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ラグビー コラム 2021年9月30日

ラグビー日本代表、2023年ワールドカップをターゲットにSH流大、FL徳永祥尭が代表復帰

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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代表に復帰した流

9月29日(木)、ラグビー日本代表が秋のテストマッチシリーズに向けて宮崎に集合し、合宿をスタートさせた。

今回は2019年ワールドカップメンバーから2人が日本代表に復帰した。SH(スクラムハーフ)流大(東京サントリーサンゴリアス)と、同大会では試合に出場できず、春の代表期間はケガで外れたFL(フランカー)徳永祥尭(東芝ブレイブルーパス東京)の2人がオンライン会見に出席した。

まず、2019年ワールドカップでは5試合に先発し、日本代表のベスト8に貢献したSH流。春のテストマッチシリーズは辞退したが、その理由を「昨年、夏と秋のテストマッチが中止になって準備したものがなくなって、次はどこを目指していいかわからない時期があった」。

「ワクワク感とか、日本のためにという感情が(昨季は)トップリーグ期間中は少し薄れていた。ジェイミー(・ジョセフHC)と相談し、僕の中で『身体も心も100%でないと代表に参加すべきではない』と伝えたら、『また戻ってくることを楽しみにしている』とのことでした」と説明した。

流は、昨季のトップリーグのプレーオフ決勝が終わってから完全にラグビーと距離を取り、福岡の実家に戻ってゆっくりしたり、新しく趣味となったゴルフをしたりしたという。テストマッチもライブで見ることなく、あとで見たほどだった。

また、オフを取る中で「(コロナ禍で)厳しい状況に置かれている子どもたちがいることも理解していた」という流は、オンラインだけでなくオフラインも含めて、積極的に子どもたちが参加するイベントを企画。

帝京大学の後輩にあたるNO8(ナンバーエイト)姫野和樹ともイベントを行った。「参加者も多かったですし、キラキラした子どもたちがいるのがわかっていた。実際にやってみて良かったし、僕たちも子どもたちと過ごすことでパワーもらえた。やってよかった」と破顔した。

6~7月、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、そしてアイルランド代表戦とのテストマッチを見た感想を聞かれて、流は「9番のポジションで出た選手は良かった」。

「(齋藤)直人も(茂野)海人さんもできることをやったと思います。トライの取られ方が簡単だったので、ディフェンスのオーガナイズのところはどうだったのかなと気になりましたが、ボールのテンポとか、キックで多少ミスがあったりしたが、チームの戦術にあったことができていた」と振り返った。

サントリーでも後輩にあたるSH齋藤に関しては、「能力があることをわかっていたし、一緒にプレーしていて素晴らしい選手だとわかっていたので、あれくらいプレーするのが普通だと思っていました。これからライバルになりますが、一緒に頑張っていきたい」と話した。

帝京大学の後輩であるSH荒井康植と含めた他の3人とのライバル争いに関しては「経験の部分では他の選手と比べて少しあるかなと思いますが、前回、代表とテストマッチからも離れてアドバンテージはまったくない。何も保証されていないので、もう1回チャレンジしたい。新しい選手もたくさんいるので、オフフィールドでもコミュニケーションとっていい方向に向かっていきたい」と意気込んでいる。

オフ期間にラグビーから離れたことで流は、「チャンスがあれば代表に行きたいという思いが芽生えて、トップリーグも最終的には負けていましたが、充実したシーズンを送れたので、また新たに代表で頑張りたい。今回、代表に来たからには2023年ワールドカップが最大のターゲットなので、そこがモチベーションになっています」と語気を強めた。

ケガから復帰の徳永

もう1人のFL徳永祥尭は、春はケガのために代表活動に参加せず、2019年ワールドカップ以来の復帰となった。アゴの骨を骨折し復帰したが、また同じ場所をケガしてしまい、昨季のトップリーグでは2試合の出場にとどまった。

徳永は率直に「ケガしていたこともあって、今回、呼んでもらえたのは素直に嬉しい。昨季2試合しか出ていなくて、その中で限られた2試合で、いいパフォーマンスをしようとしたが、運の部分が大きかった。スコッドに名前が上がったとき、メニューだとかフィットネスの目標値を達成できるように努力しました」と話した。

また、久しぶりに代表活動に参加して「チームとして雰囲気がいい。個人的には来る前日はドキドキして気分悪くなったりすることが多々ありますが、来たらファミリー感があり『久しぶり』と言ってくれたり、新しいメンバーには自分から自己紹介したり、ウェルカムの雰囲気大好きです」と声を弾ませた。

新しい選手も加入しており、バックロー(FL/NO8)は相変わらず、ポジション争いが激しい。徳永は「シンプルにラグビーを楽しみたいというのはあります。トップレベルに呼んでもらえること自体、恵まれているので、その中で楽しみながら自分のスキルを上げていきたい」。

「また、バックローは激しく身体を当てないといけないポジションなので、その部分では絶対前に出て、その中でもスキルを使っていかないといけない。まず自分が最初に動くということを意識してやっていきたい」と腕を撫した。

NDS(ナショナルディベロップメントスコッド)の1人として合宿に参加した、19歳の東芝の後輩LO(ロック)/FLワーナー・ディアンズに関しては「セットプレーは身長がでかいので期待できます。才能もある」。

「あとパワーも強くてウェイトも好きですし、自主的にやってくれるので一緒にやっていて力強いプレイヤーだと思います。これだけ早くに高いスタンダードのラグビーを知れるのは、彼にも東芝にもメリットしかない、ありがたいこと。何かしら、東芝に足りないことを一緒に持って帰れるようにしていきたい」と話した。

秋のテストマッチシリーズでは、徳永が2019年ワールドカップで対戦できなかったアイルランド、スコットランドとも対戦するが、「相手がどこでも出たい気持ちが変わらないので、そこに向けて準備をしっかりするだけ」。

そして、2023年に向けては「この2年間、代表活動に参加できなくて、またレベル高いところでラグビーできることを楽しみたい。それが自分にとって一番成長できるし、いろいろ気づけると思うし、いい時間になる。この2年間、ケガをしまくったので、今やることだけを必死にやるだけです」と前を向いた。

リーダーの1人として、ワールドカップではオンフィールドでもオフフィールドでもチームを引っ張ったSH流の復帰は、ポジション争いが激化するとともに、すぐに代表チームにいい影響を与えるはずだ。

また、徳永はワールドカップで試合に出られなかった思いとケガで出場できなかった悔しさを糧に、再び、桜のジャージーを着てコーチ陣に大きなアピールをしたいところだ。

文:斉藤健仁

◆日本代表 スケジュール

・ 9月29日(水)~10月16日(土)宮崎合宿
・10月16日(土)~10月27日(水)別府合宿

・10月23日(土)日本 vs. オーストラリア(大分)
・11月 6日(土)アイルランド vs. 日本(ダブリン)
・11月13日(土)ポルトガル vs. 日本(リスボン)
・11月20日(土)スコットランド vs. 日本(エディンバラ)

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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