙げ、点差を3トライ差まで広げた。その後、筑波大の猛攻で2トライを献上したものの、最後は粘り強いディフェンスで守り切り、最終スコアは21-14でノーサイドとなった。

今試合のテーマは『ハード』。堅実なプレーで試合を展開するという点においては良さが見られた。ただ、前節でのテーマであった『アキュラシー』(精度)はどうか。

ペナルティの数は相手より少なかったものの、決定的な場面でのハンドリングミスやラインアウトの精度など、修正できればさらに点差を広げられる場面がまだまだあったのも事実だ。しかし、これまで早大の課題とされてきたスクラムは、試合を通して優勢。攻撃の起点をいくつも作る武器となった。さらに、「コミュニケーションの量が増えた」と河瀬も振り返るように、今日の試合ではFW(フォワード)とBKが互いに鼓舞し合うような声かけも目立っていた。

大学日本一を目指していく中で、今後はより苦しい試合展開も予想される。だが、今日の『我慢して勝ち切ることができた』という経験は必ず糧となり、『荒ぶる』へと前進させてくれるだろう。2週間後に控える青山学院大学戦では、さらに成長した姿を見せてくれるに違いない。

文:塩塚梨子/写真:大滝佐和(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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