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ラグビー コラム 2021年10月8日

筑波大学、早稲田大学と対戦。慶應義塾大学戦で見せた「つながり」を再び。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 筑波大学新聞
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筑波大学はラグビー関東大学対抗戦の3戦目を迎える。10月9日(土)に迫った早稲田大学戦で注目選手の1人は復帰後、初の試合となる谷山隼大(2年・福岡)だ。

谷山は昨年の対抗戦、慶應義塾大学との一戦で13番CTB(センター)として公式戦デビューを果たした。タックルを受けながらのオフロードパスでトライをアシストするなど、1年生ながら存在感のあるプレーで一躍注目を浴びた。

だが、今年3月に右肩を脱臼し、グラウンドでの練習に十分に参加することができない日々が続いていた。2週間前にコンタクト練を含む、すべての練習に復帰し、現在は身体の調子も万全で、早大戦では14番WTB(ウイング)で、スタメン出場する予定だ。

谷山は「緊張はあまりないが、体力が持つか、ミスしないかなど不安はある」と話す一方で、「昨年よりチームの戦術をよく理解することができるようになり、自分で考えてプレーすることが増えた。今年のほうがいいプレーができるのではないか」と自信ものぞかせた。

復帰後初の試合で身体を張ったプレーを見せる松島

谷山の復帰には期待が集まるが、他にも目が離せない選手がいる。嶋崎達也監督が「ディフェンスの要であり、試合の中で大きくボールを動かしてくれる」と語り、谷山とともに注目選手に挙げた、CTBの松島聡(3年・大分舞鶴)と川合カイト(4年・小山台)だ。

松島は前回の慶大戦が復帰後初の試合となった。7月末に盲腸になり、春季大会以降、練習に参加できないでいた。入院していたことなどもあり、78キロあった体重が69キロまで落ちたという。

松島は「今は7キロまで戻っているが、コンタクトや体力の面で、本調子ではないと感じる」と苦い表情を見せるも、慶大戦では復帰直後だということを感じさせず、試合終了間際にも力強いジャッカルを見せていた。

最上級生となった川合は、今年トップチームに上がってきた遅咲きのルーキー。筑波大は実力順に3つのチームに分かれており、川合は一番下のCチームから一番上のAチームに上がってきた。

対抗戦での先発出場は昨季の立教大学戦のみだったが、今季はここまで2試合連続で先発出場し、試合展開に合わせた的確なボール回しや、ディフェンスでチームの勝利に貢献している。12番で出場予定の川合は「華やかなプレーはできないが、身体を張ったディフェンスなど、チームから求められているプレーを地道に必死にすることを心掛けている」と話す。

さらに同ポジションの早大、長田智希主将(4年・東海大仰星)についても触れ、「大学ラグビーでナンバーワンのセンターともいわれる選手と戦えることは光栄なこと。尊敬の気持ちだけではなく、食ってやるくらいの強い気持ちも内に秘めている」と次戦に向け意気込んだ。

9月26日に行われた対抗戦2戦目では、34-12で慶大を3年連続で破り、勢いにのる筑波大。慶大戦について主将のFB(フルバック)松永貫汰主将(4年・大産大附)は「80分間前に出てつながるディフェンスができた。ターンオーバーからのトライもあり、ディフェンスで我慢してトライにつなげるという、自分たちがやりたいことが出せたゲームだった」と振り返った。

「前に出てつながるディフェンス」、特に「つながる」というフレーズは今年のスローガンが「Link」ということもあり、松永主将はよく口にする。だが試合後のインタビューで試合の評価できる点に「つながり」を挙げたのは今回が初めてだった。

そんな筑波大の「つながり」を感じられたプレーのひとつは、前半45分のトライに結びついたディフェンスだろう。自陣深くまで攻め込まれ、連続攻撃を受けた筑波大は身体を張った堅い守りで耐え続けた。

持ち前の俊足で対抗戦初トライを挙げた大畑

20フェイズを超えて攻防が続いた後、24フェイズ目に慶大からボールが離れた一瞬の隙にWTB大畑亮太(1年・東海大仰星)が蹴りだした。そのまま大畑がボールを追いかけ自陣から敵陣に向けて全力疾走。

もう一度ボールを蹴り、トライライン直前でボールをキャッチした。最後は相手にタックルされるも、カバーしていた松永にすぐさまパス、松永がインゴールに飛び込んだ。

ラグビー 関東大学対抗戦2021

【ハイライト】筑波大学 vs. 慶應義塾大学

また、慶大戦では帝京大学戦に続き、試合開始直後のトライや公式戦初となる大畑のトライ、松永の正確なドロップゴールも見られ、多彩な攻めに目が離せない展開となった。

先制トライを挙げたNO8(ナンバーエイト)楢本鼓太朗(3年・修猷館)は「最後、トライを決めたのがたまたま自分だっただけ。いいプレッシャーをかけてくれた大畑やゲインしてくれた(深山)竣介さん(4年・長崎南山)のおかげで取り切ることができた」と語り、アタックでもつながりを感じさせた。

早大戦では慶大戦で大活躍した大畑を始め、CTB黒澤稔生(2年・飯田)などがケガで欠場予定だが、どのメンバーでもつながりを保ち、粘り強く戦い抜く姿に期待したい。

早大は昨季の大学選手権準優勝チーム。今季の対抗戦も好調で、2試合連続の無失点で勝ち星を挙げている。筑波大は早大にここ数年大差で敗れ続けており、昨季も22-50で大敗を喫している。

簡単に攻めることができる相手ではないからこそ、慶大戦で見せた決してあきらめない筑波大のラグビーで、勝利を掴んでほしい。

文:車谷郁実(筑波大学新聞)/写真:筑波大学ラグビー部提供

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筑波大学やつくば市内のニューズを扱う、筑波大学公認の新聞。発行は年7回で発行部数は2万部以上。取材や原稿執筆、紙面の作成などは学生中心で行う。»Twitter »Facebook

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