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オンラインで行われた会見
9月6日(月)、関東大学対抗戦グループAと関東大学リーグ戦1部、16大学の指揮官による共同記者会見が行われた。
対抗戦からは3連覇を狙う明治大学、早稲田大学、慶應義塾大学、帝京大学、筑波大学、日本体育大学、立教大学、青山学院大学の8校の監督、HC(ヘッドコーチ)が登壇した。
今季は対抗戦、リーグ戦ともに勝ち点制で行われる。勝ち=4点、引き分け=2点、負け=0点。さらにボーナスポイントもあり、相手に3トライ差をつけるか、7点差以内の敗戦でも1点を得る。
なお、対抗戦、リーグ戦ともに各校7試合行われるが、各校が4試合以上行った場合はリーグが成立し、下位リーグとの入替戦も実施される。各大学の開幕戦は以下の通り(いずれも無観客試合)。
◆9月12日(日)
・12:30 帝京大学 vs. 筑波大学 熊谷
・15:00 早稲田大学 vs. 立教大学熊谷
・15:00 青山学院大 vs. 明治大学 明治大G
◆9月18日(土)
・15:00 慶應義塾大学 vs. 日本体育大学 秋葉台
明治大学 神鳥裕之監督
3連覇を狙う明治大学の指揮官は今季、田中澄憲監督から新たにリコーブラックラムズを率いていた、OBの神鳥裕之監督が就任した。
就任1年目の神鳥監督は「やるからにはそこ(3連覇)を目指していきたい。(強みは)FWのセットプレーです。アタックマインドがあるチームなので、しっかりクイックテンポで攻めていきたい。また、春からフィットネスに取り組んできているので、いちばんきつい残り20分で相手を上回れるタフさもあります」と自信をのぞかせた。
東京オリンピックに出場していたWTB(ウィング)石田吉平(3年)はすでにチームに合流しており、菅平合宿にも参加。練習試合にも出場している。神鳥監督は石田について「能力ある選手です。これまでセブンズの時間が長かったが、少しずつ15人制の時間を増やして、シーズンが深まるにつれてチームの中心選手になってほしい」と期待を寄せた。
早稲田大学 大田尾竜彦監督
昨年度2位だった早稲田大学も、相良南海夫監督から新たに、ヤマハ発動機でコーチを務めていた元日本代表SO(スタンドオフ)の大田尾竜彦監督が就任した。
「FW(フォワード)の主力が抜けたので、若手や昨年度出ていない選手やポジション変更をしてチーム作りをしている。どうなるかわからないが、精一杯やっています。キャプテンCTB(センター)長田(智希)は、口数は多くないが、態度で引っ張っていける。(13番から12番に)ポジションが変わっても、どこでも(能力を)発揮できる。期待しています」と話した。
「学生は順応性、変化に強い」と感じている新監督は、早稲田大学の強みは「アタックになるかな。サイズはないが、いろんなオプションでスペースにボールを運びたい。ここまで学生中心にまとまってきたが、まだまだ成長しないと厳しい。まずラグビーをやれる喜びを楽しみながらシーズンを迎えたい」と意気込んだ。
慶應義塾大学 栗原徹監督
昨年度3位だった慶應義塾大学。開幕は他の6チームよりも1週間遅く、9月18日(土)の日本体育大学戦だ。今季、4月中旬から6月まではコロナ禍の影響で練習することができなかった。
チームを率いて3年目となる栗原徹監督は「7月から練習を再開し、夏合宿は開催できなかったが、練習試合をして少しずつ状態が戻ってきている。まだまだ足りない部分があるが、しっかり練習して対抗戦を通じて成長していきたい」と話した。
FWはキャプテンHO(フッカー)原田衛、タックラーの副キャプテンFL(フランカー)山本凱(ともに4年)が引っ張り、ドライビングモールは大きな得点源だ。ただ、栗原監督は「伝統でもあるし、すべてにおいてはディフェンスからリズムを作っていきたい」と語気を強めた。
岩出雅之監督
昨年度は対抗戦4位ながら、大学選手権でベスト4に進出して復調の兆しを見せた帝京大学。岩出雅之監督は「FWが良くなってきたので、強みになるように頑張っていきたい。キャプテンのPR(プロップ)細木(康太郎)はいいリーダーシップで学生をまとめている。力強いキャプテンとして成長してほしい」と目を細めた。
FWはPR細木キャプテン、FL上山黎哉(4年)、昨年度ルーキーながら大活躍したHO江良颯、FL/NO8(ナンバーエイト)奥井章仁(ともに2年)、さらに今季加入したLO(ロック)/FL青木恵斗(桐蔭学園)、LO本橋拓馬(京都成章)も大きな戦力となるはずだ。岩出監督も「期待の大型新人の活躍と成長を期待ください」と話した。
筑波大学 嶋崎達也監督
昨年度5位の筑波大学、今季も上位チームからの勝利を狙っている。嶋崎達也監督は「強みにしたいのはディフェンス。そこからの攻守切り替えも強みにしたい」という。
9月12日(日)の開幕戦で帝京大学とぶつかる。嶋崎監督は「昨年度はフィジカルで圧倒されて、何もさせてもらえなかった。昨年度と同じことになったら、帝京さんと戦う土俵に立てない。そこ(フィジカル)をどう戦うか、リーダーと共有して取り組んでいます」と腕を撫した。
日本体育大学 湯浅直孝HC
昨年度6位だった日本体育大学。開幕戦は他の6チームより1週遅れて、9月18日(土)の慶應義塾大学戦だ。湯浅直孝HCは「いかに強豪校にチャレンジするかが、テーマです。気持ちを出しながら挑んでいきたい」と話した。日本体育大学といえば伝統的にランニングラグビーが代名詞。湯浅HCは「どの試合でもランニングラグビーを実現していきたい」とキッパリと言った。
立教大学 福田明久監督
昨年度、6年ぶりに対抗戦Aで勝利を挙げて7位となった立教大学。福田明久監督は「昨年度から11人が変わって若いチームです。どちらにしてもチャレンジャー。立教らしくひたむきさを出して、1対1のタックル、チームディフェンスを強みにしていきたい」と話した。
青山学院大学 清水孝哉監督
昨年度、7戦全敗で8位となった青山学院大学。コーチだった同校OBの清水孝哉監督が新たに就任した。清水監督は「1週間夏合宿ができて、試合もできて、凄く成長できた」とチームの進化を感じている。今季のチームの強みを聞くと、清水監督は「ファーストコンタクトのロータックルを強みにしていきたい」と語気を強めた。
明治大学が3連覇を達成するのか。それとも一昨年度の大学選手権王者である早稲田大学、大学選手権V9の実績を持つ帝京大学、タックルが強みの慶應義塾大学、「国立の雄」筑波大学などの強豪が頂点に立つのか。
強豪同士の対戦から目が離せない関東大学対抗戦。きっと、今年も最終節の12月4・5日までもつれることになろう。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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