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帝京大学(9/12 対筑波大学)
9月12日(日)に開幕した関東大学対抗戦A。
春季大会Cグループで1勝2敗だった青学大は、8月の夏合宿で中央大学に42-31で勝利するなど経験を積んできた。
迎えた明治大学との対抗戦初戦は、前半最初のウォーターブレイクまでは3-0でリード。序盤のモールディフェンスなど守備が冴えた。
「ディフェンスはフォワードを中心に序盤は前に出ることができました。そこは例年と比べて頑張れました」(青学大・SO桑田宗一郎キャプテン)
青学大は上級生をはじめ、千葉・八千代松陰高出身のルーキーFL小川智大など、全員が磨いてきたタックルで圧力をかけ、速い判断を迫られた明大はミスが続いた。
明大は前半36分にレッド-カードで14人になったが、次第に体力勝負で上回り、青学大は最終的に3-52の大量失点。帝京大戦では反省を活かし、守備の一貫性を保ちたいところだ。
青学大は明大戦から先発2人(FW1人、BK1人)を変更した。
ルーキーFL小川に代わって4年生のFL中谷玲於が入り、バックスでは衣笠竜世が14番の先発を任された。
その他の先発13人は変わらず、スクラムでも存在感を示すHO相根大和、明大戦ではジャッカルも見せたLO清原裕揮らが先発。FW8人中7人が上級生であり、フィジカル自慢の帝京大にしっかり対抗したい。
BKも先発7人中6人が上級生となり、ハーフ団はSH宮下賢志と、名実ともに大黒柱のSO桑田キャプテン。安定感ある身長183cmのFB黒木陽斗にも注目したい。2人は桐蔭学園の同期だ。
一方、連勝を目指す帝京大。
春季大会はBグループで3戦全勝。6月13日の明大戦(32○28)、27日の東海大学戦(35○31)と強豪相手に接戦をものにした。
長野・菅平では、早稲田大学に敗戦(24●40)を喫したが、慶應義塾大学(43○26)、天理大学(40○14)には勝ち切った。
迎えた対抗戦初戦の相手は、帝京大に強烈な対抗意識を燃やす筑波大学。
厳しいファーストタックル、テンポを遅らせるチョークタックル、そして鋭いブレイクダウンワークに苦しめられたものの、帝京大は前半30分過ぎに強力スクラムでのペナルティ奪取から、ラインアウトモールで勝ち越しトライ。後半にPGを加えて17-7で逃げ切った。
「筑波大学さんがタックル、ブレイクダウンのコンタクトの場面で前に出てくることはわかっていたのですが、わかっていても受けてしまうところがたくさんあり、タフなゲームになりました」(帝京大・PR細木康太郎キャプテン)
早い段階でタフなゲームを経験できたことは好材料だろう。収穫と課題を今後にどう活かしてくるのか。
帝京大の先発メンバーは前戦から4人(FW3人、BK1人)が変更。
青学大のSO桑田キャプテンと帝京大の細木キャプテンは共に桐蔭学園出身だが、細木キャプテンはリザ-ブに下がり、熊本西高出身の2年生PR上杉太郎がスタメンを任された。ゲーム主将はCTB押川敦治が務める。
残りの3人は期待のルーキーだ。
京都成章高出身で192センチのLO本橋拓馬、桐蔭学園出身でスキルも多彩なFL青木恵斗、大阪朝鮮高で花園ベスト4を達成したSH李錦寿だ。
上級生中心の青学大とは対照的に、帝京大のFW8人中6人は下級生(2年生4人、1年生2人)。ただ6人はHO江良颯やNO8奥井章仁(共に2年生)など規格外であり、フィジカルは問題にならないだろう。
かたやBKは先発7人中6人が上級生。3年生のSO高本幹也は大阪桐蔭で日本一を経験しているプレーメーカーだ。経験値を活かしてゲームをコントロールしたい。
筑波大戦では公式戦初先発だったという前田翔哉が先発SHを任され、今回の青学大戦ではルーキーのSH李がゲームコントローラーの一人になる。果たしてどんなプレーを見せてくれるのか。相手のプレッシャーが予想されるだけに注目だ。
青学大は磨きをかけているタックルで真っ向勝負したい。また帝京大が強みとするセットプレーに対して激しく対抗したい。特に帝京大のスクラムは凄味を増しつつある印象であり、勝負所のひとつだろう。
試合は東京・上柚木公園で観客を入れて開催される。しかしチケットは完売とアナウンスされている。当日券販売はない。
注目されている「青山学院大学×帝京大学」は、9月25日(土)午後0:20からJ SPORTS 4で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
関東は次第に秋風が心地よくなり、いよいよラグビー観戦が楽しい。コロナ禍の各種マナーを守りながら、本格到来するラグビーシーズンに没入したい。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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