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昨年度の対抗戦で黒星をつけられた相手に勝利を飾れば以降の試合にさらなる弾みがつくはずだ。今回のコラムでは対戦相手の筑波大学の戦力を分析しつつ、次戦の展望をお伝えしたい。
嶋崎達也氏を監督に迎えて3年。筑波ブルーを身に纏った戦士たちは新たな戦力を加え、次なる境地へ羽ばたこうとしている。昨シーズンチームを牽引した岡崎航大や仁熊秀斗ら好プレーヤーが卒業したものの、今シーズンの筑波大はルーキーが躍動し、その穴を埋める。
初戦の帝京大学戦においてSO(スタンドオフ)浅見亮太郎は1年生ながら物おじせず、キックを用いてうまく試合を運び、チャンスメイクした。ほかにも帝京大戦で低いタックルを幾度となく決めたFL(フランカー)倉井瑛志や、華麗なランと鋭く突き刺さるタックルで攻守にわたって活躍したWTB(ウイング)大畑亮太など、のびのびとしたプレーで多くのフレッシュマンが存在感を発揮した。
筑波大も守りからリズムを掴むチーム
上級生も負けてはいない。すべてのプレーにおいて抜群の安定感を誇るFB(フルバック)松永貫汰主将のほかに、ディフェンスのキーマンFL(フランカー)楢本鼓太郎やファンタジスタWTB(ウイング)植村陽彦ら能力の高い選手たちが肩を並べる。
また、慶大が練習試合で敗戦を喫した帝京大には初戦で敗れたものの、7-17と僅差に迫り、その仕上がりを見せつけた。
特に立ち上がりの勢いと帝京の猛攻を何度も防いだ、出だしの早いディフェンスには警戒を要する。前回、筑波大はキックオフ直後に電光石火でトライをとり、ゲームの主導権を握った。
一方、慶大は前回の日本体育大学戦で立ち上がりに苦戦し、得点をなかなか重ねることができなかった。試合の立ち上がりでどちらが主導権を握れるかに試合の命運は左右されるだろう。
筑波大の強力なディフェンスに対しても、慶大が今年度目指すバリエーションの多いアタックを披露すれば的を絞らせにくく、有効ではないかと思われる。そのためには「規律」を正してミスなく、テンポよく攻め続ける必要がある。我慢の時間は長くなる。いかに集中力を切らさずプレーし続けられるかがカギとなる。
前試合を終え、慶大としてはFW(フォワード)からの得点を多く重ねられたことに相当の自信を得たはずだ。今後も強固なディフェンスを継続しつつ、どこからでもトライを狙う姿勢を維持すれば隙のないチームになるだろう。前の試合、FWからは田中慶伸(総4・桐蔭学園)と高武俊輔(総3・尾道)がトライを決めており、引き続き攻守のキーマンになりそうだ。
奇しくも「固い守りからリズムを作り、チャンスをつくる」という同じ形を強みとする両チーム。「守り」の代名詞をかけたプライドのぶつかり合いに目が離せない。
文:黒川心平(慶應スポーツ新聞会)/写真:慶應スポーツ新聞会
慶應スポーツ新聞会
慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト
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