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「優勝したい」と押川
さまざまな想いを胸に今年は春から一味違う姿を見せている帝京大学。「優勝という経験をしてない分、貪欲に優勝したい、勝ちたい、という気持ちがある」。そう話すのは副将のFB(フルバック)押川敦治(4年=京都成章)だ。
今年の4年生が1年生の時に大学選手権の連覇が止まってしまった。春季は今まで積み上げてきたものを十分に発揮しながら、最高学年として引っ張っていく4年生の今年にかける思いの強さがうかがえた。
9月12日から始まるラグビー関東大学対抗戦。昨年は対抗戦を4位で終えた帝京大学は、2季ぶりに開催された関東大学春大会で初のBグループからのスタートを全勝で終えた。
さらに、6月13日に行なわれた招待試合では、同じく春季大会のAグループで全勝した明治大学にも4年ぶりに勝利した。前回の勝利は4年前の9連覇をした2018年の大学選手権決勝。この春を全勝で終え、王座奪還に向けて弾みをつけた。
チーム全体の勝ちへの気持ちやフィジカル、スキルの高さを強みとしている帝京大。選手たちに今春を振り返ってもらうと意外な言葉がでてきた。
突進する細木主将
主将のPR(プロップ)細木康太郎(4年=桐蔭学園)は「漠然と強くなろうという思いで練習していた」と、全勝という良い雰囲気でシーズンを終えることができたが、課題は明白で「チームが1つになりきれていなかった」と話した。
SO(スタンドオフ)高本幹也(3年=大阪桐蔭)やFL(フランカー)山川一嵯(3年=常翔学園)も同じように感じていたことを口にした。
そんな中で迎えた夏合宿。春にやってきたことを落とし込んでいく練習を主としておこなった。また、プレーをしている中での曖昧さを無くし、きちんと判断して行動することを目標とした。さらに、連携の面でもレベルアップするためにFW(フォワード)とBK(バックス)が別々に練習するのではなく、共に練習することで一体感を高めた。
細木はそんな夏合宿を経て、「秋の本番のシーズンになってくると緊張感だったりで、下級生には少し難しいマインドの作り方というところがあって、選手によってはスイッチを入れ切れてない部分があった」と冷静にチームを分析した。
しかし、筑波大学戦に向けての練習が始まると、「ようやくスイッチが入ってきた。相手を見ることによって目標が明確になるので、みんなのやる気が違う」と、秋が始まる直前でのチームの変化を肌で感じているようだ。
選手の層の厚い帝京大で目が離せない選手は4年生だけではない。HO(フッカー)江良颯(2年=大阪桐蔭)や、NO8(ナンバーエイト)奥井章仁(2年=大阪桐蔭)はもちろんのこと、1年ながらレギュラーメンバー入りを果たしているLO(ロック)青木恵斗(1年=桐蔭学園)、やLO本橋拓馬(1年=京都成章)などがさらに追い風を起こす。
去年の対抗戦での筑波大学との試合は54-17で帝京大が勝利を収めている。今年も同じように勝利して次ヘのステップへと足を進めることになるだろう。王者奪還する帝京大の勇ましい姿がみれるのではないだろうか。
文:亀ヶ谷沙希/写真:臼井塁(帝京スポーツ新聞部)
帝京スポーツ新聞部
1996年創刊。帝京大学体育局所属の公認クラブにして唯一の学生新聞。ラグビー部をはじめ、柔道部、空手部、野球部など帝京大体育局の情報を年4回の発行で熱く伝える。現在部員13名で活動。 Twitter @teikyo_sports
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