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昨季は対抗戦2位、大学選手権では順調に決勝まで勝ち進んだが、優勝をかけた天理大学戦で圧倒され完敗し、悔し涙をのんだ。その悔しさを胸に『Be Hungry』のスローガンを掲げ、挑戦者として臨む今年度。
指揮官として新たに大田尾竜彦監督(平16人卒)を迎えてスタートした春は、以前とは大きく異なるラグビースタイルへの適応のシーズンとなった。昨年度の選手権決勝で浮き彫りになった、ブレイクダウンの課題を解決するべく、『脚のチカラ』にフォーカス。
さらに新しくレスリングの練習を取り入れ、スクラム強化のために首のトレーニングを始めた。変革を遂げたのは練習内容だけではない。アタックでは今までよりもFW(フォワード)とBK(バックス)の連携が増え、スクラムではフロントローだけでなく、FW8人全員で押す意識づけなど、大田尾監督により様々な改革が成された。
新体制にとって初の公式戦となる関東大学春季大会の初戦は、東海大相手に26-48と敗戦。しかし、その後は日本大学に31-17で勝利し、春の取り組みの成果が徐々に実感できるシーズンとなった。
そして夏。2年ぶりに行われた菅平合宿では、『No Excuse』をテーマに掲げ、チームの本格的な磨き上げに取り掛かった。合宿中に行われた同志社大戦、帝京大戦、明大戦では全勝。フェーズを重ねてトライを取るアタックや、ディフェンスでも相手を仕留める場面が多く見られるなど、夏の成長を感じさせる試合内容だった。
スクラムではまだ劣勢の場面が多いが、明大戦ではスクラムを起点としたトライを挙げるなど、春から積み上げてきたものの成果は着実に現れている。課題となるのはディテールの部分。15人それぞれが80分間こだわりぬき、最後まで相手に主導権を握らせない試合を展開したい。
春季大会、東海大戦で突破を図る槇
対抗戦や選手権で、のちに対戦相手となるであろうライバル校に勝ち切ったこの3連勝で、チームの士気は確実に上がっている。
昨年度の対抗戦初戦は、青山学院大学相手に一時、1トライ差に詰め寄られるなど苦戦。コロナ禍で実戦経験が詰めなかったことが大きな要因ではあるが、立ち上がりに不安が残った。それだけに立大戦では夏までに積んだ経験をしっかりと出し切りたいところ。
立大は春季大会3戦全敗と理想的な結果を残せていないが、今年度のチームスローガンである『EXCEED』をもとに、春の課題を修正し、強い覚悟を持って早大に挑んでくるだろう。昨年度の対抗戦では46-7と圧勝した早大だが、今年も結果、内容ともに充実した勝ち星を手に入れたい。
今年は昨年に引き続き、新型コロナウイルスの影響で先行き不透明な部分も多い。困難な状況が続くが、早大ラグビー部の目指すものはどんな状況でも変わらず『荒ぶる』のみだ。そのためには対抗戦の一戦一戦に向き合い、進化を遂げることが必要不可欠。まずは立大戦の80分間を全うし、開幕戦を実りあるものにできるか。
文:塩塚梨子/写真:大滝佐和(早稲田スポーツ新聞会)
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