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ラグビー コラム 2021年9月21日

ラグビー日本代表、オーストラリア戦、欧州遠征に向け候補選手39名を発表。ワールドカップ組から流大、徳永祥尭が復帰

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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日本代表の藤井雄一郎NTD

9月21日(火)、2021年秋シーズンの日本代表候補選手39名と、NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)5名が発表され、ラグビー日本代表の藤井雄一郎NTD(ナショナルチームディレクター)が登壇し、メディアブリーフィングが行われた。

WTB(ウィング)/FB(フルバック)松島幸太朗(クレルモン)は欧州遠征から参加予定で、44名の選手全員が29日から行われる宮崎合宿に参加し、10月23日(土)のオーストラリア代表戦に向けて準備を加速させていく。

なお、当初は練習試合を含めて国内で2試合の予定だったが、コロナ禍の影響で1試合となり、キャプテンは未定で今後発表される。欧州の遠征メンバーは36名ほどの予定だ。

藤井NTDは冒頭、「すでに各選手には個別のメニュー配って準備はできている。来週、集まって次のオーストラリア戦に向けて全員で準備していきたい。新しい選手や復帰した選手もいるが、6月、7月のテストマッチ後に、試合を見る機会がなかった。サンウルブズの試合もないので、今回、NDS(将来日本代表に選出される可能性をもった人材)という形で若い選手を呼んだ」。

「今後、できる限り試合がない場合は呼んでいきたい。次の世代を担う選手たちにもいろんな経験を積ませたいと思って多めにセレクトした。準備期間もコロナの影響で少ないが、チーム一丸となってヨーロッパ遠征で戦えるように準備していきたい」と話した。

また、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は日本ラグビー協会を通して「今秋のツアーに向けた日本代表候補を発表できることを大変嬉しく思います。メンバーはこの夏の間、トレーニングプログラムを行い、宮崎と別府でベストなコンディションに持っていけるよう、非常に良く準備をしてくれました」。

「夏のツアーを経験したことで、今後の試合に向けてチーム内には大きな期待と興奮が広がっています。今回のチームは、若さと経験がしっかりと組み合わされており、グループ全体に強さと深さがあります」。

「何人かの若い選手は初めてチームに合流となります。我々はこのグループには可能性があり、今後の日本のラグビー界で一緒に活動していきたいと考えています。これらの選手から最終メンバーに選ばれることも十分にあり得ます」。

「これからの試合では、ホームとアウェーの両方で、非常に厳しい相手と戦うことになります。世界の強豪チームとコンスタントに対戦することは、2023年のフランス大会に向けて必要な準備となるでしょう」とコメントした。

2019年ワールドカップメンバーから、SH(スクラムハーフ)流大、FL(フランカー)徳永祥尭は代表候補に復帰したが、HO(フッカー)堀江翔太(埼玉パナソニック)の名前は今回もなかった」。

そのことに関して藤井NTDは「(何人かの選手は)ワールドカップ直後にトップリーグも大変で、体調管理だったり、モチベーションだったり少し充電期間必要だということでした。ずっとコミュニケーションを取っていて、徐々に復活する選手が増えてくる。流もその中のひとり。次のセレクションには、コミュニケーションを取っているので、徐々にそういう選手が増えてくる」と説明した。

また、WTB/FBゲラード・ファンデンヒーファー(クボタ船橋・東京ベイ)に関しては、3年居住のエイジビリティー(代表資格)の関係で、今回は代表入りできなかったという。逆にCTB(センター)ディラン・ライリーは、今秋は代表資格が得られたため、代表候補入りした。その他、ケガの都合で呼べなかった選手はいないが、家庭の都合で召集できなかった選手が数人いたという。

SO(スタンドオフ)のポジションに関してはワールドカップ時と同様、田村優、松田力也の2人のみで、NDSにもSOのポジションの選手は見当たらない。それに関して、藤井NTDは「ポジションチェンジも考えている。今、コーチ陣の中には何人かの選手が頭に入っている」と説明した。

結局、秋のシリーズではワールドカップの予選プールと同じ4試合のテストマッチが組まれている。得に、欧州遠征ではアイルランド代表、スコットランド代表という格上とアウェーで対戦する。

藤井NDTは「戦術、戦略よりもアウェイで勝たないといけない。アウェイで自分たちの力を出せるのかというところと、チーム全体でそこのアウェイで起こるイレギュラーなところに対応できるか、いろんなスキルを学んでいかないといけない。テストマッチなので、ワールドカップうんぬんよりも、代表としてのプライドを出していくことが大事」と語気を強めた。

また、ポルトガル代表とのマッチメイクに関しては「狙い撃ちしたのではなく、ポルトガルしかなかったのが実際のところ。アイルランド代表、スコットランド代表戦は勝利最優先で、ベストメンバーでいきたい」。

「1人、2人は新しい選手が出る可能性あるが、テストマッチをすべての選手に経験させるためには、1つランクを下げたチームと対戦したいという思いがあった。こういった試合が組めたことは良かった」と話した。

今回の代表候補合宿では、次の世代を考慮して「若い選手をみてみたい」とNDSとして5人の若手が招集された。当然、パフォーマンス次第では代表候補に昇格する可能性もあるという。

「次の世代を上手く、ポジションも含めて入れ替えてしていきたい。彼らも次のワールドカップに出られる可能性も十分あると思うので、どのくらいのエネルギーを持っている、この合宿で見てみたいと呼んだ」。

「ディアンズ(・ワーナー)は、あのサイズは日本人も代表の中にもいない。福井(翔大)はトップリーグにも出ています。将来、代表に絡んでくる選手なので、早い内に招集していろんな経験を積んでほしい」。

若手の育成に関して、藤井NTDは「若い選手だけで海外に遠征するとか、若い選手だけで日本で2チーム、3チーム作って日本で試合をするとか計画としてはリクエストしています」と付け加えた。

すでに日本代表候補やNDSに関して、菅平での合宿はできなかったものの、トレーニングをしてもらっているという。藤井NTDは「個別にメニューを渡して、数値も上がってきている。宮崎で最初からトップでいけるんじゃないかな。各コーチ陣がそれぞれの地域に出向いて、その状況を把握していた。本来、求めていたものに近い結果が出ているのではないかなと思います」と話した。

藤井NTDは最後に「もちろん勝利を優先で考えているが、中身がすごく重要であるというのと、テストマッチをこなすとき、常にどんな相手でも同じパフォーマンスができるか。今回、久しぶりに南半球勢とやるのも含めて、自分たちがどの位置に立っているかをしっかり見極めていきたい」と意気込んだ。

ワールドカップまであと2年あまり。今秋のシリーズは、ラグビー日本代表にとっては貴重なテストマッチ4試合となろう。

文:斉藤健仁

◆日本代表 スケジュール

・ 9月29日(水)~10月16日(土)宮崎合宿
・10月16日(土)~10月27日(水)別府合宿

・10月23日(土)日本 vs. オーストラリア(大分)
・11月 6日(土)アイルランド vs. 日本(ダブリン)
・11月13日(土)ポルトガル vs. 日本(リスボン)
・11月20日(土)スコットランド vs. 日本(エディンバラ)

◆2021年秋シーズン ラグビー日本代表候補39名

【FW:23名】

PR 稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/36)
PR ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ/16)
PR 垣永真之介(東京サントリーサンゴリアス/9)
PR 具智元(コベルコ神戸スティーラーズ/15)
PR 中島イシレリ(コベルコ神戸スティーラーズ/8)
PR クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/2)
PR 森川由起乙(東京サントリーサンゴリアス/0)
HO 坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/23)
HO 庭井祐輔(横浜キヤノンイーグルス/8)
HO 堀越康介(東京サントリーサンゴリアス/3)
LO ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪/18)
LO ジェームス・ムーア(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安/10)
LO リアキ・モリ(横浜キヤノンイーグルス/0)
FL 小澤直輝(東京サントリーサンゴリアス/4)
FL ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
FL ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/2)
FL 徳永祥尭(東芝ブレイブルーパス東京/12)
FL 長谷川崚太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
FL ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/10)
FL リーチ マイケル (東芝ブレイブルーパス東京/70)
NO8 テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス/5)
NO8 アマナキ・レレイ・マフィ(横浜キヤノンイーグルス/29)
NO8 姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ/18)

【BK:16名】

SH 荒井康植(横浜キヤノンイーグルス/0)
SH 齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス/2)
SH 茂野海人(トヨタヴェルブリッツ/12)
SH 流 大(東京サントリーサンゴリアス/24)
SO 田村 優(横浜キヤノンイーグルス/65)
SO 松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/25)
CTB シェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安/1)
CTB 中村亮土(東京サントリーサンゴリアス/26)
CTB ラファエレ ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ/25)
CTB ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
WTB 高橋汰地(トヨタヴェルブリッツ/0)
WTB ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/0)
WTB シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ/2)
WTB レメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛/15)
WTB/FB セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ/1)
FB 山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ/19)

◆ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)5名

PR 淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ/0)
HO 武井日向(リコーブラックラムズ東京/0)
LO/FL ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/0)
FL/NO8 福井翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
WTB 中野将伍(東京サントリーサンゴリアス/0)

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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