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春季トーナメントを制した同志社
この春、同志社大学が関西の頂に立った。大学王者・天理大学を制し、関西大学春季トーナメントで優勝。長らく優勝から遠ざかっていた中、ついに勝利をつかみ取った。関西セブンズに続き、春シーズンを二冠で締めくくる。無念の大学選手権辞退となった昨季を糧に、一丸となって突き進んできた成果が実を結んだ。
創部初となる共同主将制が取り入れられ、始動した同志社大学ラグビー部第111代。昨年度の大学選手権は、関東勢が長く覇権を握っていた中で、関西大学Aリーグに所属する天理大が制した。関西勢にとって新たな局面に入り、新時代の訪れを感じる。紺グレも新たな体制とともに、準備を重ねて春シーズンに臨んだ。
「同志社の復権を」。幾度となく言われ続けたこの言葉が現実味を帯びてきた。天理大に勝利したのは2015年秋以来、6年ぶり。目標に掲げる「日本一」に一歩近づいた。ノーサイドの笛が鳴るのと同時に、選手たちは喜びを爆発させる。勝ったことへの興奮と、自分たちのしてきたことが通用した自信を感じさせる誇らしげな表情だった。
天理大学戦、トライを上げて喜ぶ同志社
試合はディフェンスが勝負の鍵を握った。「勝てるかもではなく、勝つつもりで臨んだ」(LO/ロック南光希・スポ4)。この言葉を体現するように、試合を通して強豪・天理大に臆する様子は全くなかった。
むしろ、常に前に出る同志社が天理大を圧倒する。低く前に出るタックルで天理大に思い通りのプレーをさせない。大型選手に対しては、2人以上で対応し突破を許さなかった。孤立した選手を作らないことで確実にボールをキープし、敵陣に果敢に攻め込む。FW(フォワード)に限らず、BK(バックス)も力強いプレーを見せた。
昨年度、大学日本一に輝いた天理大を制したことに、紺グレファンも沸き立った。今年の同志社は一味違う。待ちに待った瞬間に鳥肌が立つのを感じた。しかし、「僕らの目標は秋シーズンで関西優勝して、日本一が最終目標」(SH/スクラムハーフ田村魁世・スポ4)。ここで終わるチームではないことを宣言し、さらなる成長を誓った。
大きく成長するべく夏を迎える。春の勢いそのままに、ただ「日本一」だけを見つめて走り出した。チャレンジャーとしての立場から、一躍追われる側の立場に変化。天理大や京都産業大学をはじめとした各校が猛追してくる状況となった。秋季での優勝は決して確実ではない。一段と気を引き締め、日々鍛錬を重ねる。
夏合宿ができず、実践的な試合数で他校に遅れをとった。それでもできることをするしかない。春で意識したブレイクダウンやディフェンスをさらに強化。とにかく基礎を固めて土台づくりを行う。1つ1つの丁寧なプレーが勝機をつくることは、春シーズンで証明された。「試合は練習しか出ない」(伊藤紀晶ヘッドコーチ)。目の前の課題と向き合い続け、来る試合に備えている。
新チーム始動後も同じだった。長い準備期間があったからこそ、互いに刺激し合う組織の強みを生かした戦い方が、春シーズンで強固なものとなった。順風満帆には行かない状況でも、ピンチをチャンスに変えるのが紺グレだ。
たとえ高い壁がそびえ立とうとも、ひた向きな努力とチーム全員の力で越えられる。天理大の漆黒の壁をついに越えられたように、自分たちの限界を突破し、春王者として秋リーグへと挑む。
文:米澤千種(スポーツアトム編集局)
同志社スポーツアトム編集局
同志社スポーツアトム編集局は1978年に創刊された同志社大学唯一の体育会機関紙です。年6回の本紙の発行を軸に、号外の発行やHPの管理などをすべて学生の手で行っています。
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